新生“レーシング・ポイント・フォース・インディア”のF1参戦が承認。チーム譲渡により前半戦のポイントは取り消しに
フォース・インディアF1チームが、レーシングポイント社に取得されたことが、23日、正式に発表された。チームは「レーシング・ポイント・フォース・インディアF1チーム」として今週末のF1ベルギーGPに参戦する。
資金難に陥っていたフォース・インディアの親会社は、ハンガリーGPの週末に破産申請を行い、管財人の管理下に入った。その後、カナダの富豪ローレンス・ストロール率いる投資家コンソーシアムがこれを買収することで交渉はまとまったものの、譲渡の手続きに遅れが出ていると報じられ、ベルギーGPへの参戦が危ぶまれていた。
しかしチームはグランプリ直前の木曜に声明を発表、「16日に新たな所有権が確定し、チームの将来が守られた」ことを明らかにした。ランス・ストロールの父でもあるローレンスをはじめとする投資家グループとの間で合意がなされ、レーシング・ポイントUK社がチームを取得したという。
FIAは23日、フォース・インディアの譲渡が完了したことを認め、新オーナーによるF1エントリーを承認。これによってチームは「レーシング・ポイント・フォース・インディアF1チーム」として2018年のベルギーGP以降を戦い、これまでどおりのピンク、ホワイト、ブルーのカラーリングのマシンを走らせることが可能になった。
しかしレーシング・ポイント・フォース・インディアは完全に新しいエントラントとして参戦する形になり、これまでのフォース・インディアのエントリーは2018年コンストラクターズ選手権から除外される。そのため規則に基づき、2018年シーズンの開幕戦から第12戦ハンガリーGPまでに獲得したコンストラクターズポイントは取り消されることが決まった。ただしレースドライバーであるセルジオ・ペレスとエステバン・オコンのドライバーポイントは維持される。
■フォース・インディアF1、新代表を発表。副代表を務めたファーンリーは離脱
レーシング・ポイントUK社は、2010年以来チームでCOOを務めてきたオットマー・サフナウアーをチーム代表兼CEOに指名。副代表としてチームを率いてきたロバート・ファーンリーは退任することも発表された。それ以外の上層部の人事には変更はないという。
フォース・インディアは2007年、インドのビジネスマン、ビジェイ・マリヤらがスパイカーを買収する形で立ち上げたチームで、マリヤがオーナー兼代表を務めてきたが、彼は事業で多額の負債を抱え、詐欺や資金洗浄の疑いで手配され、インドを離れてイギリスで暮らす状況だった。
新株主のストロールは「才能あふれるスタッフたちと共に新たなエキサイティングな旅をスタートすることを光栄に思う」とコメントした。
「これまで多数のビジネスを成功させ、それを成長させ、確立してきたが、このチームを次のレベルへと前進させる機会を持つことは、今までで最もエキサイティングなチャレンジであると考える」
「このチームが最高レベルでレース活動を続けるため、他の株主たちと共に、投資を行い、新たなエネルギーを注ぎ込む。このチームを数年後にはさらに特別な存在にしようという意欲が高まっている」
新代表およびCEOに就任したサフナウアーは「新オーナーのもと、チームの将来が確保された。これで自分たちの仕事であるレースに集中できる」と安堵の気持ちを語った。
また、10年にわたりチームに貢献してきたファーンリーと、旧オーナーたちに対しては感謝の言葉を送っている。
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