ヒョンデが2年目に向け5名の陣容を発表。チェコンとキャツバーグが参戦枠をシェア/ETCR
TCR規定派生の電動ツーリングカー選手権PURE ETCRとして2021年に創設初年度のシーズンを終え、2022年はFIA eツーリングカー・ワールドカップへと進化を果たすETCRに向け、ヒョンデ・モータースポーツ(旧ヒュンダイ・モータースポーツ)がヴェロスターN ETCRをドライブする5名のドライバー陣容を発表。初代王座を争ったジャン-カール・ベルネイとノルベルト・ミケリスに加え、移籍加入のタイトル候補ミケル・アズコナの3人を軸に、ケビン・チェコンとニッキー・キャツバーグが最後のシートをシェアする体制を採る。
創設初年度に先立ちシリーズの“メートル原器”として先行開発が進められたヒョンデ(旧ヒュンダイ)・ヴェロスターN ETCRだが、同車を投入したヒョンデ陣営はタイトル争いに絡んだベルネイに加え、トム・チルトン、アウグスト・ファーフス、ジョン・フィリピのドライバー陣を擁して戦うも、初代王者の称号はゼングー・モータースポーツXクプラとマティアス・エクストロームに譲る結果となった。
そこで2年目を迎える電動チャンピオンシップに向け、陣営は「ETCRを筆頭にさまざまなカテゴリーで経験を積んだドライバーを招集し、さらに強力な布陣となった」とチーム副代表のジュリアン・モンセが語るように、タイトル奪還に向けた必勝体制を敷いた。
「プレシーズンテストでの彼らの意見は、新年度の戦いに向けマシンを開発する上で不可欠なものだ。すでに完了したテスト結果は非常にポジティブなものであり、最初の週末を迎えるまでにさらに多くのことを改善できるだろう。開幕戦の“ゲート”に並ぶ際には、準備万端であることを確信しているよ」と続けたモンセ。
初年度のランキングで2位に終わったベルネイは、2022年はETCR参戦に集中し、エースとしてチームを牽引する役目を担うとともに「リベンジに燃えている」と意気込みを語った。
「昨年はヴェロスターN ETCRが高い競争力を持つことを証明し、ポー・アルノーでは“キング・オブ・ジ・ウイークエンド”を獲得する力強い結果も残した。この実績をもとに、2022年はさらに大きく前進できるはずだ」と語ったベルネイ。
「個人的には、このシリーズとマシンの経験があり、電動リヤ駆動のシャシーバランスも、ふたたびタイトルに挑戦するために必要なこともわかっている。あとは……やるだけさ」
■キャツバーグ「未来への持続可能性が高い、新しいシリーズに参加したいと思っていた」
一方、WTCR世界ツーリングカー・カップも含めてヒョンデ・モータースポーツ移籍を決めたアズコナは、昨季のETCRでセアト・クプラe-Racerをドライブし、ランキング3位に入る活躍を見せた。
「ヒュンダイとは最初のシーズンになるけれど、僕にとっては2年目のETCRになる。今はとてもやる気に満ち溢れているよ」と、2022年もWTCR、ETCRのダブルプログラムで戦うアズコナ。
「昨年の選手権で得た経験は、タイトル争いに向け大いなる自信を与えてくれる。2021年に対戦したヒョンデ・ヴェロスターN ETCRは、とくにシーズン後半戦で高い競争力を発揮していた。テストでは全ドライバーとエンジニア、チーム一丸で開発作業が進められたから、準備は整っているよ」
そして2019年のWTCR王者であるミケリスは、今季から初めての電動ツーリングカーに挑むことになる。
「昨年はWTCRと併催されたイベントで、ETCRのコース上での肉弾戦を楽しんでいたから、このシリーズに参加できることに興奮しているよ」と語るミケリス。「僕にとっては完全に新しい経験だが、テストではすぐにヴェロスターN ETCRのドライブに慣れることができた。慣れ親しんできたTCRモデルとは明らかに違う感覚だ」
そして昨季はアグレッシブ・イタリアからTCRイタリアに参戦し、ランキング2位を獲得した同国出身のチェコンと、WTCRへのレギュラー参戦経験も持つオランダ出身のキャツバーグは、ともにシリーズ初参加への喜びと意気込みを口にした。
「2022年のETCRに向け、ヒョンデに加入できたことに興奮している。シリーズでの僕の役割はパートタイムになるけれど、すべてのセッションで100%の走りをしたい。この電動リヤ駆動のマシンはドライブが大変だけど、ここ数年の電動化技術とエンジニアリングの進化はとても印象的だ。TCRと比べるとクルマ自体もドライビングスタイルもまるで異なるけれど、大パワーFRの経験を思い出して走るよ」とチェコン。
一方、カレンダー最後の4戦にエントリー予定のキャツバーグも「WTCRで彼らと良い時間を過ごした後、こうして再会できるのは良い気分だ。未来への持続可能性が高い、新しいシリーズに参加したいと思っていたし、素晴らしい機会を与えてくれたヒョンデに感謝している。電動レースに関しては正真正銘の“ルーキー”だから、最初のテストセッションはとても興味深かったけど、仲間とともに有意義な仕事と準備ができたと思っている」と語り、自身の登板を前に万全のスタンバイを終えたと自信を見せている。
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