フォーミュラEとFIAが健康危機のためコスト削減に合意。『Gen2 EVO』の導入は1年延期へ
ABBフォーミュラE選手権とFIA国際自動車連盟は4月10日、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な健康危機が迫っている状況を受け、新型シャシー『Gen2 EVO』の導入を2021/22年シーズンまで延期すると発表した。
この決定は、世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大していることから、FIA、フォーミュラE選手権がフォーミュラEに参戦するメーカー、チームのコストを削減するために、全会一致で合意したものだ。
フォーミュラEが行った電子投票の結果を受け、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)は、現在のシャシーである『Gen2』のホモロゲーション期間の延長を承認した。
2020/21年シーズンもGen2が引き続き使用されることにより、参戦メーカーは今後2シーズンの間にパワートレインを1度だけ変更することが可能になった。
この変更により各チームは、2020/21年シーズンに新たなパワートレインを投入しつつ、2021/22年シーズンにパワートレインそのままのGen2 EVOを導入するか、2020/21年シーズンは既存のパワートレインを継続使用し、2021/22年シーズンに新たなパワートレインとエアロのGen2 EVOを導入するか、どちらかを選択できる。
今回の技術規定の変更は、フォーミュラEに参戦するメーカー、チームの長期的な財政安定化を念頭に行われた。フォーミュラEとFIAは、今後2シーズンで車両開発費を半減させるために、さまざまなアプローチをしていくという。
「このような困難な時代にあって、モータースポーツのコスト構造を適応させることは、そのシリーズの持続可能性を確保するための優先事項だ」とFIA会長のジャン・トッドは語った。
「世界モータースポーツ評議会で承認されたFIAフォーミュラE選手権の決定は、他のFIA種目の議論と一致している」
また、フォーミュラEの創設者であり会長でもあるアレハンドロ・アガグは「この厳しい時代にあって、我々は柔軟なアプローチをとってきた。シーズンを一時的に中断するという迅速かつ賢明な決断だけでなく、チームの開発コストを下げるためのコスト対策も実施してきた」とコメント。
「我々はチームやメーカーからのフィードバックに耳を傾け、FIAと緊密に協力してGen2 EVOの導入を延期し、今後2年間はチームを1つのホモロゲーションに限定した。そうすることで、予想されていた車両開発コストを半減させることができた。これは、健康危機と経済環境を考えると、コストを抑えるために必要な行動だった」
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