予選Q3への可能性。合同テストで見えたトロロッソ・ホンダの課題/全チーム戦力分析(2)
F1バルセロナ合同テスト2回目が終了し、マシンの速さそして信頼性が見えてきた。今回は全チームの戦闘力を分析し10回にわたり連載していく。第2回目は今季からホンダPUを搭載するトロロッソだ。
———————————
●トロロッソ(チーム戦力:70点)
トロロッソ・ホンダが8日間のテストで走破した周回数は822周。距離にして3826km。ホンダとしては、昨年マクラーレンと組んで行ったテストでの周回数が425周(1978km)だったから、課題としていた信頼性は大きく向上したことは確認できた。
トロロッソとしても、ルノーPUを搭載した昨年のテストで走り込んだ周回数の584周(2719km)を大幅に上回る距離を走ることができた。1回目のバルセロナテストの3日目が雪のために走行できなかったことを考えると、ホンダにとってもトロロッソにとっても、充実したテストだったはずだ。
ただし、課題も見えたことは確かだ。
まず絶対的なスピードが、ライバル勢と比べるとやや足りない。今年もメルセデス、フェラーリ、レッドブルのトップ3チームが第1集団を形成することは変わりない。それに続く第2集団はおそらくフォース・インディア、ルノー、ハース、マクラーレン、そしてトロロッソの5チームで形成され、ポイント争いが繰り広げられるものと考えられる。
合同テストのベストタイムだけを比較すると、トロロッソは5チーム中、4番目の速さ。つまり、現時点では実力で予選Q3へ進出できない。特にブレンドン・ハートレーが、まだ一発の速さをマシンから引き出すことに苦労しているようだ。
そうなると重要なのが、シーズン中のマシンのアップデートと、ドライビングシミュレーターを使用したドライバーのスキル向上だ。どちらもレッドブルテクノロジーのサポートが不可欠となるだろう。
もうひとつの課題は、耐久・信頼性の確保だ。今シーズンのPUの使用に関するレギュレーションは、ICE、ターボ、MGU-Hはそれぞれ年間3基までと、さらに厳しい条件となった。年間21戦を3基で割ると、1基あたり7グランプリとなる。フリー走行と予選を含めると、1グランプリで走行しなければならない距離は約700kmだから、1基あたりのマイレージは約4900kmとなる。
今年の合同テストで、ホンダは1回目のテストでは性能を確認するため、異なる仕様のPUを一日ごとに交換して使用。本格的な耐久性の確認は、2回目のテストから始められた。4日間を1基のPUで走り続ける予定だったが、初日に出端をくじかれた。ブレーキトラブルで午後は1周も走行できずにテストを終了しなければならなかったのだ。
2日目以降は、毎日100周以上を走行し、1日目に失ったの穴を少しでも埋めようとしたが、最終的に2回目のテストでの周回数は498周(2318km)に終わり、実走での耐久・信頼性の確認ができないまま終わった。
合同テストで、トロロッソ・ホンダは第2集団で戦える力があるところは見せられた。しかし、F1は8日間だけの戦いではない。年間21戦を戦い抜くために、チームはさらに成長しなければならない。
「トロロッソ」をもっと詳しく
「トロロッソ」のニュース
-
フェラーリF1のレーシングディレクター、メキースがアルファタウリに移籍か4月26日13時14分
-
クビアト、2016年のトロロッソF1移籍を振り返る「レッドブルには感謝しているが、いまだに残念に思っているのも確か」4月18日19時0分
-
初優勝は2008年。トロロッソ&アルファタウリのF1車両遍歴【F1チーム別歴代マシンギャラリー】2月11日20時30分
-
ウイリアムズF1のTD、“時々いい人すぎる”アルボンには「チームにもう少し厳しくしてプッシュしてほしい」と語る12月8日11時0分
-
レッドブル・レーシング創設者ディートリッヒ・マテシッツ氏が死去。ホーナー代表が感謝の言葉を捧げる10月23日9時15分
-
トロロッソF1でのフェルスタッペンとサインツは「関係がよくなかった」とマルコ。父親同士も不仲に10月20日6時1分
-
元トロロッソF1のアルグエスアリ、ヘルムート・マルコの怒りがトラウマになったと明かす「今でも当時の夢を見る」9月27日6時0分
-
トロロッソF1に「新しい血とアイデア」を持ち込んだベッテル。トスト代表はその仕事ぶりに将来の飛躍を確信8月17日5時11分
-
リカルド、最も過小評価されているF1ドライバーとしてガスリーを挙げる「みんなが見捨てても、彼は強くなって戻ってきた」8月10日13時13分
-
元F1ドライバーのダニール・クビアト、インディアナポリスでNASCARカップシリーズ初参戦へ7月28日12時35分