メーカーの垣根越え開発参加の高星明誠。近藤真彦会長は「ニッサンドライバーにもいろいろなチャンスを」

2023年8月19日(土)14時23分 AUTOSPORT web

 8月19日、全日本スーパーフォーミュラ第7戦が行われているモビリティリゾートもてぎで、JRP日本レースプロモーションの定例記者会見『サタデーミーティング』が開催された。


 今回の会見では前戦富士の観客動員数が前年比で150%となったことなどが報告されたほか、すでに発表されている2024年カレンダーなどについて話題が及んだが、2023年の車両開発テストの概要に関するセクションでは、先日発表された塚越広大、高星明誠の2名の開発ドライバーも登壇、JRPの上野禎久社長、JRP近藤真彦会長とともに、4名で会見に臨んだ。


 スーパーGT・GT500クラスにニッサン陣営から参戦する高星は、トヨタエンジンを搭載するSF23開発車両“赤寅”の開発ドライバー務める。メーカーの垣根を越えた形だが、上野社長は、過去に高星がトヨタ・ホンダ双方のエンジン搭載車両に乗った経験があることや、近年のGT500での活躍に触れ、「純粋に高星選手のスキルを我々の開発に活かしたい」と、この起用のきっかけについて説明した。


 だが、その打診には高星本人も驚いたという。


「連絡が来たのが本当最近で、GT(第4戦)富士のちょっと前くらいでした。『そんな急に決まるのか』とも思いましたし(笑)、トヨタの開発車両にニッサンドライバーが乗るというのも(これまでは)ないことだったと思うので、僕がそこに選んでもらえたのはビックリ。本当に『ビックリ』しか出てこないような印象です」と高星。


「こうしてニッサンドライバーも選んでもらえるということは、モータースポーツファンのみなさんに向けてもいいアピールになっているのではないかと思いますし、いい取り組みではないかと思います」


 高星がそこまで述べたところで、スーパーGTでは同じくニッサン陣営のKONDO RACINGを監督として率いる近藤会長が「ニッサン系のドライバーということで、(今年JRPの)会長になった僕が動いたんじゃないか、といったことが憶測で言われているのですが、実は僕、最近ネットで知ったんです(笑)」と切り込んだ。


「『えぇー! 本当に?』って。なので、先ほど上野社長の方には『困るよ。その報告がなかったら、僕が恥かくじゃないか』という話をさせていただいたのですけども(笑)。それくらい、急なことだったようです」


 近藤会長(監督)としては、今回の高星の事例を機に、ニッサン所属のドライバーにスーパーフォーミュラへの“門戸”が開かれることを願っているようで、「(高星は)いまニッサンの中ではエースクラスのドライバーです。トヨタさん、ホンダさんもドライバーはいますが、これを機に、ニッサンのドライバーにもいろいろなチャンスを与えていただきたいな、と思います」と語っている。


 当の高星は、スーパーフォーミュラはどんな存在かという記者の質問に対し、「やはり昔から言われているように、ドライバーを速くするのはフォーミュラだという認識を持っています」とコメント。さらにスーパーフォーミュラのレース出場について聞かれると、「乗れるチャンスがあればいつでも乗りたいというのが僕の気持ちです」としつつ、「ただ僕がレギュラーで戦っているのはスーパーGTなので、まずはスーパーGTで結果を残すことを考えていきたい」と締めた。


 テストは9月11日(月)〜12日(火)、そして11月21日(火)にいずれもモビリティリゾートもてぎで行われる。高星は「選んでもらったからにはいままでやってきたことを崩してはいけないという思いもありますし、スーパーフォーミュラが歩む未来に向けて、少しでも貢献できるように努めていきたい」と心境を語った。


 上野社長によれば、新型車両SF23導入に向け2022年シーズンから行ってきた開発テストは今季開幕後はいったんストップしていたというが、「たとえばタイヤを例にすると、タイヤの中のカーボンニュートラル素材の比率を上げていくような」テストをこの3日間で行うという。

第7戦のサタデーミーティングに登壇したJRP近藤会長、開発ドライバーの塚越広大と高星明誠、JRP上野社長

AUTOSPORT web

「開発」をもっと詳しく

「開発」のニュース

「開発」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