MotoGP:中上、忍耐のレースで4戦連続ポイント獲得。「クラッチローを抜ける」と思った瞬間も
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がMotoGP第5戦フランスGPで、15位フィニッシュを果たした。これで第2戦以降連続ポイントを獲得。手負いの状態で奮闘した。
前戦スペインGPで12位フィニッシュを果たした中上は、トップ10内でのチェッカーを目指してル・マン、ブガッティ・サーキットに乗り込んだ。しかし、金曜日のフリー走行2でハイサイド転倒。大きな怪我はなかったものの体にはダメージが残り、土曜日の予選は鎮痛剤を飲んで挑んだ。
迎えた決勝レースでは、19番グリッドスタート。この日もまだ、体に痛みが残っている状態だった。
「体調がまだ完璧ではなく厳しいレースでしたが、走っているときには苦痛を感じませんでした。スタートはあまりうまく決まらなかったものの、バイクの状態は(前戦)ヘレスの時よりもいいフィーリングでした」
序盤、少しずつ順位を上げた中上は、チームメイトのカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)の後ろに迫った。
「カルの後ろにつけたときは、一瞬、抜けるかなとも思ったのですが、彼がペースを上げたのでついて行くことにしました」
中上はクラッチローの背後につき、一時は13番手にまでポジションを上げる。しかしレース中盤、タイヤの問題で後退を余儀なくされてしまう。
「15周ほど経過したころから、フロントが厳しくなりはじめました。序盤にブレーキングで少し頑張りすぎた影響が出てきたのかもしれません。そこから先はペースを維持することが難しかったのですが、マッピングを変えてみたことで、その後の展開が少しうまく進められるようになりました」
最終的に、中上は15位でチェッカーを受けた。目標としていたトップ10フィニッシュはならなかったが、第2戦以降、連続でポイントを獲得し続けている。
「火曜日(5月22日)にはカタルーニャでテストを実施するので、そこでさらに改善を目指し、万全の状態で(次戦の)ムジェロに備えます」
決勝レースを含め、この週末は中上のみならず、全クラスで転倒が多かった。そんな難しいコンディションと厳しい体調のなか、中上は確実にレースを完走しポイントを獲得した。次戦イタリアGPで、さらなる上位に食い込む走りを目指す。
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