名ドライバー、ファンジオに並ぶ5度目の戴冠へ。タイトル争いの大本命/今季注目の5大対決(5)
いよいよ開幕が迫った2018年のF1シーズンは、各所でさまざまな対決が勃発することが予想される。そのなかでも特に注目すべき対決を全5回に分けて紹介する。最後は5度目のタイトル獲得を狙うルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルだ。
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今季も昨年同様、ルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルの一騎打ちが繰り広げられるのか。まだ開幕戦も始まっていない現時点では、その実現を断言するのは早すぎる。はたしてフェラーリの新車SF71Hは、メルセデスのW09に匹敵する戦闘力を発揮できるのか。あるいは冬のテストで速さを見せたレッドブルRB14が、伏兵として両者の間に割って入るのか。
空力レギュレーションが大きく変わった昨年も、最終的にメルセデスの優位は変わらなかった。しかし王者とそのライバルたちとの差が、縮まったのは確かである。跳ね馬を駆るベッテルは、メルセデスに対して何度も互角以上の速さを見せた。それ以前の3シーズンでは、まったく見られない光景だった。
そして技術規約がほぼ固定された今季は、両者の差はさらに縮まると考えるのが妥当だ。となるとハミルトンとベッテルのタイトル争いが、今季も期待できるのではないだろうか。
この二人にとって今季チャンピオンになれるかどうかは、今まで以上に意義のあることだ。というのも両者はともに4度タイトルを獲得しており、今季を制すればあのフアン・マヌエル・ファンジオの記録に並ぶのである。
2010年から13年まで4連覇を達成した当時のベッテルには、ファンジオの記録に並ぶことなど訳はないと思わせる勢いがあった。しかしその後はメルセデスが台頭し、ベッテルは4年間タイトルとは無縁だ。5冠が達成できるかどうかはフェラーリの戦闘力と、何よりもベッテル自身が少なくとも去年よりは冷静沈着に行動する必要がある。
一方のハミルトンは昨年のW08の気紛れな挙動に苦しんだものの、それでも4度目のタイトル獲得に成功した。差を縮めたとはいえ、総合力では依然としてフェラーリはメルセデスにかなわなかった。
そして去年のハミルトンには、ドライバーとして死角がなかった。その意味では今季、ファンジオに並ぶ可能性が高いのはハミルトンではないだろうか。
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