【津川哲夫の2019私的新車チェック:レーシング・ポイント】経営陣変更にもブレなかった、真のレース屋職人たちの効率的マシン

2019年2月16日(土)10時0分 AUTOSPORT web

 フォース・インディアから新生レーシング・ポイントとして挑戦を開始した今年、その初年度に登場したRP19はほぼ、昨年のフォースインディアVJM11そのままのマシンとなった。


 それでもモノコックの修正強化とクラッシュテストの再実験、そして今シーズンの規則に準拠したエアロの搭載で衣替えは施されている。


 昨年型であるフォース・インディアVJM11の完成度は高く、ミッドフィールドの覇権をワークスのルノーと争う能力を持っていた。チームとしてはRP19の開発期間中にチームが倒産して管財人が入り、すぐにカナダの投資家グループが介入し生き残りに成功したが、その間、開発はもちろんできず、旧型の改造での登場は致し方ないことだった。


 それでも運が良かったのは、今シーズンはどのチームも昨年型の発展型を持ち込んでいるので、開幕からライバルに大きな遅れをとるということは避けられそうだ。むしろ、現在は安定したチーム財力があるので、シーズン中に一気に開発を進められる可能性がある。

スポーツペサ・レーシング・ポイントF1の2019年カラー

 実際、開幕からの数戦は細かなアップデートで対応し、ヨーロッパラウンドが始まる第5戦スペインGPには大幅な改良を予定していると言う。


 このチームの常に無駄の少ない効率的な開発スタイルは、大型チームが予算にモノを言わせて行う雑多な開発に比べて実に心地がよい。そのコストパフォーマンスに優れた開発方針、合理的でこれまで中団のトップとして成功を納めてきた。そのフィロソフィーが今回のRP19、そしてシーズン中の開発計画にも現れている。


 マシンの各部も、特にフロントウイングに『らしさ』が見られる。5エレメントに規制されているがメインの2枚はフラットで面積を大きくとり、いかにもグランドエフェクトと後方気流をマッチさせた感があり、続く3段隙間フラップのコードはおかしな言い方だが、いかにもウイングらしい狭さで好ましい(個人的にだが)。


 経営陣が変わろうとも、ファクトリーのスタッフは黙々とマシン開発を続け、レースで結果を残しているレーシング・ポイント、今や希少な真のレース屋職人たちのチームなのだ。


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