HRCからザルコも走行。デイタイムはDucati team KAGAYAMA、夜間にYARTヤマハが最速タイム記録/鈴鹿8耐テスト 1日目
6月19日、三重県・鈴鹿サーキットにて7月21日に開催される『2024 FIM世界耐久選手権”コカ・コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会』の事前テストとなる『鈴鹿サーキット主催テストセッション1回目』が行われた。
2日間のテストの初日は、快晴で最高気温31度と天候に恵まれ、本番に近いコンディションでのテスト実施となった。日中のセッションはAグループとBグループのふたつに分かれ、それぞれ45分の走行が2回と75分の走行が1回、そして70分間のナイトセッションがA、Bグループ混合で行われた。
デイタイムセッションのトップタイムはDucati team KAGAYAMA(水野涼/ジョシュ・ウォータース/ハフィス・シャーリン)の水野涼がSession2でマークした2分06秒634。このタイムは22周のロングランの2周目に記録されたもので、水野は最初の3周を2分06秒台で周回した後、残りの走行ではほぼ全周2分07秒台でラップを刻み続けた。
また、同チームは水野だけでなくハフィス・シャーリン、ジョシュ・ウォータースも20周ほどのロングランを実施した。さらに、Session3の終盤には、加賀山就臣監督が初めてドゥカティ パニガーレV4 Rのファクトリー仕様に乗り、ガス欠テストの走行を行うというサプライズもあった。
2番手はSession1でTeam HRC(高橋巧/名越哲平/ヨハン・ザルコ/荒川晃大)の高橋巧が記録した2分06秒867。同チームから参戦するMotoGPライダーのヨハン・ザルコは、最初のセッションで2分08秒台を記録するなど、高い順応性を見せた。Team HRCは2022年、2023年の優勝チームで、今回はチーム3連覇がかかっている。日中のセッションで2分06秒台を出したのはDucati team KAGAYAMAとTeam HRCの2チームのみとなった。
3番手はYAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(ニッコロ・カネパ/マービン・フリッツ/カレル・ハニカ)の2分07秒049。Session2で記録された。このチームは6月15日に開催されたEWC第2戦スパ8時間で優勝しており、3人のライダー全員が光る速さを持つチームだ。なお、YART – YAMAHAはいずれのセッションも2台でのランデブー走行を行っていた。
4番手タイムはTeam HRCの2分07秒097、5番手タイムはDucati team KAGAYAMAの2分07秒176、6番手タイムはYAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Teamの2分07秒299と、上位3チームがトップ6のタイムを占めた。
7番手はヨシムラSERT Motul(グレッグ・ブラック/ダン・リンフット/渥美心)がSession2で記録した2分07秒560。Session3の序盤にはグレッグ・ブラックの転倒により赤旗が提示されるトラブルがあり、マシンが破損していた。同チームはEWC第1戦ル・マン24時間では優勝を飾り、現在EWCのポイントランキングトップに立っている。
なお、第3戦鈴鹿8耐に限りライダーラインナップに変化が生じており、レギュラーライダーのグレッグ・ブラック、ダン・リンフットにリザーブライダーの渥美心を第3ライダーとして迎えている。エティエンヌ・マッソンはTeam SUZUKI CN Challengeからの参戦となる。
そのほか、Honda Dream RT SAKURAI HONDA(伊藤和輝/日浦大治朗)、SDG Team HARC-PRO.Honda(國井勇輝/浦本修充/マリオ・アジ)、AutoRace Ube Racing Team(津田拓也/バリー・バルタス/アンソニー・ウェスト)など7チーム12台が2分07秒台以上のタイムを記録した。なお、AutoRace Ube Racing Teamから出場するMoto2ライダーのバルタスは、ファーストランのアウトラップにて転倒を喫し、Session2から本格的に走行した。
SSTクラスのトップは総合21番手のTaira Promote Racing(柴田義将/阿部恵斗/西村硝)。西村がSession3で2分08秒667をマークした。西村は6月8日にモビリティリゾートもてぎで開催されたアジアロードレース選手権ASB1000クラスRace1で代役参戦ながら優勝している。
クラス2番手はSession3で2分08秒956を記録したTERAMOTO@J-TRIP Racing(寺本幸司/村瀬健琉/石塚健)。このチームは、Maco Racing TeamよりEWC選手権にフル参戦している石塚健を擁する。SST3番手は2分10秒170を記録したKawasakiPlazaRacingTeam(岩戸亮介/彌榮郡/ミカ・ペレス)だった。
EWCのSSTクラスにフル参戦する日本のチーム、Team Étoile(亀井雄大/大久保光/ロベルト・ロルフォ)は2分11秒861の総合51番手で初日を終えた。Team Étoileは前戦スパでクラスポールポジションを獲得しているが、鈴鹿で使用するマシンはヨーロッパに持ち込んだものとは異なるもので、そのセッティングに時間を費やしたとみられる。
エクスペリメンタルクラスに参戦するTeam SUZUKI CN Challenge(エティエンヌ・マッソン/濱原颯道/生形秀之)は2分08秒717で総合23番手で初日を終えた。カーボンニュートラルを掲げるこのチームのベースマシンはヨシムラのものであり、ヨシムラSERT Motulとピットボックスをシェアしている。ベストタイムは濱原が記録したもので、Tカーのベストタイムである2分08秒878は、鈴鹿以外のEWCラウンドをヨシムラSERT Motulから参戦するマッソンによって記録された。
夜間走行を想定したナイトセッションは、18:40〜19:50の70分間で実施された。トップタイムはYAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Teamの2分06秒381。2番手はAstemo Honda Dream SI Racing(野左根航汰/作本輝介/パサウィット・ティティワララック)の2分06秒397。日中のセッションと合算すると、この2チームのタイムがトップ2のタイムとなる。3番手はヨシムラSERT Motulの2分06秒987と、24時間レースを経験しているフル参戦チームの速さが目立った。
AグループのSession3で一度、BグループのSession3で2度赤旗が出されたものの、大きな怪我をしたライダーや大きなトラブルはなかった模様だ。なお、F.C.C. TSR Honda Franceはこのテストに参加していない。
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