【コラム】“ユヴェントス最後のセリエA得点王”…伝説の背番号10、デル・ピエロの動向に世界中が注目
サッカーキング2019年5月8日(水)19時0分
ユヴェントスが誇るレジェンドの一人、アレッサンドロ・デル・ピエロ [写真]=Getty Images
2018-19シーズンのイタリア・セリエAは、5試合を残す“史上最速タイ”の記録で優勝が決まった。スクデットを掲げたのは、もちろんユヴェントス。8連覇の偉業は、2位ナポリに「20」もの勝点差をつけた圧倒的な勝利だった。
今シーズンの主役は、やはり昨年夏にレアル・マドリーから加入したクリスティアーノ・ロナウドだろう。あの電撃移籍から1年足らず。新たな舞台が世界で最も「戦術的」で「守備的」とも評されるセリエAであっても、彼の個性が輝きを失うことはなかった。第35節終了時点で21得点はリーグ3位タイの成績だが、得点力だけでなく、その圧倒的な存在感とチャンスメーク力で8連覇に大きく貢献したことは間違いない。C・ロナウドは、白黒の縦縞を着てもやはりC・ロナウドだった。
今シーズンは残り3試合。得点ランキングのトップに立つサンプドリアのファビオ・クアリアレッラとの4ゴール差を逆転することができれば、ユヴェントスの歴史においては2007-08シーズンに21得点を記録したアレッサンドロ・デル・ピエロ以来のセリエA得点王となる。クラブを離れて7年の歳月が流れた今でも、多くのファンにとってデル・ピエロはユヴェントスが誇るスーパースターであり、レジェンドの一人だ。
C・ロナウドがまだレアル・マドリードの一員だった2017-18シーズン、チャンピオンズリーグ準々決勝の相手はユヴェントスだった。勝敗の行方をほとんど決めてしまった第1戦、レアル・マドリードに3-0の勝利をもたらしたのは2つのゴールを決めたC・ロナウドだ。この試合の直後、解説者としてイタリアメディア『Sky』に出演したデル・ピエロは興奮気味にこう話した。
「世界最高のプレーヤーだ。センターフォワードとして最高のプレーをしているが、ナンバー10としても素晴らしいプレーを見せている。彼はたった一つのプレーですべての人を興奮させる」
もっとも、C・ロナウドについてそう評したデル・ピエロ自身も、常に身にまとっていた“ナンバー10”だけでなくあらゆる役割をこなす攻撃のマルチロールでありスペシャリストだった。“ユヴェントス最後のセリエA得点王”に輝いた2007-08シーズン、2トップを組んだフランス代表FWダヴィッド・トレゼゲは20得点を記録しているが、そのうちいくつかのゴールはデル・ピエロのお膳立てによって生まれたものと言っていい。
とりわけゴールに向かって左斜め45度、ペナルティーエリア角付近は「デル・ピエロ・ゾーン」と称され、このエリアではまさに敵なしの存在感を放った。右足で小さくつつきながらボールを運ぶドリブルは相手に“次のプレー”を読ませず、そのリアクションを見てデル・ピエロはシュートかパスかの選択をする。彼のゴールシーンを振り返る映像には「デル・ピエロ・ゾーン」からのシュートが多いが、同じようにこのゾーンからのアシストも多く、トレゼゲを始めとする何人ものパートナーがラストパスをゴールに流し込んだ。
そうした意味において忘れられないのは、イタリア代表としても同じ時代にプレーし、ユヴェントスでは1997年から2001年までチームメイトとしてプレーしたフィリッポ・インザーギである。「デル・ピッポ」の愛称で絶大な人気を博した2人は、その1年目の1997-98シーズンにデル・ピエロが21得点、インザーギが18得点を記録。セリエA連覇を成し遂げたチームのアイコンとして、世界中のファンを魅了した。このシーズン、「ピントゥリッキオ」(イタリアの画家の名前であり、デル・ピエロの愛称)は欧州チャンピオンズリーグでも躍動。10ゴールをマークして大会得点王に輝いた。
デル・ピエロは2011-12シーズンを最後にユヴェントスを離れ、オーストラリアとインドでのプレーを経て2014年に現役を引退した。その後は解説者なども務め、古巣ユヴェントスの試合を担当することも多い。同じ時代にピッチに立ったパヴェル・ネドヴェドが副会長を務めるなど、同年代のスター選手はクラブの要職に就く者もいれば、指揮官として“現場”に戻ってきた者もいる。ユヴェントスのファンから“待望論”が出るも当然のことだ。
