加藤未唯の“証言”で波紋広がる。ソリベストルモの母国紙は全仏側を糾弾「失格は不当であり、行き過ぎた裁定」
加藤の失格を促すような振る舞いを見せ、世界中から批判を受けたソリベストルモ(C)Getty Images
世界的な物議を醸した騒動の当事者による証言は、新たな波紋を生んでいる。いまだ議論の的となっているのが「全仏オープン」での失格騒動だ。
事の発端となったのは、現地6月4日、テニスの4大大会「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦でのハプニングだ。日本の加藤未唯(ザイマックス)がアルディラ・スーチャディ(インドネシア)と組み、マリー・ブズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)組が対峙した一戦、その第2セットは第5ゲームに騒動は起きた。
【動画】波紋を広げた加藤の失格騒動。 ソリベストルモの行動も波紋を広げたシーンをチェック
加藤が相手コートへボールを打ち込んだところ、打球がスタンバイしていたボールガールの頭部を直撃してしまったのだ。当初、主審は「わざとやったんじゃない」と説明した加藤に対して警告を出しただけだった。だが、驚きのあまりに泣きじゃくった少女を目の当たりにした相手ペアが執拗に抗議。その後、スーパーバイザーも介入し、主審と協議を重ねた結果、裁定は「失格」に変更。試合は中止になり、加藤は女子ダブルスの賞金とポイントを剥奪された。
のちに罰金まで科されていた事実が判明したこの一件は、加藤が大会側に処分の撤回を求めて提訴するも数日後には却下を告げられた。そのため、頑として決定を変えなかったローランギャロス(全仏オープンの愛称)には、世界中からバッシングの嵐が巻き起こった。
そうしたなかで、新たな波紋を広げたのが、加藤の証言だった。今月22日に海外のテニス専門サイト『CLAY』のインタビューに応じた彼女は、試合直後にスーパーバイザーらと交わした対話の詳細を告白したのである。
その内容は以下のものだ。
「審判とスーパーバイザーが私に話しかけて、『ボールキッズが少年だったら大丈夫だっただろう』と言いました。また、少女が15分以上泣き続けたので決断を下さなければならなかった、5分後に泣き止んでいればすべては大丈夫だっただろう、とも説明していました。『ボールが彼女の足や腕に当たったとしていたとしても問題なかったが、首に当たったので決断しなければならなかった』とも言われました」
騒動の舞台裏を鮮明にするコメントに欧州メディアが反応。とりわけ、「わざとやったんじゃないの?」とアピールしたために、「スポーツマンシップに欠いている」と猛烈な批判を受けたソリベストルモの母国メディアは大会側を痛烈に皮肉っている。
スペインのデジタル紙『La Forum Libertas』は、「彼女は誤ってボールを少女に当ててしまったに過ぎない。テニス界からも失格は不当であり、賞金やポイントの没収なども行き過ぎた裁定だとする声が多く挙がった」と加藤を擁護したうえで、「大会主催者たちは既存のプロトコルを見直し、改善するために協力すべきだ」と主張。ボールキッズが男子であったならば失格としなかったという全仏オープンの不平等さを糾弾した。
「ローラン・ギャロスで起きた今回の事件は、テニスやその他のスポーツにおける男女平等とルールの公平な適用に関して、より深く考察する必要性を浮き彫りにした。すべての大会参加者に安全な環境を提供するとともに、主観的な認識や差別的な判断に基づく不平等を避けることも不可欠である。カトウが明かした関係者たちとの対話は驚くべきものであり、多くの疑問を投げかけた」
各国でスッキリしない反応が目立っている失格騒動。釈然としない対応を見せたローラン・ギャロスへの批判は今後も収まりそうにない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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