ヤマハ:クアルタラロ、最低内圧違反で表彰台を逃す「バトルできたのはよかった」/第4戦スペインGP スプリント
4月27日、2024年MotoGP第4戦スペインGP MotoGPクラスのスプリントレースがスペインのヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは5位、アレックス・リンスは15位で終えている。
前日の夜からの小雨によりウエットコンディションで迎えた予選Q1でヤマハ勢は苦戦。クアルタラロはQ1トップから2.213秒遅れの1分50秒100で13番手に留まり、スプリントと決勝を23番グリッドからスタートすることになる。チームメイトのリンスもウエット路面に苦戦。Q1では最下位の15番手に沈み、スプリントと決勝は25番グリッドから追いかけることとなる。
その後行われたスプリントレース(12周)は、レコードライン以外には多々ウエットパッチが残る路面状況でスタートした。クアルタラロは23番グリッドから見事なスタートで一気に14番手まで浮上。その後すぐに前方で2台が転倒したこともあり、オープニングラップで11位までポジションアップした。
難しい路面コンディションでの激しいバトルのなかで転倒車が続出したが、クアルタラロは最後まで好調を維持。終盤はダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)の猛追を受けるも0.050秒差で抑えきり、トップから7.052秒差の3位でチェッカーを受けた。
これにより当初は7ポイントが加算されたが、表彰式後にタイヤ最低内圧の違反が判明。8秒間のペナルティが課せられ5位に降格となった。
一方のリンスは、25番グリッドからの挽回とデータ収集を課題として臨んだ。アウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)とバトルを展開しながら8ラップ目には17番手まで浮上したが、13コーナーでフェルナンデスを捉えようとしたところで転倒。
しかし再スタートを切ると少しずつ挽回し、トップから1分02秒288遅れて15位でチェッカーを受けた。チームメイトと同様に、リンスもまたタイヤ最低内圧違反のペナルティを課されたが、順位に変更はなかった。
この結果、クアルタラロは合計24ポイントでランキング10位に浮上。リンスは合計3ポイントでランキング21位となっている。モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは合計27ポイントでチーム・ランキング8位、ヤマハは合計24ポイントでコンストラクターズ・ランキング4位をそれぞれキープした。
■ファビオ・クアルタラロ(予選:23番手、スプリント:5位)
「オープニングラップで10台分ほど順位を挽回した。これが表彰台につながる重要な鍵になったと思う。路面コンディションが非常にトリッキーで、それが原因で前方グループの多くのライダーが転倒した。とあるコーナーで大勢が転倒したので、コース上に何かがあるのかもしれないと考え、集中を維持した」
「また、レースの最後までバトルを展開できたのは良かったと思う。とくにダニ(ペドロサ)がずっと僕の後ろについていて、そのエンジン音が聞こえていた。それが3位争いになっていたことは残り2ラップまで知らなかったのだが、とにかくいい戦いだった。特に最終ラップは非常に印象的だよ。ペナルティは残念だけど、明日また頑張ろうと思う。今日と同じようなスタートを期待しているけれど、現実的にはトップ10に入れたら十分に素晴らしい結果と言えるだろう」
■アレックス・リンス(予選:25番手、スプリント:15位)
「スプリントは、もっている力のすべてを使い切った。前のライダーをパスしようとして転倒してしまったが、彼よりもいいペースで走れていると感じていただけに非常に残念に思う。いずれにしても、今の僕にとってオーバーテイクは簡単ではない。良かった点を挙げるなら、ウエットコンディションで行われた予選での不調の原因がわかったことだ。次にまたウエットになったら、今度は電子制御システムの別の使い方を試すことになるだろう」
「ファビオ(クアルタラロ)には『おめでとう』と伝えたい。素晴らしい成績とあのロケットスタートは、チームの仕事の成果でもあると思う。私たちはともに、この戦いに臨んでいる。すべてを注ぎ、互いに鼓舞し合い、それがチームの後押しにもなっているんだ」
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