【インタビュー】SC相模原で現役続行を決意した稲本潤一「サッカーをやめるなんて考えられなかった」
サッカーキング2019年3月9日(土)9時30分
SC相模原へ移籍した稲本はプロ23年目のシーズンを迎える [写真]=SC相模原
あの稲本が相模原にやってくる――。そんなニュースはSC相模原に関わる全ての人を歓喜させた。かつて日本中を沸かせた “ワンダーボーイ”は、J3、そして SC相模原という新しい場所での挑戦を、心の底から楽しみにしている。
インタビュー・文=北健一郎
サッカーをやめる選択肢はなかった
――稲本選手は今年で40歳を迎えます。現役続行を決めた理由はなんだったのでしょうか。
稲本 シンプルに、サッカーがやりたかったからですね。例えば怪我してできないとか病気でできないとかなら納得はいくけど、体は動くし、自分の中ではやれる自信がある。昨年、同じ時代を過ごした仲間がやめていったけど、自分がやれるのにやめる選択肢をしたら絶対に後悔する。だから、自分の中にはやめるという選択肢はなかったです。
――稲本選手の移籍先にはさまざまな噂がありましたが。
稲本 そうですね。でも、一番先に正式オファーをくれたのはSC相模原でした。シゲさんとも話して、自分を必要としてくれていると感じたので、迷うことなく決めました。
――昨シーズンまでプレーした北海道コンサドーレ札幌のいたJ1から、J3にカテゴリーが落ちることについては。
稲本 とにかく、サッカーを続けたい気持ちが強かったですし、カテゴリーへのこだわりはなかったです。実際に僕が札幌に行った時も最初の2年はJ2でしたけど、昨シーズンはJ1で4位にまでなっていますから。
――ここ3年間は合計22試合の出場とピッチから遠ざかっていました。自分のプレーを表現したいという気持ちが強かった?
稲本 試合をしたい、うまくなりたい、勝ちたい……。あの、試合に勝った後の喜びは、やっぱり現役じゃないと味わえないものがある。それを味わっちゃうと、なかなかやめられないんですよねぇ……。セカンドキャリアのことを考えるのであれば、早めにやめるという考えもあるでしょう。でも、そういうのを天秤にかけたとしても、現役でやりたい気持ちが明らかに強かったので。
――すごいピュアなんですね……。
稲本 確かに。小学生の時から何にも変わってないなって思いますもん(笑)。
――稲本選手のSC相模原への移籍はテレビでも大きく報じられました。
稲本 僕自身はチームのために、チームが勝つことを第一に考えてやりたいと思っているし、僕が来たことで注目されるならありがたい。札幌の時も、僕とか(小野)伸二が来たことによって、そういう効果があったと感じています。 SC相模原はずっとJ3にいたいクラブでもないでしょうし、次のステップに行くために、僕がきっかけでできるのであれば、なんでも協力はするつもりです。その前に、何はともあれ、ピッチで結果を残すということに全力で取り組んでいきたいです。
――サッカー選手としてキャリアを重ねる中で考え方が変わったところはありますか。
稲本 昔は自分のことしか考えてなかったけど、チームのことも考えなければいけない年齢にもなってきています。もちろん、自分のパフォーマンスを上げてチームを勝たせることを大事にはしていきたいけど。練習でしっかりやることであったり、サッカーをする姿勢であったり。そういうものを見せていくことが、自分に求められている役割なのかなとは思います。
――稲本選手の主戦場であるボランチは実力者がひしめく激戦区です。
稲本 そうですね、若くて技術のある選手も、ブラジル人選手も、経験のある選手もいる。そういう中で自分のストロングポイントを出して、監督に使ってもらえるように頑張っていきたいです。
――初めてのJ3にはどんなイメージがありますか?
稲本 たまにDAZNでは見てはいましたけど……映像で見ているのと実際にやるのとでは全然違います。もちろん、カテゴリーが違えば、求められるプレーも変わる。そういうのは試合を重ねながら、つかんでいけたらと思います。
チームのために手助けをしたい
――三浦文丈監督のサッカーはどんな風にとらえていますか?
