近藤真彦監督、ひさびさのガッツポーズ。GT500で5年ぶりのポール獲得に「明日はどうなるか分からないけど、優勝には近づいている」【第7戦予選】
2022年のスーパーGT第7戦オートポリス。GT500クラスでは最後に最速ラップを刻んだ24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)がポールポジションを獲得した。KONDO RACINGとしても5年ぶりのポールポジションということで、近藤真彦監督も喜びを爆発させていた。
ここ最近は表彰台争いに絡む走りをみせるなど、力強い戦いぶりをみせている印象があるKONDO RACINGだが、2016年第3戦もてぎ(熊本地震でオートポリス大会が中止となり、代替えでシーズン7戦目として開催されたレース)を最後に優勝から遠ざかっており、予選ポールポジションも2017年の第6戦鈴鹿1000kmが直近という状況だった。
久しぶりのポールポジションに「優勝したみたいでしょ!」と近藤監督も満面の笑みで話したが、ここで語り尽くせないほどの苦労があったようだ。
「ここまで長かったですね。この5年間、予選Q1で落ちてしまったり、いろいろなことがあったので……本当に長かったです。でも、レースは面白いもので、こういったことがあると(過去の苦い思い出が)全部すっ飛んでしまうんですよね!」
今シーズンは、マシンが新型ニッサンZ GT500に変わり、二度のチャンピオン経験を持つ平手晃平がチームに加わるなど、体制面でも変更があったKONDO RACING。富士スピードウェイで行われた2レースとも予選2番手を獲得し、第4戦の決勝では途中までトップを快走する走りをみせ、最終的に3位表彰台を手にした。肝心の“優勝”に手が届いていないのだが、確実に近づきつつあると近藤監督も手応えを感じている。
「(前マシンの)GT-Rは、GT-Rの強さはあったはあったけれど、特にヨコハマタイヤはZになったことで、空力もトラクションも良くなり、良いセッティングが見つけられやすくなったと思います」
「あとはヨコハマタイヤがすごく頑張っていたということです。もちろん、ニッサン/ニスモに頑張ってもらい、うちのチームのエンジニア、メカニックも相当頑張っていましたけど、空回りしていた時代が長かったです。それが今年『Z+ヨコハマ』になったことで、ガチャっとギヤが噛み合った感じです」
「この前(第4戦富士)の3位も“もしかしたら勝てたかもしれない”3位でした。でも、こういったレースをやっていれば、一番上(優勝)もそう遠くないと思っています。『明日必ず勝ちます!』とは言い切れないですけど、優勝にはどんどんと近づいてきていると思います」
またKONDO RACINGで欠かせないトピックといえば、GT300クラスでの目覚ましい活躍ぶりだ。
今回も56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが69kgのサクセスウエイトを背負いながら、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがQ1A組を3番手で通過すると、Q2では藤波がオリベイラを凌ぐタイムを記録し、8番グリッドを獲得した。
毎回、重いサクセスウェイトをもろともしない走りを見せている56号車だが「外から見ていると『これだけウェイトを積んでいても強い』の一言で終わるかもしれないですけど、(チームの)中はものすごく苦労しています」と近藤監督。2人のドライバーと米林慎一エンジニアの密なコミュニケーションが、強さを引き出せている要因だと語る。
「今日も朝の公式練習と、予選一発のタイムを出したセッティングを、JP(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がセットアップをすごく事細かく考えて要求をして、僕も『今日の君はエンジニアだな』と言ったくらいでした。それに対してブレーキをかけるのが米林(慎一)エンジニアであり、米林エンジニアのセッティングをブレーキかけるのがJPであり……ふたりがお互い切磋琢磨をして良いところ探しをしているから、すごく良いバランスになっていると思います」
「それでも、藤波(清斗)が時にはJPより速い予選タイムを出してくるので、そういった意味では本当に強いチームです。2020年はチャンピオンを獲りましたし、昨年もランキング2位になっています。何とか今年チャンピオンを取り戻したいですね」
24号車、56号車ともに注目が集まる決勝レースとなりそうだが、展望について多くは語らなかった近藤監督。それでも「とにかく『オートポリスは良いところだったなぁ。このサーキット大好き!』と言って、気持ちよく明日は帰りたいです」と期待を膨らませていた。
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