スズキに2年ぶりのMotoGP表彰台を贈ったリンス、「完ぺきな感触」で一時はトップも走行
MotoGP第2戦アルゼンチンGPのMotoGPクラス決勝は話題の多いレースだった。スタートディレイ、マルケスとロッシの接触アクシデント、そしてプライベーターであるカル・クラッチローがホンダのグランプリ通算750勝目を挙げた。そんななか、チーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスが3位表彰台を獲得。スズキに2016年以来の表彰台をプレゼントした。
3位を獲得したリンスにとっても、これがMotoGPクラス自身初の表彰台だ。2017年シーズンからMotoGPクラスに昇格し、2018年シーズンはチーム・スズキ・エクスターライダーとして迎えた2年目のシーズンだった。
第2戦アルゼンチンGPは、スタート進行中に微妙な天候とコースコンディションの影響でほぼすべてのライダーがタイヤ交換を選択。一度着いたグリッドからピットに戻り、そのためスタート進行が一時中断された。リンスは「スタートに遅れが生じていたから、僕はナーバスになっていた。簡単なレースではなかったよ」と、そのときのことを振り返る。
「だけど、レースがスタートしたときには、僕は最初から本当にいい感触を得ていたんだ」
その言葉が示すとおり、リンスは5番グリッドから好スタートを切りトップ集団で走行。7周目には2番手に上がると、トップを走るポールポジションスタートのジャック・ミラー(アルマ・プラマック・レーシング)を追った。
「ミラーの後ろに着いたときには、こう思った。『よし、ミラーを抜く必要があるな』ってね。なにしろ、僕は完ぺきにいい感じだったんだ」
16周目、テール・トゥ・ノーズで何度かミラーに仕掛けていたリンスがついにトップに浮上する。しかし、ウエットパッチが残っていたコースコンディションがリンスの邪魔をした。オーバーランを喫し、ミラーに再びトップの座を奪われたのだ。
「レースをリードしていたとき、小さなミスを犯してしまった。コースはとてもウエットパッチでとても難しい状況だったんだ。レコードラインを外したときは特にね」
この“小さなミス”により4番手にまでポジションを落としたリンスだったが、その後トップを走っていたミラーがオーバーランにより順位を下げ、替わってリンスは3番手に浮上。そのままチェッカーを受けて表彰台を獲得した。
「このレースにはとても満足しているよ」とリンスは自身初のMotoGPクラス表彰台獲得によろこびを表す。「僕自身も、チームや日本のみんなも競争力の高いバイクのために本当に一生懸命働いてくれた!」
「(次戦の)テキサスは僕の好きなサーキットのひとつだ。去年はクラッシュして腕をケガしてしまったけれどね。今年は強い精神力と経験、すばらしいバイクと一緒に乗り込むよ」
チーム・スズキ・エクスターはアルゼンチンGPで表彰台に上がった唯一のファクトリーチームとなった。リンス、そしてチーム・スズキ・エクスターがホンダ、ヤマハ、ドゥカティのファクトリーチーム3強に並ぶか。
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