コンマ1秒差でオジエを抑えたタナクが初日首位。ロバンペラが3番手に続く/WRC第7戦ケニア
6月22日(木)、WRC世界ラリー選手権第7戦『サファリ・ラリー・ケニア』のデイ1が行われた。オープニングステージとなったスーパーSS“カサラニ”でトップタイムを記録したのは、Mスポーツ・フォードWRTのオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(フォード・プーマ・ラリー1)。2番手にはTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が0.1秒差で続き、前日のシェイクダウンを最速タイムを記録した同じくTGR-WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は3番手で初日を終えている。
今大会で第70回を迎えたサファリ・ラリー・ケニアの競技初日、各チームは前日にシェイクダウンが行われたナイバシャ湖のサービスパーク近郊からナイロビへと移動。同国首都でのオープニングセレモニーを終えた後、現地時間14時過ぎにSS1“カサラニ”で競技がスタートした。
2台のマシンが同時に走行する全長4.84kmのスーパーSSは、大胆なインカットを防ぐためにコースサイドに石が置かれており、慎重なマシンコントロールが要求される特設コースだ。このステージの途中に設置されたウォータースプラッシュゾーンは車両が通過するごとに水が掻き出され、後方の出走順になるにつれて水しぶきが少なく走りやすいコンディションに変化していく様子も見受けられた。
地元ケニアの選手が駆るラリー2マシンのスタートで幕を開けたSS1。ラリー1車両のトップバッターは新コドライバーのアンディ・マルフォイとコンビを組むジョルダン・セルデリディスと、ピエール‐ルイ・ルーベ/ニコラス・ギルソウル組という2台のMスポーツ・フォードのプーマ・ラリー1の共演に。その後、ポイントランキング順に2車1組での出走が続いた。
■シェイクダウンで“2回転クラッシュ”の勝田車も復活。初日は7番手
この日唯一の競技区間となる同ステージでトップタイムを記録したのはMスポーツのタナクだ。タナクは長い左コーナーの立ち上がりで右リヤを軽くヒットさせるも大きな影響はなく、落ち着いた走りで全体ベストとなる3分14秒3というタイムを記録。それまで暫定トップタイムをマークしていたトヨタのオジエを0.1秒上回り、僅差で総合首位に立っている。
前日のシェイクダウンでトップタイムを記録していた昨年の覇者ロバンペラは、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)と同時に出走。走行後のインタビューで語った「去年と同じように頑張るつもりだ。とにかく安定して、いいペースをキープすることだね」との言葉どおり、まずはスムーズな走りを見せタナクの2.4秒後方、オジエに続く3番手でオープニングステージを走り切った。
ロバンペラの後方にはヌービル、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)、勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)と、TGR-WRTとヒョンデ・シェル・モビスWRT勢が交互に続くオーダーとなっている。ヒョンデのi20 Nラリー1を駆るダニエル・ソルドは、勝田に続く暫定8番手タイムを記録していたが、スタートミスによる10秒のタイムペナルティを課され総合16番手で初日を終えることとなった。
シェイクダウンで横転するクラッシュに見舞われ、懸命の修復を受けてラリー初日の出走に間に合った勝田は「クルマを完璧に直してくれたチームに感謝します。とてもいいフィーリングでした。明日も楽しめるように頑張ります」とチームへの感謝を交えつつ笑顔で走行後のインタビューに答えた。
Mスポーツ・フォード勢はタナクが首位で初日を終える一方、ルーベが8番手、セルデリディスは10番手となった。2台のプーマ・ラリー1の間にはWRC2クラスにエントリーしているオリバー・ソルベルグが入った。21歳のノルウェー人は今回、WRC2選手権にはノミネートせず、アニマルバーとシュノーケルを装備した旧型のシュコダ・ファビア・ラリー2エボで伝統のサファリラリーの臨んでいる。
本格的な競技が始まる23日(金)のデイ2は、サービスパークが置かれるナイバシャ湖周辺に舞台を移し、現地時間8時(日本時間14時)からオープニングのSS2がスタートする予定だ。ミッドデイサービスを挟みつつ3本のステージを各2回走行する金曜日は、一日の最後に全長30.62kmの難関ステージ“ケドン2”が待ち受ける。
「WRC」をもっと詳しく
「WRC」のニュース
-
高性能EV Hyundai「IONIQ 5 N」と「攻殻機動隊」が描く未来を渋谷で体感! 原寸大タチコマにも会えるコラボイベントが6月22日まで開催中6月11日17時0分
-
ラリージャパン2024のマーシャルが一般公募へ。登録制度を設けたうえで6月7日から募集開始6月6日16時59分
-
22歳サミ・パヤリが大抜擢。第8戦ラトビアでラリー1に挑戦、トヨタから4台目出走へ/WRC6月6日16時42分
-
2025年のWRCに中東ラウンドが復活。サウジアラビアが10年の長期開催契約を結ぶ6月5日20時26分
-
勝田が試みたギヤボックスの応急処置。不運のトラブルと共に障壁となった短期開催/WRCイタリア6月5日16時9分
-
WRCチャレンジプログラム2期生がタフなサルディニア島のグラベルに挑戦。厳しいステージの洗礼を受ける6月5日7時25分
-
タナクが史上最僅差の逆転劇「“残酷なこと”。僕らは間違いなく戦えるようになった」/WRCイタリア後コメント6月3日12時32分
-
オジエの惜敗に豊田章男会長「0.2秒差は本当に悔しい」。元トヨタドライバーのタナクへの祝福も/WRCイタリア6月3日5時6分
-
優勝目前のオジエ、残り3kmでパンクに泣く。「このラリーはいつも我々に優しくない」と代表も悲嘆/WRCイタリア6月3日4時34分
-
【ポイントランキング】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア後6月3日0時42分