総合3番手に急浮上のヌービル「昨日の時点からは信じられない展開」/WRCポルトガル デイ3後コメント
5月11日(土)、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』の大会三日目が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。11.9秒差の2番手には、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が続く展開だ。
TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS12でサスペンションにダメージを負ったことによりデイリタイアとなっている。そんなデイ3を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合5番手
「アタックは楽しかったが、今日はグラベルが緩んでいて、すごく滑りやすかった。昨日とくらべていくつか変更を行ったので、より走りやすくなっている。車高やダンパーなど、変更点はかなり多いし、今できることは何でもやるつもりだ」(SS11)
「ポルトガルでは、特に土曜日の午後は新たな変化が起こるものだ。努力しているが、僕たちはまだ100%ではないからバランスを取るのが難しい。今はコンディションが大きく異なり、道路は轍がついている。かなり危なっかしいときもあるよ」(SS14)
「今日は(ダニ・ソルドを)強くプッシュしたかったが、午前中はタイムを失いすぎた。何かあった場合に備えて、ポジションを奪うことができるよう近づいておきたかったんだ。理想的ではなかったかもしれないけれど、今日はいい一日を過ごせたと思うよ」(SS17)
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ3総合14番手
「エンジントラブルがあった。原因はオルタネーターだったので、停止してバッテリーを維持する必要があったのだが、どうしてこのようなことが起きたのかは分からない」(SS12)
「(マシンは)ロードセクションで自然に直ったようだ。ただ、フィニッシュの20m手前でまた問題が起きた。サービスで確認することがあるのは明らかだ」(SS13)
「まだとても路面が緩い。僕たちの方は良い改善ができたけれど、路面状況はマシンにとって厳しいものになっている。少なくともタイムは改善されたし、フィーリングは良い。(さっきの問題は)燃料関連のことのようだったが、サービスで解決できたみたいだ」(SS15)
※いずれもSS走行直後の公式インタビューより
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合3番手
「一晩のうちに総合3番手になれてうれしい。昨日の時点で、誰かが明日はこの順位になると言っていたとしても、信じなかったと思う展開だった。今日は難しく長い一日だった。僕たちにとって必ずしもベストな日ではなかったが、それでも多くのポイントを持ち帰ることができてうれしい」
「明日は全力を出せるようにする必要がある。四つのステージすべてでプッシュし、何が起こるか見てみよう。僕たちにはまだ有利な出走順というアドバンテージがあるし、獲得できる多くのポイントがある。でも競争がいまだに激しいことは分かっているので、最大限に力を生かすために懸命に取り組むつもりだ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合2番手
「全体的に手堅い一日だった。午後はマシンがかなりよく機能していたし、轍のなかでも悪くなかったが、長いステージではあまりうまくいかなかった。スムーズに進むのが難しく、望んでいたようには走れなかった。それを除いては、かなり良い一日だった」
「明日の新しいステージでは、僕たちの仕事は少々トリッキーになる。狭くて低速というポルトガルでは珍しい特徴があるからだ。明日は違うゲームになるが、それでもとてもタイトになるだろう。できるだけ多くのポイントを獲得する必要があるので、コンディションや出走順がどのように助けになるか見ていきたい」
●ダニエル・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ3総合4番手
「今日はアップダウンのある一日だった。自信を持てるステージもあれば、あまり持てないステージもあった。午前中の最初の数ステージは僕にとって素晴らしいものだったので、多くのポイントを持ち帰るチャンスであることははっきりしていた」
「最終的に僕たちは4番手につけている。そこにたどり着くのを助けてくれたチームに心から感謝したい。できるだけ多くのポイントを獲得できるようにしたことは、僕の土曜日の重要な一部だった。明日のプランを練るためにチームに戻るつもりだ。新しいポイントシステムから得られるものを最大限に生かしたいけれど、全体的には素晴らしい最終日を過ごせると確信している」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア
「今朝は良いスタートを切ることができた。クルマのセットアップのフィーリングは昨日よりも良く、最初のステージではいいタイムを出すことができた。しかし、二本目のステージの比較的直線的な区間でブレーキングポイントを見誤り、コースから飛び出してしまった」
「そのひとつ前のコーナーでペースノートに少し不可解な部分があり、多分そのことを考えていたためブレーキングポイントがずれてしまったのだと思う。それでも最終的にミスをしたのは自分であるし、スタートから調子が良く、いい一日になるかもしれなかっただけに非常に残念だ。こうなった以上、明日はチームのためにベストを尽くして戦いたいと思う」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合6番手
「自分たちの出走順を考えると、今日は一日を通して難しい戦いが続くだろうと覚悟していた。ただ単にペースを上げても順位を挽回するのは難しい状況だったので、クルマを理解して、いいフィーリングが得られるようにすることに専念し、セッティングを少し変えながら明日に向けてより良いクルマに仕上げようと試みた」
「その結果、改善が見られた部分もあったが、そうでないところもあり、バランスについてはまだ少し苦労している。ただ、少なくとも出走順については明日は良くなるはずなので、チャンスはあると思っているし、ベストを尽くして戦う必要がある」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイリタイア
「予想していたように、今日のステージは路面に砂が多くありました。それでもクルマの調子は良く、気持ちよく運転することができていました。最初の二本のステージに関しては、ペースをコントロールしながら走っていましたが、リズムはあまり良くありませんでした」
「しかし、三本目のステージはフィーリングが非常に良く、すべてをコントロールできているように感じられたので、序盤から攻めていきました。ところが、あるコーナーでわずかにラインが外れ、少しワイドに膨らんでしまい外側の土手にぶつかってしまいました。そこまでペースは良かったですし、さらにプッシュできるくらいの余裕もあったので、とにかく残念でなりません」
「この状況を受け入れるのは難しいですが、これがラリーというものです。何が悪かったのかをきちんと理解した上で、前に進むしかありません。まだ明日もあるので、プッシュし続けるつもりです」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ3総合首位
「自分たちにとってはいい一日だった。今朝はこれほど色々なことが起こるとは思っていなかったし、残念なことにチームは2台を失ってしまうなど、トリッキーな一日になった。それでも自分の走りの安定性には満足しているし、いくつか重要な場面ではプッシュすることもできた」
「午後のステージは非常に厳しく、最初の二本では少しタイムを失ったが、三本目のステージでプッシュするのが自分たちのプランだった。そして、ラッキーなことにその計画はうまく行き、ふたたび差を少し拡げることができた」
「明日は、この仕事をしっかりと終わらせなくてはならない。リラックスできるほどの大きなタイム差ではなく、まだ長い距離が残っているし、新しいセクションもいくつかあるので、最後まで気を緩めることはできない」
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