稲本 システムがどうなるのかはわからないですけど、しっかりとボールをつなぎながらフィニッシュまで持っていくサッカーをしようとしていると感じます。僕自身がやりたいサッカーとも近いものがある。とはいえ、ロングボールがダメなわけではありません。ジョン(・ガブリエル)のように身長が高い選手も前にいるし、そこをターゲットにしてこぼれ球を拾うようなプレーがあってもいい。
――J3は34試合の長丁場で、フルシーズンを戦い抜くのは大変だと思います。
稲本 練習の強度に関しては、監督やコーチと話し合いながら調整していく必要はあると思います。今のところはフルメニューでできていますけど、練習場が人工芝なので(足への負担が大きい)。人工芝で1年間やるという経験がなかったので、そこはコンディションと相談しながらやっていきたいです。怪我をして離脱するほうがマイナスだと思うので。とはいえ、みんなと同じメニューをやることも大事ですし、極力やりたいとは思っています。
――新体制発表で「人見知り」と言っていましたが、チームの雰囲気には慣れましたか。
稲本 まだまだです。ただ、人見知りは海外に行ったり、いろんなクラブに行ったりして、だいぶマシにはなりましたが、初対面でいきなり打ち解けられるタイプではないです。いまのところ、みんな絡んでくれるので、コミュニケーションもとれているし、苦労はしていないです。
――稲本選手は日本サッカーのレジェンドですし、若い選手からすれば憧れの存在だったと思うのですが。
稲本 そんなことないです。(昨シーズンまで在籍した川口)能活さんとかとやっているから、免疫はあるんじゃないですか(笑)。
――新体制発表で「ゴハンに誘ってくれたらおごります」と呼びかけていましたが、もう「稲本会」は開催されたのでしょうか。
稲本 まだできていません。練習が終わった後、すぐに帰る選手も多いですし、僕もマッサージを受けるために早く出たりするので。でも、必ずやります(笑)。
――チーム始動後には「メンター」に就任することが発表されました。どのようなことをやるのでしょうか。
稲本 チームが同じ方向を向いてやれるようにするための手助けをする役割だと思っています。少ない人数で長丁場をやるので1人1人が戦力になると思うし、志を持ってやれるようにしていけたらと。カンペー(富澤選手)がキャプテンなので、それを自分が周りで見ながら、気づいたことがあれば助言していきたいなと思います。
――今シーズンの目標を教えてください。
稲本 J3で2位以内に入りたいです。ここ数年の順位を見ても、J3は実力が拮抗しているという印象があります。2位以内に入って、J2のライセンスがとれれば昇格できる可能性があるので、そこを目指したいと思っています。
――稲本選手のプレーを早く相模原ギオンスタジアムで見たいです。
稲本 昨年はほぼほぼ試合に出ていないので、試合への飢えがあります。ピッチで試合をして勝つことの喜びを再確認したいですし、相模原のファンやサポーターのみなさんの前で早く試合がしたいです。
――“イナゴール”も期待しています。
稲本 頑張ります!
インタビュー・文=北健一郎
サッカーをやめる選択肢はなかった
――稲本選手は今年で40歳を迎えます。現役続行を決めた理由はなんだったのでしょうか。
稲本 シンプルに、サッカーがやりたかったからですね。例えば怪我してできないとか病気でできないとかなら納得はいくけど、体は動くし、自分の中ではやれる自信がある。昨年、同じ時代を過ごした仲間がやめていったけど、自分がやれるのにやめる選択肢をしたら絶対に後悔する。だから、自分の中にはやめるという選択肢はなかったです。
――稲本選手の移籍先にはさまざまな噂がありましたが。
稲本 そうですね。でも、一番先に正式オファーをくれたのはSC相模原でした。シゲさんとも話して、自分を必要としてくれていると感じたので、迷うことなく決めました。
――昨シーズンまでプレーした北海道コンサドーレ札幌のいたJ1から、J3にカテゴリーが落ちることについては。
稲本 とにかく、サッカーを続けたい気持ちが強かったですし、カテゴリーへのこだわりはなかったです。実際に僕が札幌に行った時も最初の2年はJ2でしたけど、昨シーズンはJ1で4位にまでなっていますから。
――ここ3年間は合計22試合の出場とピッチから遠ざかっていました。自分のプレーを表現したいという気持ちが強かった?