“その時”は着実に迫っているのだろうか。ユヴェントスが誇るレジェンドの動向に世界中が注目している。
文=細江克弥
今シーズンの主役は、やはり昨年夏にレアル・マドリーから加入したクリスティアーノ・ロナウドだろう。あの電撃移籍から1年足らず。新たな舞台が世界で最も「戦術的」で「守備的」とも評されるセリエAであっても、彼の個性が輝きを失うことはなかった。第35節終了時点で21得点はリーグ3位タイの成績だが、得点力だけでなく、その圧倒的な存在感とチャンスメーク力で8連覇に大きく貢献したことは間違いない。C・ロナウドは、白黒の縦縞を着てもやはりC・ロナウドだった。
今シーズンは残り3試合。得点ランキングのトップに立つサンプドリアのファビオ・クアリアレッラとの4ゴール差を逆転することができれば、ユヴェントスの歴史においては2007-08シーズンに21得点を記録したアレッサンドロ・デル・ピエロ以来のセリエA得点王となる。クラブを離れて7年の歳月が流れた今でも、多くのファンにとってデル・ピエロはユヴェントスが誇るスーパースターであり、レジェンドの一人だ。
C・ロナウドがまだレアル・マドリードの一員だった2017-18シーズン、チャンピオンズリーグ準々決勝の相手はユヴェントスだった。勝敗の行方をほとんど決めてしまった第1戦、レアル・マドリードに3-0の勝利をもたらしたのは2つのゴールを決めたC・ロナウドだ。この試合の直後、解説者としてイタリアメディア『Sky』に出演したデル・ピエロは興奮気味にこう話した。
「世界最高のプレーヤーだ。センターフォワードとして最高のプレーをしているが、ナンバー10としても素晴らしいプレーを見せている。彼はたった一つのプレーですべての人を興奮させる」
もっとも、C・ロナウドについてそう評したデル・ピエロ自身も、常に身にまとっていた“ナンバー10”だけでなくあらゆる役割をこなす攻撃のマルチロールでありスペシャリストだった。“ユヴェントス最後のセリエA得点王”に輝いた2007-08シーズン、2トップを組んだフランス代表FWダヴィッド・トレゼゲは20得点を記録しているが、そのうちいくつかのゴールはデル・ピエロのお膳立てによって生まれたものと言っていい。
とりわけゴールに向かって左斜め45度、ペナルティーエリア角付近は「デル・ピエロ・ゾーン」と称され、このエリアではまさに敵なしの存在感を放った。右足で小さくつつきながらボールを運ぶドリブルは相手に“次のプレー”を読ませず、そのリアクションを見てデル・ピエロはシュートかパスかの選択をする。彼のゴールシーンを振り返る映像には「デル・ピエロ・ゾーン」からのシュートが多いが、同じようにこのゾーンからのアシストも多く、トレゼゲを始めとする何人ものパートナーがラストパスをゴールに流し込んだ。
そうした意味において忘れられないのは、イタリア代表としても同じ時代にプレーし、ユヴェントスでは1997年から2001年までチームメイトとしてプレーしたフィリッポ・インザーギである。「デル・ピッポ」の愛称で絶大な人気を博した2人は、その1年目の1997-98シーズンにデル・ピエロが21得点、インザーギが18得点を記録。セリエA連覇を成し遂げたチームのアイコンとして、世界中のファンを魅了した。このシーズン、「ピントゥリッキオ」(イタリアの画家の名前であり、デル・ピエロの愛称)は欧州チャンピオンズリーグでも躍動。10ゴールをマークして大会得点王に輝いた。
デル・ピエロは2011-12シーズンを最後にユヴェントスを離れ、オーストラリアとインドでのプレーを経て2014年に現役を引退した。その後は解説者なども務め、古巣ユヴェントスの試合を担当することも多い。同じ時代にピッチに立ったパヴェル・ネドヴェドが副会長を務めるなど、同年代のスター選手はクラブの要職に就く者もいれば、指揮官として“現場”に戻ってきた者もいる。ユヴェントスのファンから“待望論”が出るも当然のことだ。
“その時”は着実に迫っているのだろうか。ユヴェントスが誇るレジェンドの動向に世界中が注目している。
文=細江克弥
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