初王者のクアルタラロ「数年前には予想もしなかった。今は夢の中にいるような気分」/2021MotoGPチャンピオン会見
10月24日、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催された2021年MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP MotoGPクラスの決勝でファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が自身初のチャンピオンに輝いた。
2015年にロードレース世界選手権のデビューを果たし、2015年と2016年はMoto3クラス、2017年と2018年はMoto2クラスで過ごしたクアルタラロ。2019年からは最高峰のMotoGPクラスに昇格して、2年間はヤマハのサテライトチームであるペトロナス・ヤマハSRTで経験を積み、今季はファクトリーチームであるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPに加入した。
そして、第15戦アメリカズGP終了時点で5度のポールポジション、5勝を含む10度の表彰台を獲得してライダーズチャンピオンシップを引っ張る存在になった。
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第16戦エミリア・ロマーニャGPでは、ランキング2番手のフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップを走行中に転倒を喫し、クアルタラロが4位に入ったことでポイント差が65に広がりタイトル獲得が決定した。
クアルタラロがタイトルを獲得するのは、全3クラスを通じて初で、フランス人ライダーとしては史上初の王者となる。また、ヤマハのライダーがチャンピオンになるのは2015年のホルヘ・ロレンソ以来だ。
クアルタラロはレース後に「正直なところ、今日達成したことがまだ信じられない……。とても気持ちがいいよ。簡単なレースではなかった」とコメントした。
「最初の周回でミラーが転倒したのを見たが、マルクだと思った。それからテレビ(映像)を見ると、マルクがペッコ(バニャイア)と戦っているのが見えたんだ。その後、別の赤いバイク(バニャイア)がクラッシュするのを見た」
「その瞬間、僕はハッピーではなかった。ただ、『オッケー、ペッコが転倒したな』と思っていたので、彼が無事でよかったよ。表彰台を目指していたが、その頃にはフロントタイヤの状態が悪くなっていて、最終的には間に合わなかった」
「でも、僕は気にしない。僕は今日、世界チャンピオンになったんだ。最後尾で終わっていても結果は同じだっただろう。言葉が出ない。ただ、この瞬間をチームと一緒に楽しみたいと思う」
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また、決勝トップ3会見の後にチャンピオン会見も開かれ「たくさん泣いて、たくさん叫んだんだから、数時間後にはもう普段の声ではなくなっていたよ。素晴らしい気分だ」と語った。
「フィニッシュラインを越えたとき、これまでの厳しい状況を思い出した。MotoGPで世界チャンピオンになったことは、ほんの数年前に悪い状況にあったときには予想もしなかったことだね。だから、今は夢の中にいるような気分で、自分に何が起こっているのかわからないんだ!」
「もちろん、MotoGPでは11位以下でスタートしたことはなく、自分のキャリアの中で最も重要なレースのひとつを15位からスタートしたのだから、余計な神経を使った。安全なものを使い、例えば安全なタイヤを選択したが、僕たちにとってはハードのほうが良かったし、ハードであれば表彰台を狙えたと思う」
「集団の中にいるときは安定性がなく、オーバーテイクできなかった。でも、自分のレースにはとても満足しているし、たとえチャンピオンシップを獲得できなかったとしても、4位でフィニッシュできたことは素晴らしいことだ。レースにはとても満足しているし、もちろん、チャンピオンシップでは特別なものになる」
「決勝レースの直前、オフィスでトムと一緒にいて、緊張してストレスを感じていたら、トムが『去年のラスト3レースのことを考えてみろ』と言ったんだ。彼らは大失敗だったので、順位がどうであれ、チャンピオンシップを終えたいと思っていた。そして今日、僕は世界チャンピオンになるためのレースを始めたんだ」
「昨年起きたすべての出来事が、今日のタイトル獲得に大きく役立ったと思う。このような厳しい時期に僕を支えてくれた人々に感謝しているし、MotoGPでのこの数年間で多くのことを学んだが、このような結果をもっと出すためには、まだ多くのことを学ばなければならないよ」
「正直に言うと、昨年はファクトリーバイクを確保するために戦ったが、新型コロナやその他のことを考えると、2019年のバイクの方が良かった。でも、2021年のバイクでは、より良いフィーリングを得ることができたし、フロントのフィーリングが、今年の勝利につながったのだと思っている」
「パワーが課題で、取り組むべきことであるのはわかっているが、追い越しのためのブレーキングでのフィーリングは、今回のレースではなく全体的に、2019年や2020年よりもずっと高くなっている」
「ヤマハは多くの仕事をしてきたし、パワーが重要なことはわかっているので、来年に向けてまだまだ改善しなければならないが、今はマシンのフィーリングが良く、楽しく走れているよ。また、今日もフロントに悩まされたが、それでも楽しんで走ることができたし、それが今日の最も重要なことだった」
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