ポルシェとアウディ、LMDhのベースシャシーにマツダDPiと協業中のマルチマチックを選定
2023年からLMDh規定へと参入することを発表しているポルシェとアウディが、マルチマチック製LMP2シャシーをベースに新型LMDh車両を開発・参戦することが明らかとなった。
LMDhは現在IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最高峰『DPi』の後継となる規定で、DPiと同じく4つのLMP2シャシー・コンストラクター(オレカ、ダラーラ、マルチマチック、リジェ)いずれかのシャシーをベースに、参戦するマニュファクチャラーが独自のボディとエンジンを載せる方式を採る。また、LMDhでは新たに共通ハイブリッドシステムも搭載される。
ACOフランス西部自動車クラブとのコラボレーションにより、LMDh規定に合致する車両はIMSAだけでなく、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスにも参戦することが可能となる。
ポルシェは5月18日にマルチマチックをベースシャシーとする旨をリリース発行により明らかにし、さらにその中で「フォルクスワーゲングループの姉妹ブランドであるアウディも、マルチマチックとコラボレートする」と記している。
これは、以前にポルシェ・モータースポーツのカスタマー・レーシングのディレクターであるパルカル・ズーリンデンが、姉妹ブランドであるアウディとの“シナジー(相乗効果)”を見出すことは「進行中の作業」であると述べていたことを立証するものとなった。
マルチマチックは、LMP1マシンをベースに各サーキットのコースレコード更新にチャレンジした『ポルシェ919ハイブリッドEvo』、およびGTEクラスのポルシェ911 RSRのサスペンション・コンポーネントを組みつけた。また、タイプ992ベースの新型ポルシェ911 GT3カップカーにショックアブソーバーを供給している。
カナダ・トロントに本社を置くエンジニアリング・グループであるマルチマチックは現在、IMSA・DPiのマツダRT24-Pプログラムのシャシー・プロバイダーを務めているほか、レースチームのオペレーションも担っている。しかし、マツダは2021年限りでスポーツ・プロトタイプのプログラムを終了することを発表済みだ。
なお、ポルシェのLMDhプログラムは、2023年からチーム・ペンスキーがIMSAとWECの双方においてファクトリー(ワークス)プログラムを実行することが最近発表されていた。
■ペンスキーとの「距離の近さ」にも期待
「マルチマティックは我々にとって、最も明白で論理的なソリューションである」と、ポルシェ・モータースポーツのバイスプレジデントであるフリッツ・エンツィンガーは述べている。
「我々はこの高く評価されている会社と、その経験豊富な専門家チームを長年知っており、彼らの仕事のクオリティを決定的に確信している」
「彼らとは、まったく新しい仕事上の関係を築くことなく、着実な仕事が遂行できる」
「それは非常に重要であり、新たなレーシングカーを開発するときにはまさに必要となるものだ」
「完璧な仕事をし、必要なものを迅速に提供できるようにするためには、フリクション・ロスを除外することが不可欠だ」
「もうひとつ、計り知れないメリットがある。マルチマチックの一部は、チームパートナーであるペンスキーと同じく、ノース・カロライナ州のムーアズビルに拠点を置いている。距離の近さと直接のコミニュケーションは、将来のLMDhプロトタイプの開発とコンペティションにおいて、とても役立つだろう」
マルチマチックの特殊車両オペレーション部門のエグゼクティブ・バイスプレジデントを務めるラリー・ホルトは、同社がLMDhへのコミットメントに「すべてを費やしている」と述べている。
「このポルシェ・モータースポーツとのパートナーシップは、競技用車両のエンジニアリングと開発の分野において30年にわたって専門知識を構築してきた我々の集大成である」とホルト。
「グローバルなハイブリッド・プロトタイプレースの次なる時代において、ポルシェに選ばれたことは光栄だ」
「LMDhのコンセプト、およびFIA WECとIMSAの間でのルールのコンバージェンス(収束・収斂)は前例のないものであり、我々マルチマチックは新型車両へのコミットメントにすべてを費やしている」
「最近なされた、“ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ”の発表にも、同様に満足している。我々はロジャー・ペンスキーおよび彼の組織とは、協力者としても、ライバルとしても、長年にわたってその関係を楽しんできたからね」
「新しい車をともにキャンペーンするのに最適なチームは、ノース・カロライナ州の隣人をおいて他にない」
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