Q2ダイレクト進出のクアルタラロがプラクティス10番手に懸けた全力/MotoGP第5戦フランスGP

2024年5月11日(土)7時25分 AUTOSPORT web

 フランスGPのファンがフランス人ライダー、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)に送る声援は、熱い。それも、かなりの高温をはらんでいる。木曜日はフランスの祭日で(昇天祭。ちなみに、前日の5月8日も祝日で「1945年5月8日戦勝記念日」だった)、すでに多くのファンがサーキットにつめかけ、ピットウオークではクアルタラロのピット前で旗や手製フリップボードを掲げていた。


 金曜日に走行が始まれば、クアルタラロのピット前のスタンド席の観客から、クアルタラロに向けて熱心な歓声と拍手が送られる。2021年チャンピオンは、フランスのスーパースターなのだと実感させられるシーンである。


 フランスGP初日セッションは、快晴の下、行われた。クアルタラロは、午後のプラクティスで10番手タイムを叩き出し、Q2ダイレクト進出を決めた。Q2進出が決まれば、自動的に12番手以上のグリッドが確定する。かねてからヤマハは予選を課題としており、クアルタラロはしばしば、Q2進出が重要であると言及してきた。今季のこれまで、Q2進出を果たしたのは(つまり12番手以上のグリッドを獲得したのは)、第2戦ポルトガルGPの1度のみだ。


 10番手というきわどいラインとはいえQ2進出を果たしたのだから、囲み取材ではクアルタラロからある程度、ポジティブなコメントが聞けるのではないか、と考えていた。あるいは、何か改善の糸口をつかみつつあるのではないか、と。


 ところが、囲み取材にやって来た彼は、あまり満足した様子ではなかった。クアルタラロは「僕は間違いなく、限界まで攻めていた」と言う。その結果が10番手だった、ということだろう。


 クアルタラロは「限界ギリギリだったけど、Q2ダイレクト進出以上に、3番手(ペドロ・アコスタが記録した1分30秒575)に対してコンマ2秒差以下だったのがポジティブなことだったね」と前向きな要素も語ったが、どちらかというと、プラクティスの時点で限界が見えている現状が気がかりだったのかもしれない。


「残念ながら、まだ何も(改善されていない)。僕たちはスタンダードバイクを走らせている。僕たちは、特にグリップ面で前進しなければならないんだ。トラクションだけではなく、特に進入についてもね」


「あと何が残っているのかはわからないけど……、明日の予選ではベストなグリッドを獲得できるように全てを懸けるよ。でも、もちろん、明日は本当に限界のぎりぎりのところまでいくだろうね」と、クアルタラロは予選に向けた展望を語った。


 さあ囲み取材終了だ、とジャーナリストがレコーダーの回収を始めたところで、クアルタラロがふいに、ぽろりと付け加える。


「オーバー(ラン)しないように頑張るよ」


 その言葉は、あるいはジョークだったのかもしれない。ただ、プラクティスでの「10番手」を獲得するために注いだクアルタラロの全力を表していたようにも聞こえた。

「僕はただ、1ラップを速く走ろうと頑張った。レースではどうだろう」


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