ラティフィへの侮辱発言が問題視されるティクトゥム、ウイリアムズF1との開発ドライバー契約が解除に
ウイリアムズ・レーシングは、ダン・ティクトゥムとの開発ドライバー契約を解除したことを明らかにした。
22歳のティクトゥムは、2020年にウイリアムズと契約、2021年F1開幕戦バーレーンGP初日に、契約延長が発表された。ティクトゥムは、F1シミュレーション作業などマシン開発に関する仕事に携わる一方で、今年はカーリンからFIA-F2選手権に参戦している。
しかし、ウイリアムズはformula1.comに対し、ティクトゥムとの開発ドライバーおよびドライバーアカデミーの契約を先週解除したと認めた。理由は明らかにされていない。
最近、ティクトゥムがウイリアムズのレギュラードライバー、ニコラス・ラティフィをばかにする発言を行っていたことが問題視されていた。
ティクトゥムは、Twitchでゲームの実況配信を行っている際、アニメ『スクービー・ドゥー』のテーマソングのメロディにラティフィを下品な言葉でばかにする歌詞をつけて歌っていた。その際「ロズベルグはいんちき」とも歌っている。
Twitchのビューワーのひとりがこれを不愉快に思い「彼はF1で走っているけど、君はF2ドライバーじゃないか」と書き込んだ。
するとティクトゥムは憤り、「彼の方が年上だし、彼は金を払って走っているんだ」「ばかめ!」と言い、そのビューワーをチャンネルから追い出した。
そして友人に向かって「(イングランドサッカーの)ディビジョンやリーグ1、プレミアリーグみたいに、ランクを上がっていけるわけじゃない。モータースポーツでは、F1に辿り着けずにいるからといって、実力が足りないとは限らないんだ」と話した。
この動画が出回り、ティクトゥムに非難が集まっているが、ティクトゥム自身は、これが契約早期終了の理由ではないと述べている。
ティクトゥムはInstagramのストーリーを通して、次のようなコメントを発表した。
「僕とウイリアムズが決別したのは、最近のラティフィの一件より前のことだ」
「それが今まで発表されなかっただけだ。僕には2022年F1シートの選択肢がなかった」
「機会を与えてくれたウイリアムズに感謝する。将来一緒に働けることを願っているよ!」
ラティフィは2019年にFIA-F2でランキング2位を獲得、2020年にウイリアムズからF1デビューした。父親はソフィーナ・フード社のオーナーであり、ウイリアムズチームに多額の資金をもたらしている。ラティフィは2021年第11戦ハンガリーで、F1初入賞を果たした。
ティクトゥムは、2015年のMSAフォーミュラ時代に他のドライバーとの接触事故の後、セーフティカー出動中に順位を上げて、相手のドライバーまで追いついてヒット、1年間のレース出場禁止となった。2017年にはレッドブル・ジュニアドライバーとなり、2018年にはヨーロピアンF3でランキング2位、2017年と2018年にはマカオGPを制した。2018年にスーパーフォーミュラにスポット的に参戦し、翌年はフル参戦を果たす予定だったが、シーズン途中でレッドブルは彼をジュニアチームから外した。
ティクトゥムは2020年からFIA-F2に参戦し、今年は現時点でランキング4位に位置している。
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