スーパー耐久は“アジア最大級”のアマチュアレースシリーズ【開幕直前モータースポーツ入門ナビ】

AUTOSPORT web2021年3月18日(木)6時40分

 各地から届く桜や梅の開花の便りとともに、春が一歩一歩近づいてくることを実感する3月。モータースポーツの世界では通常、新しいシーズンの開幕が迫る時期を迎える。


 2021年もいまだ新型コロナウイルスの驚異が収まらぬなかではあるが、F1をはじめ、WECやインディカ—、国内のスーパーGT、スーパーフォーミュラといった各シリーズの開幕戦が3〜4月にかけて順次開催されていく。


 ここでは、そんな各カテゴリーの楽しみ方や観戦のヒントとなるポイントを初心者にも分かりやすく紹介していく。第1回目は3月20〜21日に、栃木県のツインリンクもてぎで今季第1戦が行われるスーパー耐久シリーズだ。


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■ポイント


・ワンメイクレースを除いて日本一の参戦台数を誇る耐久レースシリーズ
・全8クラス、毎戦50台以上がエントリー
・ワンメイクタイヤを使用し、2021年のシリーズからはハンコックが供給
・FIA-GT3マシンから排気量1500cc以下のコンパクトカーまでさまざまな車両が参戦
・レース時間は3時間から24時間
・スーパーGTにも参戦している国内トップとともにアマチュアドライバーも活躍

最高峰クラスのST-XクラスはFIA-GT3カーで争われる。 2020スーパー耐久第4戦もてぎ


■スーパー耐久(S耐)の紹介


 スーパー耐久シリーズは1991年から開催されていたN1耐久ラウンドシリーズをルーツの耐久レースシリーズだ。市販車に小規模な改造を施したN1マシンで競われてきたシリーズも、徐々に改造可能な範囲が広がりをみせ、1998年シーズンより『スーパー耐久シリーズ』と名称を変更して今日に至っている。


 現在ではFIA-GT3マシンが参戦するST-Xクラスを筆頭に、FIA-GT4マシンが参戦するST-Zクラス、TCRマシンが参戦するST-TCRクラスのように、メーカーが開発・販売している市販のレーシングカーの参戦も可能だ。


 ST-2クラスからST-5クラスは排気量、駆動方式でクラス分けが行われ、ST-2〜ST-5クラスの分類に入らないカップカーやワンメイクレースマシンなどはST-1クラスに分類される。


 アマチュア主体のN1耐久ラウンドシリーズがルーツにあるため、プロドライバーだけではなく、アマチュアドライバーが切磋琢磨してレースを戦っていることもスーパー耐久の大きな特徴だ。


 スーパー耐久の決勝スターティンググリッドは公式予選でAドライバーとBドライバーが記録した最速タイムを合算して決定される。


 ST-X、ST-Z、ST-TCRクラスはAドライバーにアマチュアドライバー(ジェントルマンドライバー)を登録しなければならないため、予選で上位のポジションを獲得するにはプロだけではなく、アマチュアドライバーも好タイムをマークしなければならない。


 2020年シーズンは5戦が開催され、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも毎戦50台以上のエントリーを集めた。参戦台数や参戦ドライバーの人数から“アジア最大級のアマチュアレースシリーズ”となっている。


 レースは時間制で3時間から24時間までと毎戦長時間の戦いとなる。サーキットによってはコース上の混雑を避けるため、グループ1(ST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-1、ST-2、ST-3)とグループ2(ST-4、ST-5)とグループ分けが行われ、グループそれぞれでレースが行われている。


 タイヤは2018年よりピレリタイヤのワンメイクであったが、2021年シーズンよりハンコックタイヤのワンメイクへと変更され、新たなタイヤでシーズンの幕開けを迎えることになる。

FIA-GT3マシンから排気量1500cc以下のコンパクトカーまでさまざまな車両が参戦する。

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