RSC向けに開発中の“Gen3”共通シャシー公開。シボレー・カマロも2022年デビューへ
オーストラリア大陸が誇る人気ツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップが導入を予定する“Gen3”と呼ばれる新型共通シャシーの2号機が、Dick Johnson Racing(ディック・ジョンソン・レーシング/DJR)への納入に先立ちフォトプレミアされた。
今回公開された未塗装のローリングシャシーは、現在シリーズで使用されている“Car of the Future(カー・オブ・ザ・フューチャー/COTF)”と同様に、同国クイーンズランド州に拠点を置くビルダー、PACE Innovations(PACEイノベーションズ)がデザイン設計、開発、製造を担当したプロトタイプとなっている。
2022年からRSCでの本格稼働を予定する“Gen3”シャシーは、最初のプロトタイプがすでにTriple Eight Race Engineering(トリプルエイト・レースエンジニアリング)に納品済みで、新型シボレー・カマロZL1の開発作業が進行中。そして今回の2台目はDJRの手に渡り、フォード・マスタングの改訂版となる“Gen3仕様”の製作が進められる。
「こうして2台目のシャシーが完成し、フォードのホモロゲーション・チームにより次なる開発のフェーズを開始する準備ができたことを非常に嬉しく思う」と語るのは、RSCのシリーズCEOを務めるショーン・シーマー。
「この時点に到達するまでに何千時間も費やしてくれたクルーや、とくに国際的な成功の歴史を持つPACEイノベーションズのスタッフ全員に感謝したい」
そのPACEイノベーションズにより公開された画像では、スペースフレーム全体の構成が把握できるよう、シャシーの全セクションとなる360°のカットが披露された。
このGen3規定では、現在のCOTF規定Gen2より許可されている、2ドアクーペや5ドアハッチバックなどでもスケーリング上の優位性や性能差が生じないよう配慮。かつ見た目に“違和感”を抱くことがないよう見直しが行われる。
■「新型マシンの完成はそう遠くないはず」と語るDJR会長
そのGen3車両は現行モデルに比べダウンフォースが約200kg減少。車両重量は100kg軽く、燃料タンク容量は拡大。寸法は全高・全幅ともに100mm低く拡幅され、よりワイドなアピアランスとなる。
シリーズのモータースポーツ部門責任者であるエイドリアン・バージェスは、このGen3シャシーによりロードカーとRSCマシンの相関性が高まるとともに、レース内容の改善や、安全性の向上に対するRSCの取り組みと意識が「高いレベルで具現化する」証になるだろうと述べた。
「我々は今回のGen3車両に対するデザインとスタイリング、その取り組みに注がれた仕事の質に誇りを持っている。そのパイプフレーム構成は本当にファンタスティックだよね」と満足げに語ったバージェス。
「また今回のプログラムで主な焦点となった、安全性の向上とリペアビリティ(整備性向上)の面でも、我々の開発チームが成し遂げた成果に心から満足している」
このプロトタイプ2号機の納入を受けたDJRの会長兼最高経営責任者であるライアン・ストーリーは、新たなGen3規定が施行される2022年に向け「完成したシャシーをフィールドの大部分に供給する計画で、その実現に向け引き続きPACEイノベーションズとの協力を継続できることを喜ばしく思う」と語った。
「彼らPACEイノベーションズはCOTF本格導入前夜となる2012年から、我々Shell V-Power Racing Team(シェル・Vパワー・レーシングチーム)とともに戦ってきたシャシーサプライヤーでもある。それ以来、彼らとは3度のドライバー、チームのタイトルを獲得してきた」と続けたストーリー。
「彼らは豊富な経験と専門知識を備えた優れたパートナーだ。そして、新型プロトタイプ“Gen3”シャシーの到着は重要なマイルストーンになる。ここからフォード・マスタングGTのスーパーカー・シャシーの開発が進むことになるが、すでにローリングシャシーが到達したときの完璧なフィット感は見事と言うしかない。新型マシンの完成はそう遠くないはずだ」
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