F1日本GP鈴鹿決勝:ボッタスが今季3勝目、メルセデスはコンストラクターズタイトル6連覇を達成。レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは無念
10月13日午後2時10分、日本GP決勝が行なわれ、メルセデスのバルテリ・ボッタスが優勝を飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはリタイア、アレクサンダー・アルボンは4位入賞を果たしている。
朝から引き続き好天に恵まれ、気温は22度、路面温度は36度。予選から僅か3時間後のスタートだが、Q1でクラッシュした2台は決勝出走が認められたもののロバート・クビサ(ウイリアムズ)はモノコック交換によりピットレーンスタートとなり、ケビン・マグヌッセン(ハース)は最後尾グリッドスタートとなった。スタートタイヤはソフトが中心で、アルファロメオ勢以外ではグリッド後方のダニエル・リカルド(ルノー)、マグヌッセン、ウイリアムズ勢だけがミディアムタイヤをチョイスした。
スタートの瞬間にポールのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が先に発進してしまい、ブレーキングしている間に好発進を決めたのは2列目のボッタスで、すぐさまフロントロウのフェラーリ勢を抜いてトップへ。フェルスタッペンもそれに続きシャルル・ルクレール(フェラーリ)のアウト側に並びかけるが、ターン2で接触され押し出される。
ルクレールはフロントウイング左側の翼端板を壊すが、火花を散らしながら3番手でそのまま走り続ける。ピットからピットインの指示が出るが2周目にはバックストレートでデブリをまき散らし、パーツがなくなったことでそのまま走行を続ける。後方を走るハミルトンはその影響でミラーを失い、どうしてピットインを促す警告を出さないのかと訴える。
ルクレールは3周目にピットインしノーズ交換を行ない最後尾へ。左側のバージボードやミラーも失われてしまっている。4周目のシケインではインを突いてきたアルボンと接触したランド・ノリス(マクラーレン)がピットインし最後尾に下がる。
上位勢は首位ボッタス、2番手ベッテル、3番手ハミルトン、4番手にサインツ、スタートで7番手まで落ちたアルボンはシケインでノリスを抜いて5番手に。6番手ガスリー、7番手ストロール、8番手ヒュルケンベルグ、9番手ペレス、10番手リカルドという順位になった。
フェルスタッペンはタイヤにフラットスポットができてペースが振るわず、新品のミディアムタイヤに履き替えたルクレールが9周目のメインストレートで追い付いて易々とかわしていく。続いて11周目のスプーンでルクレールはクビアトもパスして15番手へ。13周目の130Rではライコネンを抜いて14番手、14周目のスプーンではグロージャンを抜いて13番手と次々とポジションを挽回していく。
マシンにダメージがありこれ以上続けても仕方がないと判断したフェルスタッペンは14周目にピットに戻りリタイアを選択した。
15周目にアルビンがピットインしてミディアムに履き替えると、翌16周目にはベッテルがピットイン。こちらはソフトに履き替え、2ストップ作戦が確定。17周目には首位ボッタスがピットインしてミディアムに履き替える。これで首位に浮上したハミルトンはスティントを引き延ばしボッタスとは異なる戦略を選択した。
18周目にはピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)とランス・ストロール(レーシングポイント)がピットインして翌周アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、19周目にはニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)とセルジオ・ペレス(レーシングポイント)がピットインし中団グループが一気に動く。
これによる順位の変動はなく、この間にアルボンは5番手に復帰する。4番手カルロス・サインツJr.(マクラーレン)は第1スティントを引っ張り、この間にアルボンは差はピットインしていないサインツとの差を10秒以下にまで縮めてきた。想定以上にタイヤのデグラデーションが大きく、アルファロメオ勢やハース勢はハードタイヤに履き替えて逆転を狙う。
首位ハミルトンは21周目にピットインし、ベッテルの10秒後方へ。しかしボッタスより4周、ベッテルより5周フレッシュなタイヤを履いて第2スティントを戦うこととなった。
ルクレールは25周目に2度目のピットインをしてソフトに履き替えるが、1周目の接触についてレース後に審議となることが決まっており、裁定によってはタイム加算が科される可能性がある。12番手でコースに復帰し、すぐさまクビアトを抜いて11番手に上がった。スタートから引っ張り続けたクビアトは28周目にようやくピットインを行ない17番手までポジションを落とす。
サインツは26周目まで引っ張ってピットインしミディアムに。2ストップ作戦に切り替えるマシンが多くなる中、サインツは1ストップ作戦に出た。リカルドが30周目にピットインし、これでようやく全車がピットインを終えた。首位ボッタス、2番手ベッテルは10秒後方、3番手ハミルトンは15秒、4番手アルボンは42秒後方、5番手サインツはそこから24秒差だがピットストップ1回分のマージンを持っている。その5秒後方の6番手にガスリー、2秒後方にストロール、ヒュルケンベルグ、ルクレール、ペレスと僅差で続く。
ベッテルは31周目にピットインしハミルトンの20秒後方へ。35周目にはアルボンが2回目のピットインでソフトに履き替える。その後方ではルクレールがガスリーに追い付いてスプーンの入口でオーバーテイクし6番手に上がった。首位ボッタスは36周目にピットインしてソフトに履き替え、ベッテルの10秒前でコースに復帰する。
この2台よりも1回目のピットストップを遅らせたハミルトンは41周目まで引っ張ってピットイン。これでボッタスが首位に立ち、首位ボッタスは2番手ベッテルに10秒、3番手はミルトンに15秒のギャップを築き独走態勢となった。ハミルトンはベッテルの5秒後方に戻るが、ベッテルよりも11周もフレッシュなタイヤでプッシュ。ベッテルより1秒以上速い1分31秒538のファステストラップを記録して猛追していく。45周目にはさらに1分30秒983でファステストを塗り替えベッテルの背後へ。
2台のペース差は明らかなもののベッテルは必死に防戦し、ストレートが速いフェラーリをなかなか抜ききることができない。結局最後まで0.410秒差を逆転することができず、ベッテルは2位、ハミルトンは3位でフィニッシュ。ボッタスが盤石のレース運びで第4戦アゼルバイジャンGP以来の優勝を飾った。
これでメルセデスAMGは2019年のコンストラクターズタイトル獲得を決め、2014年から6連覇という偉業を達成した。
後方ではペレスも42周目にピットイン。タイヤがフレッシュなリカルドはチームメイトのヒュルケンベルグに譲られ、ガスリーの後方に迫る。リカルドは難なくガスリーを抜いて7位に浮上。ルクレールは46周目に都合3回目のピットインを行ないサインツの32秒後方、ガスリーの3.5秒前方へ。ガスリーは背後に迫るヒュルケンベルグを必死に押さえて走り、最終ラップのターン2でガスリーと絡んだペレスがコースオフしてクラッシュ。これで4位アルボン、5位サインツ、6位ルクレール、7位リカルド、8位ガスリー、9位ヒュルケンベルグ、10位ストロールという結果になった。
しかしレースコントロールのメッセージ上は52周目終了時点でチェッカードフラッグの表示が出ており、1周遡って52周目でレース終了となり、8位ガスリー、9位ペレス、10位ヒュルケンベルグという最終結果となった。
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