【ライターコラムfrom横浜FM】走行距離は異例の7キロ超…新たなGK像を模索する飯倉大樹
サッカーキング2018年3月16日(金)18時0分
ポステコグルー監督の下で新たなプレースタイル確立を目指す飯倉[写真]=J.LEAGUE
横浜F・マリノスの新指揮官に就任したアンジェ・ポステコグルー監督が標榜するアタッキングフットボールにおいて、最後尾に位置するGKには従来と大きく異なる仕事が求められる。攻撃では最終ラインとともにショートパスをつないで起点となり、守備時はハイラインの背後のスペースを消す役割を担う。この二つを高いレベルでこなしているのが、ここまで公式戦全5試合にフル出場している飯倉大樹だ。
小学6年生までフィールドプレーヤーだったという飯倉はもともと足元の技術に定評があった。「いろいろなポジションをやったけど、主にボランチをやっていた。GKに転向したのは中学生になってから」という珍しい背景があるから、味方は安心してバックパスを預けられる。キックの精度もさることながら、トラップやドリブルといったボール扱い全般に優れているのが最大の特長だろう。まさに起点となる働きを体現している。
スペース処理に関しても失敗を糧にしながら取り組んでいる。リーグ開幕1週間前に行われたFC東京とのプレシーズンマッチでは、相手のロングボールに対して果敢にエリア外へ飛び出してヘディングクリアを試みたものの、ルーズボールを拾われてあっさり失点してしまった。その場面を教訓にブラッシュアップを重ね、開幕後は現代サッカーではほとんど聞かれなくなった“スイーパー”と呼ぶにふさわしいプレースタイルを築いている。
GKとしては異例とも言える1試合7キロ以上の走行距離を記録し、センターバック顔負けのヘディングクリアで相手の攻撃をシャットアウトしていく。慣れないプレーを求められているが、飯倉はチャレンジに意欲的だ。
「ヘディングクリアばかりで首が痛い(苦笑)。センターバックのボンバー(中澤佑二)や(栗原)勇蔵くんにアドバイスをもらっている。困った時は高く上げろと言われているし、浮き球の処理なのでタッチラインの外に出してゲームを切ることも必要になる」
試合中のポジショニングを見ると、味方がボールを持って攻め込んでいる時は自陣ペナルティーエリアを飛び出しハーフウェーライン付近にいることが多い。そこで重要になるポジショニングやプレー選択などの状況判断については、「自分自身、ベストを探している状態。今のGK像のパーフェクトはまだ見えていない」とこれからも試行錯誤は続く。
風変わりなサッカースタイルの中で特殊なプレーを要求されるGKは、チームにおいて最も難度の高いポジションになっている。しかし飯倉は臆することなく言ってのける。「オレはクレイジーだから、ノーマルなやり方よりも楽しい。ミスを恐れずクオリティを上げていきたい。これは自分にしかできないやり方だと思っている」
チームはリーグ戦3試合を消化し、1分け2敗とまだ勝ち星がない。結果もさることながら3試合で2得点という数字には物足りなさが残る。ボールポゼッションで相手を上回り主導権を握れているだけに、残す課題は相手ゴール前での仕上げのみ。失敗を恐れず勇気を持ってプレーすることの大切さは、新スタイルに最も前向きに取り組んでいる飯倉を見れば、推して知るべしである。
文=藤井雅彦
小学6年生までフィールドプレーヤーだったという飯倉はもともと足元の技術に定評があった。「いろいろなポジションをやったけど、主にボランチをやっていた。GKに転向したのは中学生になってから」という珍しい背景があるから、味方は安心してバックパスを預けられる。キックの精度もさることながら、トラップやドリブルといったボール扱い全般に優れているのが最大の特長だろう。まさに起点となる働きを体現している。
スペース処理に関しても失敗を糧にしながら取り組んでいる。リーグ開幕1週間前に行われたFC東京とのプレシーズンマッチでは、相手のロングボールに対して果敢にエリア外へ飛び出してヘディングクリアを試みたものの、ルーズボールを拾われてあっさり失点してしまった。その場面を教訓にブラッシュアップを重ね、開幕後は現代サッカーではほとんど聞かれなくなった“スイーパー”と呼ぶにふさわしいプレースタイルを築いている。
GKとしては異例とも言える1試合7キロ以上の走行距離を記録し、センターバック顔負けのヘディングクリアで相手の攻撃をシャットアウトしていく。慣れないプレーを求められているが、飯倉はチャレンジに意欲的だ。
「ヘディングクリアばかりで首が痛い(苦笑)。センターバックのボンバー(中澤佑二)や(栗原)勇蔵くんにアドバイスをもらっている。困った時は高く上げろと言われているし、浮き球の処理なのでタッチラインの外に出してゲームを切ることも必要になる」
試合中のポジショニングを見ると、味方がボールを持って攻め込んでいる時は自陣ペナルティーエリアを飛び出しハーフウェーライン付近にいることが多い。そこで重要になるポジショニングやプレー選択などの状況判断については、「自分自身、ベストを探している状態。今のGK像のパーフェクトはまだ見えていない」とこれからも試行錯誤は続く。
風変わりなサッカースタイルの中で特殊なプレーを要求されるGKは、チームにおいて最も難度の高いポジションになっている。しかし飯倉は臆することなく言ってのける。「オレはクレイジーだから、ノーマルなやり方よりも楽しい。ミスを恐れずクオリティを上げていきたい。これは自分にしかできないやり方だと思っている」
チームはリーグ戦3試合を消化し、1分け2敗とまだ勝ち星がない。結果もさることながら3試合で2得点という数字には物足りなさが残る。ボールポゼッションで相手を上回り主導権を握れているだけに、残す課題は相手ゴール前での仕上げのみ。失敗を恐れず勇気を持ってプレーすることの大切さは、新スタイルに最も前向きに取り組んでいる飯倉を見れば、推して知るべしである。
文=藤井雅彦
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