フェルスタッペンが7番手から逆転でモンツァ初制覇。SC先導でレース終了、ルクレールは2位【決勝レポート/F1第16戦】
2022年F1第16戦イタリアGPの決勝が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝した。2位はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位はジョージ・ラッセル(メルセデス)となっている。角田裕毅(アルファタウリ)は14位だった。
20人中9人のドライバーがパワーユニット交換、ペナルティなどでグリッド降格となった結果、スターティンググリッドは以下のように予選結果から大きく変動した(カッコ内は予選順位)。
ポールポジションはルクレールが実力でもぎ取った一方で、フロントロウには予選6番手のラッセルが並んだ。2列目はマクラーレンのランド・ノリス(7)、ダニエル・リカルド(8)、3列目はピエール・ガスリー(9)、フェルナンド・アロンソ(10)、4列目はフェルスタッペン(2)、ニック・デ・フリース(13)、そして5列目は周冠宇(14)、ニコラス・ラティフィ(16)というトップ10グリッド。角田は最後尾から、カルロス・サインツ(フェラーリ)は18番手、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は19番手から、ポジションアップを狙う。
決勝当日は、雲ひとつない快晴。現地時間午後3時のレース開始時で気温27.4度、路面温度44.2度と、この週末最も高温のコンディションとなった。注目のスタートタイヤは、ソフトとミディアムに二分された。ソフトを選択したのはフロントロウのルクレール、ラッセル、7、8番グリッドのフェルスタッペン、デ・フリース。そして14番グリッドのエステバン・オコン(アルピーヌ)。それ以外の15人はミディアムを履いた。
スタートではターン1のブレーキングでラッセルが迫るが、ルクレールがインを閉めて譲らない。ラッセルはクロスラインをかけるが、ルクレールに押し出される形でコースオフ。かろうじて2番手でコースに復帰した。背後では7番グリッドのフェルスタッペンがスタートダッシュを決め、2周目には早くも3番手に。さらに4周目のターン1でラッセルを抜き去り、最速タイムを更新しながらルクレールの追撃にかかる。
グリッド後方では、 サインツが10番手にジャンプアップ。角田も17番手、さらに7周目には大きく順位を落としたラティフィを抜いて16番手と4つ順位を上げた。
7周目、予定よりかなり早いタイミングで、ペレスがハードに履き替えた。しかし右フロントタイヤのブレーキから、白煙が上がり続けている。序盤10周目の時点で、首位ルクレール、1秒5差でフェルスタッペン、3番手以下はラッセル、リカルド、ガスリー、ノリス、サインツ、アロンソ、デ・フリース、周。角田は14番手だ。
11周目、セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がレズモ2を立ち上がったところでストップ。これでバーチャルセーフティカー(VSC)が導入された。このタイミングで、ルクレールがピットイン。ミディアムに履き替え、フェルスタッペン、ラッセルに次ぐ3番手でコース復帰。背後ではサインツがリカルドを抜いて、4番手まで上がってきた。
18周目にガスリー、周、ランス・ストロール(アストンマーティン)、19周目にはリカルド、デ・フリース、角田もピットに向かう。路面温度が高いこともあって(この時点で43.4度)、デ・フリースのミディアム以外はハードタイヤに履き替えた。ガスリーはリカルドに対するアンダーカットが成功せず、再び背後で押さえ込まれている。
23周目、2番手のラッセルがピットイン。やはりハードを選択した。25周目にはフェルスタッペンもピットへ。2.4秒でミディアムに履き替え、2番手でコース復帰。10秒前方のルクレール追撃にかかる。この時点で3番手サインツ、4番手ラッセル、5番手ノリス。ハミルトンはアロンソをかわし、6番手まで上がった。
フェルスタッペンのペースはコンスタントにコンマ6〜8秒速く、30周目には首位ルクレールとの差は7秒5、32周目には5秒6まで縮まった。31周目、ピットインしたアロンソがマシンを降り、リタイア。連続入賞記録は、10戦で途絶えてしまった。33周目、ルクレールが2度目のピットイン。ソフトに履き替えて、フェルスタッペンの19秒後方でコース復帰した。さらにハミルトン、ミック・シューマッハー(ハース)もピットに向かい、ノンストップで走り続けているのは4番手ノリス、7番手ボッタスのふたりだけになった。
35周目に、このふたりもピットイン。しかしノリスは右フロントタイヤ交換に手間取り、コース復帰直後のターン1でガスリーにかわされてしまう。さらにその混乱に乗じたハミルトンが、ノリス、ガスリー、さらにリカルドを一気に抜いて6番手にジャンプアップした。ガスリーは直後にノリス、さらにリカルドにも抜き返され、9番手に後退した。
ルクレールはフェルスタッペンとの差をじりじりと詰めてはいるものの、40周目の時点で差は18秒7。あと13周では追いつけそうにない。42周目には5番手のペレスがピットイン。7番手でコースに戻った。背後では10番手のデ・フリースと周が、激烈な入賞争いを繰り広げる。しかしデ・フリースは周の追撃を振り切り、逆に9番手ガスリーのDRS圏内に入った。
46周目、リカルドがレズモのコース上にストップ。車両排除に時間がかかりそうなことから、セーフティカー(SC)導入となった。このタイミングで3、4番手のラッセル、サインツが47周目にピットイン。この動きを見て、フェルスタッペン、ルクレールもピットへ。フリーストップでそれぞれ首位、2番手のままコースに復帰した。
結局SC先導のまま最終周に至り、フェルスタッペンがイタリアGPでのキャリア初優勝を果たした。5連勝で、今季11勝目。ルクレールは2位表彰台に上がったものの、選手権での両者の差は117ポイントまで広がったため、次戦シンガポールでの結果次第ではフェルスタッペンの連覇が確定する。
3位ラッセル、4位サインツ、5位ハミルトン、6位ペレス、7位ノリス、8位ガスリー、9位はデビュー戦でポイント獲得となったデ・フリース、10位周。角田は14位完走だった。
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