終盤失点でOP戦未勝利が続く阪神 好材料もある一方で球界OBは“負の連鎖”を懸念
オープン戦の結果はそれほど気にする必要はないとはいえ、岡田監督の心中は穏やかではないだろう(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
今季のオープン戦、阪神はここまでの5戦ですべて黒星という結果となっている。北海道遠征2戦目となった3月3日の日本ハム戦では3点を先制し、6回終了時で5-1とリードしていたものの、7回裏に3番手でマウンドに登った及川雅貴が5失点と崩れ、5-6で逆転負けを喫した。
【動画】「怖い負の連鎖」2024年3月3日【 阪神 vs 日本ハム 】 佐藤義則の眼
昨季、救援陣の一角を担った及川は今季、先発としての起用が見込まれているものの、この日は連打や2者連続での四球など安定感を欠いての大量失点と、不安を残す内容となった。
札幌ドーム初戦となった3月2日の日本ハム戦も試合最終盤の8回裏に、やはりリリーフ投手が決勝点を奪われ試合を落としている。あくまでも本番はシーズンとはいえ、前年王者のらしからぬ戦いぶりが続いている印象だ。
開幕までの調整期間はあるものの、白星が掴めずにいる現在の阪神に対しては、チーム状況や選手の心理状況を読み解く、球界OBのコメントも聞こえてきている。
「オープン戦でも、勝ってハイタッチして帰るのと、負けて帰るのでは全然違う」
そう語っているのは2003年に阪神の投手コーチを務め、リーグ優勝に貢献した佐藤義則氏だ。YouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』の中で札幌ドームでの敗戦を振り返っており、3月3日に配信となった「『怖い負の連鎖』2024年3月3日【 阪神 vs 日本ハム 】」と銘打たれた動画の中で、黒星が続いているチームの現状への見解が語られている。
同日のゲームで先発した才木浩人の好投や、調子が上向きとなっている打撃陣など、ポジティブな話題にも触れているものの、終盤で失点した及川の投球には「コントロールがおぼつかなかった」とコメント。さらに「去年も打たれる時は四球が絡むことが多かった。良いときと悪い時の差がはっきりするピッチャー。それが今日は7回に出てしまった」として、制球が甘くなる際での肩の位置や、踵の向きなどを指摘した。
他にも、連敗中の選手の心理状態について、「こういう(負の連鎖)のは続くもの。ピンチになったら打たれたり、あと1人のアウトが取れなかったりする」と述べながら、「勝てない時は、『いつか逆転される』という思いでプレーしてしまうし、その影響は徐々に(要所で)出てくる」と言葉を続けた。
さらに、佐藤氏は「5-1のスコアから逆転負けになったら、当然、監督は面白くないよね」などと不本意な結果から抜け出せない状況での、チーム首脳の心情にも言及している。
虎党のみならず、歯痒さを感じてしまう現在の阪神の戦いぶり。投打の歯車がかみ合い頂点まで駆け上がった、昨年の戦いが再現されるのはいつになるのだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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