メルセデスF1、マクラーレンへのPU供給によりワークス活動撤退の見方も。グループ新CEOはEV推進派
前戦ロシアGPの週末、メルセデスとマクラーレンが2021年からのパワーユニット供給に関する契約を結んだことが発表された。その結果、カスタマーチームを失ったルノーが2020年いっぱいでF1から撤退するのではという観測が流れた。一方で今回の提携は、「メルセデスがワークス活動から手を引く布石なのではないか」という見方も出ている。
1995年から2014年までの20年間、メルセデスとマクラーレンはパートナー契約を結んでいた。その強固な関係が、2021年から少なくとも2024年まで復活することになる。この発表で注目されるのが、メルセデスF1の再来年以降のワークス活動の行方だ。「もちろん活動は、継続したいと考えている」と語るメルセデスF1のトト・ウォルフ代表だが、その口ぶりは決して歯切れのいいものではない。
「最終決断を下すのは、あくまで本社経営陣だからね。彼らがF1活動をどう発展させて行こうと考えているのか。多くのスポンサーとの交渉も、現在進行中だ。それらのカードがすべてテーブルの上に出てきた段階で、方針が決まることになる」
メルセデスF1が来年いっぱいでワークス活動を取りやめる可能性は、現実的には低い。とはいえダイムラーグループCEOに新しく就任したスウェーデン出身のオレ・カレニウスは、市販車ラインナップのEV化推進の観点からも、フォーミュラE重視の姿勢を打ち出している。
一方でモータースポーツの頂点であるF1から一気に撤退してしまうことは、メルセデスのイメージを損ないかねない。その意味でもマクラーレンへのカスタマー供給によってF1活動を継続することは、悪くないアイデアといえる。
マクラーレンは去年からチーム代表に就任したアンドレアス・ザイドルの手腕で、今季は一気に戦闘力を増した。ルノーからメルセデスへとパワーユニット供給先が変わることで、本格復活にさらに弾みが付くことは間違いなさそうだ。
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