富士24時間にトヨタ、スバル、マツダの新社長がそろう。近未来のモータースポーツへのビジョンを聞く
5月27〜28日、静岡県の富士スピードウェイで開催されたENEOS スーパー耐久シリーズ2023第2戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』には、2023年4月にトヨタ自動車の新社長に就任した佐藤恒治社長、6月からマツダの次期社長に就任する毛籠勝弘取締役専務執行役員、同じく6月から代表取締役社長/CEOに就任する大崎篤取締役専務執行役員が姿をみせた。新たな世代のメーカートップたちに、モータースポーツのビジョンはどんなものかをそれぞれ聞いた。
スーパー耐久のなかでも最大のイベントとも言える富士SUPER TEC 24時間レースは、今季は液体水素を使用したORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptの参戦開始をはじめ、ST-Qクラスでも多くのトピックスがあったレースとなった。このレースからは、ST-Qクラスに参加するホンダ/HRC、ニッサン/ニスモを加えた5メーカーによって『S耐ワイガヤクラブ』も発足するなど自動車メーカーにとっても重要なレースともなりつつあるが、そんなレースには、2023年から新たなメーカーのトップとなったトヨタ佐藤新社長、6月から就任するマツダ毛籠次期社長、スバル大崎次期社長がそろって姿をみせた。
日本を代表する自動車メーカーのうち、3社もの次世代の社長たちが、しかもそろってサーキットに姿をみせることは今まであまりないこと。その機会を活かし、3社合同で一般紙/誌、自動車メディアやモータースポーツメディアを招き言葉をかわす機会が設けられたが、このなかでそれぞれの関係や、3人ともにいかにクルマ好きかということが語られた。
今回はサーキットでの機会ということもあり、筆者としてはぜひ聞いてみたかったことを投げかけさせていただいた。それは各社の「今後3年、5年先のモータースポーツへのビジョン」だ。また「個人的で構わないので、興味があるカテゴリーはあるか」という質問も同時にさせてもらった。
これに対し、まずGRカンパニーのプレジデントとしてモータースポーツ活動を率いてきた人物でもあるトヨタ自動車佐藤社長は「トヨタのモータースポーツについては、長くいろいろなことに取り組んでいますが、当然レースですから『勝つ』ということが究極の目標なんですよね。そのために頑張ることが『技術を進化させる』『人を育てる』ということに繋がりますが、やはり自動車会社として、そこで培われた技術が今後の自動車産業の何かしらに繋がっていくような、そういうスキームにしていきたいという思いが強くあります」と答えた。
「そのためには、どこかは頑張るけど、どこかを頑張らない……ようになってしまうよりは、モータースポーツ全体のピラミッドに対して、しっかりとその流れやフローを作っていけるような、マクロにモータースポーツをとらえた取り組みにより注力していく必要があるだろうと思います」
■スバル、マツダの次期社長が語る未来
また、ドライブが大好きで群馬時代には栃木のテストコースに走りに行っていたものの、社長就任決定以降は恵比寿勤務となり、「フラストレーションが溜まってしまって、栃木にスーパー耐久メンバーの慰問に行った際、ST-QのBRZに乗せてもらって味見しました。それが嬉しくて(笑)」というスバル大崎次期社長は「我々も長くモータースポーツやってきていますが、モータースポーツを通じて培ってきたいろんな技術を、どうやって市販車に活かしていくかを追求していきたいと強く思っています」と語った。
「そこでエンジニアの力量を上げていくことももちろん大事ですが、築き上げたいろいろな技術をお客様に『価値』としてまた提供をしていくことを続けていきたいと思っています」
また、現在参戦しているST-Qクラスについては「もう少しレギュレーションを明確にしながら、本当にガチンコでいろんな勝負ができるように整えてやっていけたら」とも語っている。
そして、マツダの毛籠次期社長は「モータースポーツで技術の実証を続けていくことはもちろんですが、3年、5年先とのことで言うと、マツダとしてはグラウンドアップしていきたいと思います。つまり、グラスルーツをしっかりとビルドアップしていって、そこに入ってくる人をできるだけ増やす、その人がステップアップしていくパスを何らかの形で応援できるようにしたいんです」とMAZDA SPIRIT RACINGとしてもすでに取り組んでいる、グラスルーツの充実を目指したいと語った。
「レーシングスピードで運転できる技量、正しい技量を身につけるということは、一般道で運転する時にも非常に安全にもなりますし、意識も高くなる。ユーザーの皆さまにもそういう機会を作れるような取り組みを広げていきたいです。免許を返納しなくていいような社会になれるように、微力ながら取り組みたいと思っています」
なお、「個人的で構わないので、興味があるカテゴリーはあるか」という質問について回答いただいたのはトヨタ佐藤社長。「2026年以降のル・マン、WECですかね」と笑みを浮かべた。この前日にはACOピエール・フィヨン会長が富士を訪れ、2026年以降の水素活用車の参戦を認めたばかり。「どうしようかな……ということを大変深く考えております(笑)」と佐藤社長。
これまで、トップの口からモータースポーツ活動について聞かれる機会はあまりなかったが、こうした発言を聞く機会を得たことについては、スーパー耐久の活動があったからこそだ。新時代のリーダーたちが語った展望が、今後どういった活動に繋がるのか注目したい。
「社長」をもっと詳しく
「社長」のニュース
-
耳に着けないイヤリング、手軽なおしゃれ 考案の中学生社長、アイデア絶えず5月4日8時4分
-
「令和の虎」林社長、銀行口座が作れなくなったと告白「ほんと困ってます」理由は3年前の...5月3日21時3分
-
「バレーボール応援アンバサダー」就任の迫田さおりさん、大同生命・北原社長と笑顔で対面「地域盛り上げる活動にわくわく」5月3日20時37分
-
引き合わせの場に現われた50代社長のファッションに啞然…「オフィスカジュアル」の信じられない実例5月3日18時15分
-
「PCRで儲けた金で…」にしたんクリニック社長がSNSの非難に負けないワケと“成し遂げたいコト”5月3日16時0分
-
プロモツール、ソフトクリエイト社をオリジナルアロマで香り空間デザイン5月3日14時46分
-
『おねがい社長!』女海賊の新秘書が登場!人気声優大久保瑠美さんをキャスティング5月3日14時16分
-
社長のカバンの中身 第13回 カバンの中には常に勤行集が! 住職の父親を持つ社長がお経を持ち歩く理由5月3日14時0分
-
KnowBe4、ブライアン・パルマを次期社長兼CEOに任命5月3日13時40分
-
【6/28・29開催】各地の祭りが集結!「MATSURI JAPAN 2025 IN TAKANAWA GATEWAY CITY Produced by HAPPO-EN」5月3日10時46分
スポーツニュースランキング
-
1大谷翔平8号 殿堂入り名投手があ然「本当に凄い」スイング絶賛「簡単に打っているように見える」 スポーツニッポン
-
2大谷翔平、8号勝ち越し本塁打!降雨で3時間6分遅れも…佐々木朗希を援護 豪快弾でメジャー初勝利へ導く ココカラネクスト
-
3佐々木朗希 ついにメジャー初勝利!3時間遅延も5回3失点 ベンチで笑みこぼれる ド軍は今季2度目の7連勝 貯金今季最多「13」 TBS NEWS DIG
-
4ド軍 佐々木朗希が記念球とメンバー表を手に笑顔の写真公開 ファンからも祝福相次ぐ「おめでとう」 スポーツニッポン
-
5“球界の顔”の異端さはどこに? MVPを争ったリンドーアが大谷翔平に脱帽「全てエリート。冗談じゃなく本当にそう」 ココカラネクスト