スズキのリンス、後方スタートから大躍進の5位フィニッシュ「どんなミスも犯さなかった」
チーム・スズキ・エクスターにとって、MotoGP第2戦アルゼンチンGPは浮き沈みの激しいグランプリであったし、明暗の分かれたレースだったとも言える。アレックス・リンスは予選で16番手に沈んだが、決勝レースで大きく躍進し、5位フィニッシュ。対してジョアン・ミルは19番手スタートからリタイアでレースを終えた。
アルゼンチンGP開催地であるアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドは、スズキにとって相性がいいサーキット。当然、スズキは表彰台をねらっていただろう。
しかし、予選でリンスとミルは下位に沈んだ。予選Q1を突破できず、リンスは16番手、ミルは19番手。この日の状況について、リンスは「今日について説明するのは難しい。チームも僕もベストを尽くしたんだけど。Q1のペースはよくなかったけれど、ほかのセッションではタイム差が接近していた」と語り、チームマネージャーのダビデ・ブリビオは「タイヤのグリップ不足が原因」だとコメントしている。その一方でブリビオ氏は「アレックスのレースペースは悪くない」とも語った。
迎えた決勝レースで、リンスは奮闘した。6列目からスタートすると、オープニングラップを12番手で終える。実際、リンスのレースペースは悪くなかった。2番手集団のライダー同様に、1分40秒前半を連発。リンスはレース中盤の12周目を終えるころには8番手にまで浮上していた。
実に10以上のポジションを上げて5位でチェッカーを受けたリンスは、「信じられない」レースだったと振り返った。
「路面がすべりやすくて厳しい状況だったのに、どんなミスも犯さなかった。次のレースではグリッドポジションを改善しないといけないね。でも、トップ5以内でゴールできたのは、自分にとってもチームにとっても満足だ」
片や、決勝レースでも歯車がかみ合わないまま終えることになったミル。ミルは18番手から20番手付近を走行していたが、レース終盤にピットインし、そのままリタイアとなった。リヤタイヤに問題が生じたことが原因だったという。
「レース序盤からリヤのグリップに違和感があった。自分でピットインしてリタイアしたのは、僕のレース人生のなかで初めてのことだ。でも、本当にリヤエンドに奇妙な感覚があったんだ」と、ミルはリタイアの理由を説明した。
予選の低迷とミルが訴えるリヤタイヤの違和感は気になるところ。一方で、リンスが決勝レースで見せた速さは確かなものだった。スズキが表彰台争いに常時加わるには、安定感が要素のひとつなのかもしれない。
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