トロロッソ・ホンダの出足は順調。常時入賞争いも可能か/F1オフシーズンテスト総括(4)
オフシーズンテストが終了し、あとは3月23〜25日に開幕するF1オーストラリアGPを待つのみとなった。順調にテスト項目を消化したチームもあればトラブルで走れなかったチームもあり、マシンの仕上がり具合が気になるところ。全6回に分けて各チームの開幕戦の展望を紹介。第4回はホンダの新パートナーとなったトロロッソだ。
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ホンダはひとつ、課題クリアに接近しつつあるのではないか? F1復帰4年目となる2018年の開幕を控え、オフシーズンのテストで得られたのは、明確とも言えるプラス材料だ。
バルセロナ合同新車テストの後半4日間の日程、そのすべてで1基のパワーユニットを使い続けたことを、ホンダは明言した。
最終日のセッション終了間際になって異常なデータが感知されたことから、4日間の最後まで走り切ることはかなわなかったが、同じパワーユニットで稼いだ周回数は500周近くにもおよぶ。これはスペインGPのレース距離の7.5倍を超える数値だ。
その間、ピットレーンでの電気系シャットダウン等あったが、すぐに走行は再開できた。最後の異常なデータ感知も原因不明だったことから大事をとっただけで、どこかが完全に壊れてしまったというわけではない。つまりホンダ前年型にはなかった信頼性が、少なくともこのテストで使用されたスペックにはある程度、確立がみられた。
もちろんグランプリ本番というのはフリープラクティスから予選、レースのトータル。7.5レース分の距離とは目安にしかならないわけだが、それでもこの信頼性がシーズンの本番スペックでも維持されるのであれば、昨年までのような年間に10基、11基というような数字はもう繰り返されることはない。使用基数超過のペナルティによる、グリッドダウンの数の累計が取り沙汰されてしまうような事態は、回避できるはずだ。
となれば、もうひとつの課題はパワー。だが、これについて現状、何も語れるものはない。ホンダに限らず、他社もすべて走らせていたのは『テスト仕様』に過ぎず、パワーユニットの真の優劣が明らかとなるのは開幕戦、それもフルに出力を絞り出す予選となってからだ。
ただ、ドライバーたちの評価は総じて悪くない。昨季にチームが搭載していたルノーとの比較になるのだが、「ドライバビリティは、これまでに経験したことがないほどいい」。
そうしたホンダ上昇気運の間違いなく後押しとなっているのが、新パートナーのトロロッソだ。レッドブルのセカンドチームであり、これまでの彼らの活動歴のなかで今回のホンダとの契約のような『ワークス待遇』は一度もなかった。つまり、トロロッソにとっても今回の提携は、チームレベルを飛躍的に高めるチャンスなのだ。
その意味で彼らはホンダの要望に対して聞く耳を持ち、献身的に新型車『STR13』の設計に反映させたとも言える。一見して、前年型よりもパワーユニット関連の冷却面に充分な配慮が成された造りだ。自分たちのエゴには走らず、まずシャシーの側からも、信頼性を高める手法に動いた。この協力関係に、昨年までホンダが経験した『重苦しさ』はない。
テスト期間中のタイムもまずまずで、新生トロロッソ・ホンダは常時入賞争いが可能なポジションにはありそうだ。そして、このパートナーシップ1年目はレッドブルも注視している。ルノーとの契約は今季で切れ、次なる選択肢としてホンダはあるのか。
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