【アジア最前線:韓国 #12】岐路に立つ“韓国の至宝”
サッカーキング2021年10月4日(月)14時36分
新天地で活躍も招集はならず
新天地で再起を図る“韓国の至宝”がA代表から長らく遠ざかっている。
9月27日、FIFAワールドカップ カタール2022・アジア最終予選を戦う韓国代表のメンバー27名が発表された。欧州組からはFWソン・フンミン(トッテナム)やFWファン・ウィジョ(ボルドー)、FWファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン)ら6名が選ばれたなかで、MFイ・ガンイン(マジョルカ)は選考から漏れた。
イ・ガンインは今夏、ユース時代から10年間在籍したバレンシアと契約を解除し、日本代表MF久保建英が所属するマジョルカに加入した。初先発のレアル・マドリード戦では鮮烈なデビューゴールを決め、翌節のオサスナ戦ではゴールやアシストこそなかったものの、強烈なシュートや決定機演出など存在感を示した。それでも、韓国代表率いるパウロ・ベント監督はイ・ガンインをメンバーに含めなかった。
最後のA代表招集は3月25日に行われた日本代表との国際親善試合であり、6月の2次予選、9月の最終予選でも選外だった。イ・ガンインは実に半年もの間、A代表でプレーするどころか招集すら受けていない。
直近のリーグ戦で活躍を見せていただけに、イ・ガンインの代表落選は国内サッカーファンの間で大きな話題となった。メンバー発表と同日に行われた記者会見でも、取材陣から「活躍を続けているイ・ガンインを選ばなかった理由は?」という質問がベント監督に飛んだ。
「最近の2試合で活躍をしたのは事実」と、ベント監督もその好調ぶりは認めている。それでも選外とした理由については、「我々が招集したほかの選手もいいパフォーマンスを見せている。それに、複数のポジションでプレーできる選手もいる」と説明した。
ベント監督が強調したのは“マルチロール”だ。実際、イ・ガンインが最も活躍できるポジションはトップ下かセカンドトップに限られている。MFイ・ジェソン(マインツ)やMFクォン・チャンフン(水原三星ブルーウィングス)、MFイ・ドンギョン(蔚山現代)など、中盤で複数のポジションをこなせる選手と比べると、イ・ガンインはまだ期待するレベルに及んでいないというのがベント監督の評価なのだ。
代表復帰に向けて克服すべき課題
イ・ガンインが代表で最も輝いたのは、2年前のFIFA Uー20ワールドカップ ポーランド2019だった。当時18歳にしてUー20韓国代表の背番号10を背負ったイ・ガンインは、全7試合に出場して2ゴール4アシストを記録。チームを準優勝に導くとともに、自身もゴールデンボール賞(大会MVP)を受賞した。
当時はイ・ガンインを中心としたチームが作られたからこそ、伸び伸びとプレーすることができた。ただ、A代表ともなればそうはいかず、チームプレーに徹することも必要となる。
今夏に行われた東京オリンピックでも、イ・ガンインはUー24韓国代表で不動の主力とまではならなかった。全4試合のうち先発出場を果たしたのはグループ初戦のみで、以降はすべてベンチスタート。チームを率いたキム・ハクボム監督は、イ・ガンインに「ボールタッチの回数をなるべく減らし、速いテンポでビルドアップをしなければならない」とアドバイスしたという。
代表での存在感が希薄なイ・ガンインにFWイ・スンウ(シント・トロイデン)を重ねる声も多い。バルセロナ下部組織出身で“韓国のメッシ”と将来を期待されたイ・スンウも、A代表出場は2年以上前の2019年6月が最後。それどころか今季はいまだシント・トロイデンで公式戦出場がなく、韓国でも“忘れられた選手”となりつつある。
A代表に返り咲くためにイ・ガンインが乗り越えるべき壁は高い。まずはマジョルカで自身に課せられた課題を克服し、主力に定着することができてこそ、代表復帰のチャンスも与えられるはずだ。
