バレンティーノ・ロッシ、2024年のル・マン24時間レース参戦を目論む。GT3クラス新設で好機到来
元2輪世界王者であるバレンティーノ・ロッシは、4輪における「偉大なレースの数々」への探究の一環として、2024年のル・マン24時間レースへLMGT3クラスからデビューすることを計画しているという。
昨年からチームWRTでGTレースに本格出場しているロッシは、2024年のル・マンにGT3マシンで参戦することが「目標」であると語っている。
ロッシは2023年6月に開催されるル・マン24時間のサポートレース『ロード・トゥ・ル・マン』に、ジェローム・ポリカンとBMW M4 GT3のシートをシェアする形で参戦する。この経験は、来年のル・マン本戦初挑戦に向けた準備を助けることになり、彼のバケツリスト(いつかは成し遂げたいことリスト)に著名な耐久レースがまたひとつ、増えることを意味する。
ロッシは昨年参戦したGTワールドチャレンジ・ヨーロッパの一環としてスパ24時間を経験、さらに今季、WRTがアウディ陣営からBMW陣営へと映った後には、バサースト12時間レースにも参戦している。
「ル・マン24時間は世界で最も有名なレースであり、目標であることは間違いない」とロッシは先週末にブランズハッチで行われたGTWCヨーロッパ/スプリント・カップラウンドで語った。
「僕らは来年も挑戦することになると思う。ロード・トゥ・ル・マンは素晴らしいチャンスだ。なぜなら、それは唯一、同じ(サルト・)サーキットを走れる機会だからだ」
「とてもハッピーだし、待ちきれないよ。そのレース(ル・マン24時間)を見たことながいので、週末の間、滞在できることも嬉しい。いつもテレビで見ていたんだ」
「あの雰囲気を理解したいし、ル・マンにはいつもたくさんの人が集まってくる。とてもグレイトだね。サーキットのシミュレーターで準備をしながら、自分たちのパフォーマンスを確認することができる。とても興味があるんだ」
■LMDhのテストも予定。ステップアップは「僕のスピード次第」
ロッシは来季WEC世界耐久選手権に新設される『LMGT3』クラスで、ル・マンを走ることを希望している。すでにWRTのGTレース部門で1シーズン走っていることを考えれば、慣れ親しんだ環境で走ることができるだろう。
なお、今年からBMWのファクトリードライバーとなったロッシは、来月からWRTがテストを開始する予定の、BMW Mハイブリッド V8もテストドライブすることになっている。
「僕のアイデアは、(来季の)偉大なレースの数々に出場することだ。ル・マンだけでなく、スパ24時間にも出場したい」とロッシ。
「ニュルブルクリンク24時間レースで、“グリーン・ヘル”(ニュルブルクリンク北コース)も走りたい」
「バサーストも、間違いなく素晴らしい。これが目標だ。いまのところは、GTカーでね。来年、必ずだ」
「もうひとつは、できるだけ早くLMDhにトライしてみること。BMWと協力して、今シーズン中に1日か2日、テストする予定なんだ」
「いつ、どこでというのは分からない。9月か10月かもしれない。それを経て、LMDhでレースをすることになれば、それも良いかもしれないけど、それは僕のパフォーマンスとスピード次第だからね」
「そのクルマでレースができるほど速ければ、それは重要なことだ。でも、僕はGTカーも好きだし、GTでレースを続けたいんだ。 トップドライバーの多くは、こうしてレースをしている。どうなるか見てみよう」
ロッシは、来年予定しているル・マンデビューが単発のものなのか、それともWECへのフル参戦への一環として行われるものなのかは、分からないという。
もしWECへのフルシーズン参戦となれば、GT3マシンがデビューし、ハイパーカーも増えていることから、高い需要が見込まれるル・マンでのグリッドが確保されることになる。
ロッシは「それは分からない」と語った。
「僕は、この選手権(GTWCヨーロッパ)ではいい感じだけど、来年のプログラムがどうなるかを待たないとね」
「第一のアイデアは、耐久レースに出ることだ。スパ24時間レースは、GTカーにとって最高のレースだと思う。まだ分からないよ。僕らはいずれ、決めることになる」
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