AT04は高速域が向上も、低速域で遅れていると角田裕毅。全体的な性能は「若干悪くなったかも」
アルファタウリF1の角田裕毅は、2023年型マシンのAT04について、昨年に比べて高速コーナーでは向上が見られるものの、低速域を弱点としており、全体的なパフォーマンスでは悪化しているという見方を示した。
第2戦サウジアラビアGPの決勝で、角田は後方から迫るケビン・マグヌッセン(ハース)に残り4周でオーバーテイクを許し、11位でレースを終えた。角田はレース後に悔しさを滲ませたが、それはレース最終盤でポイント圏外に脱落したことだけが理由ではなかった。
アルファタウリにとってサウジアラビアGPは大きなチャンスだった。それは、木曜日に行われた定例会見で角田が、「(マシン特性から)バーレーンよりも、このサウジアラビアのほうが少しはポジティブに考えています」と期待をのぞかせていたことからもわかる。開幕以来、今期型AT04の戦闘力不足に悩まされてきただけに、ここでポイントを取り逃したことは痛手だった。
サウジアラビアGPの舞台、超高速レイアウトのジェッダ市街地コースは、中・高速コーナーを苦手としていた2022年型マシンのAT03とは決して相性が良いコースではなかった。しかし、角田がサウジアラビアに期待を寄せたのは、その部分に改善が見られたからだ。
会見でマシンについて問われた角田は、「昨シーズンと比べると、間違いなく昨年から改善を目指していたところでは一歩前進したと思います」と、その変化を明らかにしている。だが一方で、角田はライバルと比較したときのペースについては昨年以上に悪くなっていると認め、その理由をこう説明した。
「同時に、昨年の強みになっていた部分ではあまり進歩しなかったので、実際には若干悪くなったかもしれません」
「ギブ・アンド・テイクのような感じで、高速よりも低速の方で遅れをとっていて、そういったところではもっとグリップが必要です。高速コーナーでは、まだ少しはグリップを向上させることができましたが、それでももっとまとめていかなければならないですし、チームもそのための計画を立てていると思います」
昨年の長所と短所が逆転したようなかたちになっているというAT04だが、もちろんチームも手をこまねいているだけではない。アルファタウリは第3戦オーストラリアGPでマシンにアップデートを施し、セーフティカーや赤旗の混乱はあったものの、角田は10位入賞を果たし今季初ポイントを獲得している。
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