文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)
新天地で再起を図る“韓国の至宝”がA代表から長らく遠ざかっている。
9月27日、FIFAワールドカップ カタール2022・アジア最終予選を戦う韓国代表のメンバー27名が発表された。欧州組からはFWソン・フンミン(トッテナム)やFWファン・ウィジョ(ボルドー)、FWファン・ヒチャン(ウルヴァーハンプトン)ら6名が選ばれたなかで、MFイ・ガンイン(マジョルカ)は選考から漏れた。
イ・ガンインは今夏、ユース時代から10年間在籍したバレンシアと契約を解除し、日本代表MF久保建英が所属するマジョルカに加入した。初先発のレアル・マドリード戦では鮮烈なデビューゴールを決め、翌節のオサスナ戦ではゴールやアシストこそなかったものの、強烈なシュートや決定機演出など存在感を示した。それでも、韓国代表率いるパウロ・ベント監督はイ・ガンインをメンバーに含めなかった。
最後のA代表招集は3月25日に行われた日本代表との国際親善試合であり、6月の2次予選、9月の最終予選でも選外だった。イ・ガンインは実に半年もの間、A代表でプレーするどころか招集すら受けていない。
直近のリーグ戦で活躍を見せていただけに、イ・ガンインの代表落選は国内サッカーファンの間で大きな話題となった。メンバー発表と同日に行われた記者会見でも、取材陣から「活躍を続けているイ・ガンインを選ばなかった理由は?」という質問がベント監督に飛んだ。
「最近の2試合で活躍をしたのは事実」と、ベント監督もその好調ぶりは認めている。それでも選外とした理由については、「我々が招集したほかの選手もいいパフォーマンスを見せている。それに、複数のポジションでプレーできる選手もいる」と説明した。
ベント監督が強調したのは“マルチロール”だ。実際、イ・ガンインが最も活躍できるポジションはトップ下かセカンドトップに限られている。MFイ・ジェソン(マインツ)やMFクォン・チャンフン(水原三星ブルーウィングス)、MFイ・ドンギョン(蔚山現代)など、中盤で複数のポジションをこなせる選手と比べると、イ・ガンインはまだ期待するレベルに及んでいないというのがベント監督の評価なのだ。
代表復帰に向けて克服すべき課題
イ・ガンインが代表で最も輝いたのは、2年前のFIFA Uー20ワールドカップ ポーランド2019だった。当時18歳にしてUー20韓国代表の背番号10を背負ったイ・ガンインは、全7試合に出場して2ゴール4アシストを記録。チームを準優勝に導くとともに、自身もゴールデンボール賞(大会MVP)を受賞した。
当時はイ・ガンインを中心としたチームが作られたからこそ、伸び伸びとプレーすることができた。ただ、A代表ともなればそうはいかず、チームプレーに徹することも必要となる。
今夏に行われた東京オリンピックでも、イ・ガンインはUー24韓国代表で不動の主力とまではならなかった。全4試合のうち先発出場を果たしたのはグループ初戦のみで、以降はすべてベンチスタート。チームを率いたキム・ハクボム監督は、イ・ガンインに「ボールタッチの回数をなるべく減らし、速いテンポでビルドアップをしなければならない」とアドバイスしたという。
代表での存在感が希薄なイ・ガンインにFWイ・スンウ(シント・トロイデン)を重ねる声も多い。バルセロナ下部組織出身で“韓国のメッシ”と将来を期待されたイ・スンウも、A代表出場は2年以上前の2019年6月が最後。それどころか今季はいまだシント・トロイデンで公式戦出場がなく、韓国でも“忘れられた選手”となりつつある。
A代表に返り咲くためにイ・ガンインが乗り越えるべき壁は高い。まずはマジョルカで自身に課せられた課題を克服し、主力に定着することができてこそ、代表復帰のチャンスも与えられるはずだ。
文=姜 亨起(ピッチコミュニケーションズ)
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