球界代表するスラッガーが3人も同時に遅すぎる今季初打点、挙げられず2軍落ちの主砲も
岡本は12日の阪神戦で待望の1号ソロを放った。(C)CoCoKARAnext
思わぬ「生みの苦しみ」が球界に波及していた。打点がつかない。多くのスラッガーたちがそんな悩みを抱える2023年シーズンの開幕直後だった。
そんな苦しみが、わずか1日で一気に解消される場面があった。苦しめられていたのは、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に貢献した侍たちでも一緒だった。12日の巨人ー阪神、伝統の一戦。7回までパーフェクトピッチングを続ける阪神・村上頌樹が降りると、2番手・石井大智の代わりっぱなの初球を巨人・岡本和真が捉えた。同点の1号ソロ。今季11試合、44打席目で生まれた待望の初打点だった。
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場所を移して神宮球場でも、悩める侍が歓喜のパフォーマンスに酔った。DeNA・牧秀悟がヤクルト戦の3回、逆転の1号2ランを左中間席に運んだ。こちらは今季10試合、39打席目での初打点となった。
ともにWBCでは大会3位タイとなる2本塁打ずつ放ち、侍ジャパンの世界一に大きく貢献していた。決してスランプではない。岡本は一時は打率リーグトップに立つなど、快音は響かせていた。ただ打点だけが巡り合わせでなかった。
現役侍だけではなく、元侍も打点欠乏に苦しんでいた。WBC出場を辞退して今季に専念していたソフトバンク・柳田悠岐も同日、日本ハム戦の7回にようやく今季初打点を挙げた。7回に右中間への適時二塁打を放ち「チャンスで打つことができて良かった」と胸をなで下ろした。こちらは10試合、43打席目の出来事。球界を代表するスラッガーたちが、なぜか時を同じくして難産を終えた。
打点に届かず、出場選手登録を抹消された主砲もいる。中日・ビシエドはこの日、2軍落ちが決まった。ここまで32打席で、やはり打点ゼロ。二塁打2本を含む9安打で打率・281と絶不調という訳ではないが、立浪監督が決断した。
チームはこの荒療治が功を奏したのか、同日の広島戦に逆転勝利を飾った。代わりに4番に座ったアルモンテが突破口となる同点ホームラン。代わりに一塁を守った細川成也も2安打2得点と逆転に大きく貢献した。ビシエドを残していれば初打点を挙げられたのかどうかは分からない。ただし、不在となったことで代わりの選手たちが生きたのは確かだ。
同日を終えてセ・リーグの打点トップはDeNA・宮崎敏郎の10打点、パ・リーグはソフトバンク・栗原陵矢の13打点となっている。まだまだ届かない差はつけられていない。生みの苦しみを乗り越えた新旧侍戦士たちの巻き返しが、ペナントレースをさらに面白くさせる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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