稲本 試合をしたい、うまくなりたい、勝ちたい……。あの、試合に勝った後の喜びは、やっぱり現役じゃないと味わえないものがある。それを味わっちゃうと、なかなかやめられないんですよねぇ……。セカンドキャリアのことを考えるのであれば、早めにやめるという考えもあるでしょう。でも、そういうのを天秤にかけたとしても、現役でやりたい気持ちが明らかに強かったので。
――すごいピュアなんですね……。
稲本 確かに。小学生の時から何にも変わってないなって思いますもん(笑)。
――稲本選手のSC相模原への移籍はテレビでも大きく報じられました。
稲本 僕自身はチームのために、チームが勝つことを第一に考えてやりたいと思っているし、僕が来たことで注目されるならありがたい。札幌の時も、僕とか(小野)伸二が来たことによって、そういう効果があったと感じています。 SC相模原はずっとJ3にいたいクラブでもないでしょうし、次のステップに行くために、僕がきっかけでできるのであれば、なんでも協力はするつもりです。その前に、何はともあれ、ピッチで結果を残すということに全力で取り組んでいきたいです。
――サッカー選手としてキャリアを重ねる中で考え方が変わったところはありますか。
稲本 昔は自分のことしか考えてなかったけど、チームのことも考えなければいけない年齢にもなってきています。もちろん、自分のパフォーマンスを上げてチームを勝たせることを大事にはしていきたいけど。練習でしっかりやることであったり、サッカーをする姿勢であったり。そういうものを見せていくことが、自分に求められている役割なのかなとは思います。
――稲本選手の主戦場であるボランチは実力者がひしめく激戦区です。
稲本 そうですね、若くて技術のある選手も、ブラジル人選手も、経験のある選手もいる。そういう中で自分のストロングポイントを出して、監督に使ってもらえるように頑張っていきたいです。
――初めてのJ3にはどんなイメージがありますか?
稲本 たまにDAZNでは見てはいましたけど……映像で見ているのと実際にやるのとでは全然違います。もちろん、カテゴリーが違えば、求められるプレーも変わる。そういうのは試合を重ねながら、つかんでいけたらと思います。
チームのために手助けをしたい
――三浦文丈監督のサッカーはどんな風にとらえていますか?
稲本 システムがどうなるのかはわからないですけど、しっかりとボールをつなぎながらフィニッシュまで持っていくサッカーをしようとしていると感じます。僕自身がやりたいサッカーとも近いものがある。とはいえ、ロングボールがダメなわけではありません。ジョン(・ガブリエル)のように身長が高い選手も前にいるし、そこをターゲットにしてこぼれ球を拾うようなプレーがあってもいい。
――J3は34試合の長丁場で、フルシーズンを戦い抜くのは大変だと思います。
稲本 練習の強度に関しては、監督やコーチと話し合いながら調整していく必要はあると思います。今のところはフルメニューでできていますけど、練習場が人工芝なので(足への負担が大きい)。人工芝で1年間やるという経験がなかったので、そこはコンディションと相談しながらやっていきたいです。怪我をして離脱するほうがマイナスだと思うので。とはいえ、みんなと同じメニューをやることも大事ですし、極力やりたいとは思っています。
――新体制発表で「人見知り」と言っていましたが、チームの雰囲気には慣れましたか。
稲本 まだまだです。ただ、人見知りは海外に行ったり、いろんなクラブに行ったりして、だいぶマシにはなりましたが、初対面でいきなり打ち解けられるタイプではないです。いまのところ、みんな絡んでくれるので、コミュニケーションもとれているし、苦労はしていないです。
――稲本選手は日本サッカーのレジェンドですし、若い選手からすれば憧れの存在だったと思うのですが。
稲本 そんなことないです。(昨シーズンまで在籍した川口)能活さんとかとやっているから、免疫はあるんじゃないですか(笑)。
――新体制発表で「ゴハンに誘ってくれたらおごります」と呼びかけていましたが、もう「稲本会」は開催されたのでしょうか。
稲本 まだできていません。練習が終わった後、すぐに帰る選手も多いですし、僕もマッサージを受けるために早く出たりするので。でも、必ずやります(笑)。
――チーム始動後には「メンター」に就任することが発表されました。どのようなことをやるのでしょうか。
稲本 チームが同じ方向を向いてやれるようにするための手助けをする役割だと思っています。少ない人数で長丁場をやるので1人1人が戦力になると思うし、志を持ってやれるようにしていけたらと。カンペー(富澤選手)がキャプテンなので、それを自分が周りで見ながら、気づいたことがあれば助言していきたいなと思います。
――今シーズンの目標を教えてください。
稲本 J3で2位以内に入りたいです。ここ数年の順位を見ても、J3は実力が拮抗しているという印象があります。2位以内に入って、J2のライセンスがとれれば昇格できる可能性があるので、そこを目指したいと思っています。
――稲本選手のプレーを早く相模原ギオンスタジアムで見たいです。
稲本 昨年はほぼほぼ試合に出ていないので、試合への飢えがあります。ピッチで試合をして勝つことの喜びを再確認したいですし、相模原のファンやサポーターのみなさんの前で早く試合がしたいです。
――“イナゴール”も期待しています。
稲本 頑張ります!
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