フェラーリ、新世代GT3カー『296 GT3』を公開。すべてを刷新し幅広いドライバー、レースに対応
7月29日、トタルエナジーズ・スパ24時間の開催に合わせ、フェラーリは2020年から開発を続けて来た新世代GT3カー『296 GT3』を公開した。これまで多くの結果を残してきた488 GT3の栄光を受け継ぐ車両で、296 GTBをベースに、カスタマーレーシングカーとして多くの開発が進められた。デビューは2023年のデイトナ24時間とされている。
この296 GT3は、フェラーリにとって「GTレースにおける跳ね馬の未来を表す」もの。マラネロはGT3レースを通じてカスタマーとの緊密な関係と市販車への技術、革新的なソリューションを得ており、その最新の進化形が市販の296 GTBであるとしている。
296 GT3の開発にあたっては、デザイン、車両のマネージメント、エンジンアーキテクチャ、120度V6ターボなど、あらゆる面で新しいアプローチがとられた。チーム、プロドライバー、ジェントルマンドライバーというすべてのニーズを満たすため、さまざまな角度から細心の注意を払って開発された。
エンジンとギアボックスについては、3リッター120度V6ターボのF163CEエンジンを搭載。市販同様Vバンク内にターボを備える。ただロードゴーイングバージョンよりも前方かつ下方に搭載され、重心が下げられているほか、ねじり剛性が約10%高くなっている。またエンジニアたちは、エンジン内部の流体力学を研究し、設計を微調整。スプリント、エンデュランスでのパフォーマンス最適化を目指した。
これに組み合わされるギアボックスは296 GT3専用の完全新設計で、空力と重量配分の改善するため横置きのシングルディスククラッチユニットを選択した。コンポーネントの小型化とプレミアム素材の使用により、ギアボックスの重量を抑えることができ、パフォーマンスが向上した。
シャシーについては、488 GT3の経験を活かしてはいるもののまったく新しいもので、アルミニウム製のフレームをもつ。ドライビングプレジャーを重視しているのはもちろん、タイヤがもつグリップの可能性を最大限活用し、パフォーマンスと再現性が向上している。また軽量であることにより効率的なバラスト管理を可能にした。サスペンションは前後ダブルウィッシュボーンで、アンチロールバーとともに可能な限りのセットアップを提供する。ブレーキも改良されたほか、純正ホイールも296 GT3専用として、ロティフォーム製の新しい鍛造ホイールが採用された。
コクピットについては、安全性や快適性を損なうことなく、ファクトリードライバーの意見も聞きながらキャビンを再設計。調整可能なペダルとステアリングとともに、ドライビングポジションを素早く得ることができる。
空力については488 GT3よりも20%ダウンフォースを増している296 GT3はプロジェクトのコンセプトが2020年に登場し、CFDやシミュレーター、ベンチ、シャシー剛性テスト等を経て2022年4月にフィオラノでシェイクダウンされた。デビューは2023年のデイトナ24時間を予定している。価格は現時点では公開されていない。日本ではスーパーGT GT300クラス、スーパー耐久ST-X、GTワールドチャレンジ・アジア等での活用が可能だ。
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