悪天候による3時間の中断を挟み、3周目に終了。フェルスタッペンが優勝、2位ラッセルが初表彰台【決勝レポート/F1第12戦】
8月29日現地時間15時、第12戦ベルギーGP決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。
朝から断続的に雨が降り続き、決勝を前に雨脚が強まって路面はフルウエット。14時20分のピットレーンオープンとともに各車ともウエットタイヤでレコノサンスラップに出ていくが、グリップは低く視界も悪い。セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はターン5をややオーバーシュートし、ターン6イン側の縁石に乗ってリヤが流れ右フロントからタイヤバリアにクラッシュ。右フロントサスペンションのダメージが大きく、決勝スタートを迎えることができなかった。
予選Q3で大クラッシュを喫したランド・ノリス(マクラーレン)は、ギヤボックス交換を余儀なくされ5グリッド降格ペナルティを科されて15番グリッドからのスタート。キミ・ライコネン(アルファロメオ)はリヤウイングを予選とは異なる仕様に交換し、ピットレーンスタートを選択した。前戦ハンガリーGPのクラッシュで5グリッド降格ペナルティを科されたバルテリ・ボッタス(メルセデス)とランス・ストロール(アストンマーティン)もそれぞれ13番グリッドと最後尾19番グリッドへと降格されている。
全車がウエットタイヤを履いてセーフティカー先導でのフォーメーションラップスタートが切られることとなったが、雨脚が強まったためスタートの2分前に10分ディレイが決まった。雨は降り続きさらにディレイの延長が続く。
15時25分、気温は12度、路面温度は15度という極めて寒いコンディションで、雨が降り続くなかでセーフティカー先導でフォーメーションラップ開始となった。しかしドライバーたちは揃って視界不良を訴え、アクアプレーニング現象も多々発生していると報告する。
2周にわたってセーフティカー先導走行が行われ、先頭のフェルスタッペンは「ウエットだがレースはできる」と言うが、後続は「何も見えず前のテールライトも見えない」「ドライブできない」と訴え、15時30分に赤旗提示。スタート手順は中断となり、レースのスタートが切られないまま全車がピットインしてピットレーンに整列する。天候はかなり長時間にわたって変化がなく、スタートの目処が立たないまま時間が経過していく。
レース自体はまだスタートしていないため、レッドブルはこの間にピットガレージに戻って来たペレスのマシンを修復しレースへの参加を試みる。チームはフロントサスペンションの修理だけでなくハイダウンフォースのリヤウイングに交換し、16時30分には作業を完了してピットレーンスタートの手はずを整える。
レース自体の最大2時間という規定だけでなく、レース開始予定時刻の15時から最大3時間というルールがあり、レースは18時に終了時刻を迎える予定だったが、スチュワードは地元当局と協議の上で17時の時点でカウントダウンを残り1時間でストップさせた。
実に2時間47分に及ぶ中断を挟んでレースは18時17分に再開となり、全車がウエットタイヤを履いてセーフティカー先導でコースイン。ピットレーンスタートのライコネンとペレスはこの隊列の最後尾に加わり、最後尾のストロールは中断の間にリヤウイングを別仕様に交換してウエットコンディションに対応させてきた。
気温は13度、路面温度15度のコンディションで、残り1時間のカウントダウンが開始される。レースは中断までのディレイ回数とセーフティカー先導走行を踏まえて39周に減算となり、ピットシグナルのグリーン点灯によるピットアウト時点からレース開始となり、セーフティカー先導で1周目スタート。そのままセーフティカーの背後でコンディションの確認のための走行を続ける。
しかし3周目の時点で赤旗が提示され、再び全車がピットに戻って待機。これでレースはスタートが切られてレース成立要件を満たすこととなったが、天候は再び悪化してしまう。
18時44分の時点でレースはそのまま終了となることが決定され、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が優勝、2位ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が自身初表彰台を獲得。3位にルイス・ハミルトン(メルセデス)、4位ダニエル・リカルド(マクラーレン)、5位セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、6位ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)と、以下はペレスとライコネン、ストロール以外がスターティンググリッド順位通りの結果となった。レースは75%の周回数を満たしていないためハーフポイントが与えられることとなった。
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