【J1リーグ2023】第5節ベストイレブン
3月18〜19日にかけて行われた、2023明治安田生命J1リーグの第5節。ドローゲームや1点差の接戦が多かった中、2連勝と波に乗る京都サンガF.C.は攻撃陣が大暴れの大量4得点。3連勝で一気に上位進出を果たした(対横浜FC4-1)。また、アビスパ福岡は1点ビハインドで後半アディショナルタイムに突入し、敗戦濃厚な中から逆転勝利を挙げている(対湘南ベルマーレ2-1)。
第5節を迎えまだまだシーズン序盤ながらも、試合を重ねるごとにリーグ戦は熱を帯びていると言えよう。ここでは、各地で熱戦が繰り広げられたJ1第5節で活躍した選手たちを、ベストイレブン形式でご紹介していく。
GK:前川黛也(ヴィッセル神戸)
首位を走るヴィッセル神戸で、今季はここまで不動の守護神となっているGK前川黛也。第5節も高い位置でビルドアップに参加し、的確なポジション取りでヘディングでのクリアも見せるなど、安定した働きで無失点勝利に大きく貢献している(対サガン鳥栖1-0)。新戦力の加入で、ポジション争いが熾烈になることも予想される神戸のGK事情。前川にとっては勝負のシーズンなだけに、より一層の活躍を期待したい。
DF:塩谷司(サンフレッチェ広島)
第5節、サンフレッチェ広島DF塩谷司が今季2度目となるミドルシュートでのゴールで試合を決めた(対柏レイソル1-0)。前節に今季初勝利を挙げ、一気に浮上のきっかけとしたい広島は、前半から数多くチャンスシーンを作りながらも決めきれず、塩谷らDF陣は柏レイソルの早さと高さの対応に追われる場面も多くあった。しかし、攻めきれない雰囲気の中、塩谷の放ったシュートが敵に当たりそのままゴール。守備も完封を果たし勝ち点3をもたらす原動力となった。
DF:角田涼太郎(横浜F・マリノス)
王者横浜F・マリノスは第5節、結果的に勝利を収めたが(対鹿島アントラーズ2-1)決して楽な試合ではなかったと言えよう。序盤から積極的に前に出てくる鹿島を相手に、守勢に回る場面も多かった。そんななかDF角田涼太郎は、曲者FW鈴木優磨とのマッチアップ多くも、簡単には自由を与えない活躍で攻撃を食い止め続けた。最終的にその鈴木に1点を献上したが、危険な場面を止め続けた角田の貢献度は高かったと言える。
DF:松原健(横浜F・マリノス)
なかなか攻撃の糸口を作れなかった今第5節の王者横浜F・マリノス。試合を動かしたのは、右サイドバックに入っていたDF松原健の豪快な一振りだった。前半は鹿島のDF安西幸輝が積極的に前に出てきていたこともあり、守備に回る時間も多かった松原。しかし後半のワンチャンスをものにし、勝利に大きく貢献した。
DF:明本考浩(浦和レッズ)
開幕から好調のアルビレックス新潟をホームに迎えながら、先制され苦しい立ち上がりとなった第5節の浦和レッズ。しかし、両サイドバックの活躍で勝利を収めている(2-1)。特に、DF明本考浩は前半終了間際、コーナーキックからのこぼれ球を身体をたたんだ綺麗なボレーでゴールに打ち込み逆転を演出。結果決勝点を挙げる活躍を果たした。
MF:米本拓司(名古屋グランパス)
両陣営の堅守が光る試合となった第5節の名古屋グランパス対FC東京(0-0)。名古屋にとっては、1人で広範囲に顔を出し高いカバーリング能力を見せたMF米本拓司の活躍が、貴重な勝ち点1をもたらすものだったと言えよう。相手ボールになった際の切り替えの早さで、攻撃を遅らせ潰す能力はもはや職人技。ゴールにこそ結びつかなかったが、前線へ効果的な縦パスも数多く送っており、間違いなくこの試合の中盤を支配する活躍を見せていた。
MF:荒野拓馬(北海道コンサドーレ札幌)
第5節で連勝を目指した北海道コンサドーレ札幌。2点リードするまでの流れは完璧に近い試合を作りながら、残念ながらドローゲームに終わった(対ガンバ大阪2-2)。しかし、相手の逆転ムードが高まる中で、MF荒野拓馬を中心に集中力を保って戦えたことは大いに評価できるだろう。元々豊富な運動量を誇る荒野だが、特に今節は90分間を通して高い集中力で広範囲をカバー。前線へのプレスも積極的でガンバ大阪の勢いを削ぐことに十分貢献したと言えよう。
MF:石毛秀樹(ガンバ大阪)
第5節でも、残念ながら今季初勝利とはならなかったガンバ大阪(対札幌2-2)。しかし、2点リードされる難しい試合展開の中、同点に追いつけたことは、この先長いシーズンを戦う上で大きな収穫とも言えよう。そんな同点劇に途中出場で多大な貢献をしたのがMF石毛秀樹だ。開幕から出番がなかなか来なかった石毛だが、この試合では鬱憤を晴らすように動き回り、神出鬼没のポジション取りで相手陣をかき回しゴールも記録。守備でも身体を張るシーンを見せるなど、次節以降に向け大きくアピールする結果となった。
FW:泉柊椰(ヴィッセル神戸)
昨年とは打って変わって、今季序盤から好調な立ち上がりを見せるヴィッセル神戸。今第5節は、期待の若手FW泉柊椰が初先発でプロ初ゴールを挙げる活躍を見せ、勝利数を単独4に伸ばした(対サガン鳥栖1-0)。後半開始早々に交代となった泉だが、得点シーン以外でも序盤から積極的にゴールを狙う姿勢を見せていただけに、嬉しい初ゴールとなったことだろう。J屈指のタレント軍団の中、ポジション争いも熾烈なのは間違いないが、今後もより多くの試合で見られることを期待したい。
FW:木下康介(京都サンガF.C.)
開幕から2連敗したものの、直近は2連勝と持ち直した京都サンガF.C.は、第5節も勝利し連勝数を3に伸ばした(対横浜FC4-1)。交代選手も含めFW陣が大きな仕事をしたこの試合。FW木下康介は2試合連続となるゴールを決め、逆転勝利に大きく貢献している。自らの突破でゴールに迫る姿も見られ、自身で追加点を挙げられるチャンスを決められなかったのは残念だったが、今季はどこまでゴール数を伸ばすのか楽しみだ。
FW:山岸祐也(アビスパ福岡)
昨年は2桁得点を達成したアビスパ福岡の攻撃の柱、FW山岸祐也が、今季第5節でようやく目を覚ました。1点ビハインドで試合が進む中、福岡は終盤に向けて攻撃的な選手を多数投入。アディショナルタイムには相手陣内でのプレーが多くなっていた。しかし、山岸の狙いすましたボレーで土壇場で同点に追いつくと、終了間際にはサイドを崩しボールはまたも山岸の元へ。冷静にこれもゴールに流し込み、一気に逆転(対湘南ベルマーレ2-1)。間違いなく今節で最もチームを救ったヒーローと呼べる活躍を果たしたと言えよう。
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