SCB第10戦はシボレーの新鋭サラスがポール・トゥ・ウイン、トヨタの“最速男”カミーロも勝利
2021年のSCBストックカー・ブラジル“プロ・シリーズ”第10戦がヴェロチッタで争われ、予選ではシボレーの新鋭ギリェルメ・サラス(KTFスポーツ/シボレー・クルーズ)がキャリア2度目のポールポジションを獲得。勢いそのまま日曜のレース1でポール・トゥ・ウインを飾るとともに、続くレース2でも7位とファステストラップを獲得し、週末最多得点者の活躍を演じた。一方のTOYOTA GAZOO Racingブラジル(TGRブラジル)勢では、年間最多ポールポジション獲得記録も持つ“最速男”ことチアゴ・カミーロ(イピランガ・レーシング/トヨタ・カローラ)が、レース2を制して今季3勝目を手にしている。
9月中旬のダブル・ラウンドで選手権首位交代劇が起きたSCBも、残すは終盤3戦。10月23〜24日の週末に、サンパウロ内陸部に位置するアウトドローモ・ヴェロチッタでのイベントを迎えた。
その公式練習から主導権を握ったのはシボレー・クルーズ勢で、公式練習ではディエゴ・ヌネス(ブラウ・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)が最速タイムを記録。続く予選ではデビューイヤーで苦戦を強いられて来たフェリペ・マッサ(ルブラックス・ポディウム/シボレー・クルーズ)もQ2進出で7番手を獲得し、トップ6シュートアウトではリカルド・ゾンタ(RCMモータースポーツ/トヨタ・カローラ)やセザール・ラモス(イピランンガ・レーシング/トヨタ・カローラ)らTGR勢を抑え、若手有望株のサラスが2016年のペアリング戦“ダブル・レース”以来となる自身2度目の最前列を確保した。
「今日のアタックは、僕のキャリアで最高のラップになったと思う」と喜びを語ったポールシッターのサラス。
「前戦のゴイアニアでは2番手スタートながら、直後のアクシデントに巻き込まれて最後尾に落ちる屈辱を味わった。この予選結果とポール獲得は魂を洗うような感覚だし、僕がこの選手権に相応しいドライバーだと証明できた」
明けた日曜のレース1スタートでもその優位を保ったサラスは、フロントロウに並んだゾンタから再三のプレッシャーを受け続けるも、そのドライビングは破綻することなく義務ピットも消化。19周を走破して2位との差わずか1.444秒、3位に続いたラモスに対しても2.979秒という僅差のマージンを守り切り、ライト・トゥ・フラッグでの初優勝を手にした。
■残り2戦でランキング1位、2位の差はわずか10ポイント
一方、このヒートで10位に入った選手権リーダー、ガブリエル・カサグランデ(A.マッテイス-フォーゲル/シボレー・クルーズ)がリバースポールからの発進となったレース2は、前ヒート以上の接近戦が展開され、ファーストスティントから5番手スタートのアラム・コデア(ブラウ・モータースポーツ/シボレー・クルーズ)やカサグランデらが入れ替わり立ち替わりでラップリーダーを奪う展開に。
すると義務ピットを経て18周レースの13周目に首位浮上を果たしたトヨタのカミーロが、隊列を率いて主導権を握ると、その背後1.476秒差にカサグランデ、1.842秒差にコデアの順でチェッカー。以降2.334秒差の4番手にシリーズ3連覇のダニエル・セラ(ユーロファーマRC/シボレー・クルーズ)、同2.859秒差の5番手にデニス・ナバーロ(カバレイロ・スポーツ/シボレー・クルーズ)が続く超近接戦を制したカミーロが、キャリア通算35勝目を獲得する結果となった。
そして、このヒートでも7位フィニッシュで最速ラップを記録した27歳のサラスには、週末に獲得可能な56点のうち46点を加算したことで“Claro 5g Man of the Raceトロフィー”が贈られた。
「ゴイアニアの不運から立ち直る素晴らしい週末になったし、チャンピオンシップにとって大きな助けになる結果だ。昨日得たポールポジション、今日の勝利、そしてステージでの最高得点者……それは本当にセンセーショナルだね!」とサラス。
一方、週末の2ヒートで10位/2位と連続入賞を果たし、309点までポイントを伸ばした選手権首位カサグランデも、自身初タイトルに向け「正しい道を進んでいる」と自信をのぞかせた。
「間違いなく僕らは目標にどんどん近づいている。ランキング2位のダニエル(・セラ/296点)はシリーズ3連覇の実績があり、タイトル獲得へのレシピを熟知している。厳しく複雑な戦いになるだろうけど、全力を尽くしてくれているチームのみんなに報いたい。最後までこのリードを保っていくつもりだ」
続く2021年のSCB“プロ・シリーズ”第11戦は、11月20〜21日にサンタクルス・ド・ソルで争われ、12月の最終戦ブラジリア、ジャカレパグアのアウトドローモ・ネルソン・ピケでタイトルが決することとなる。
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