道上龍、WTCC初表彰台に喜び「一年間戦ってきて、こうして結果が出て良かった」
WTCC世界ツーリングカー選手権は11月18日、マカオグランプリのギアレースとしてオープニングレースが行われ、3番手グリッドからスタートした道上龍(ホンダ・シビックWTCC)はテッド・ビョーク(ボルボS60 WTCC)からのプレッシャーをしのぎ3位フィニッシュ。日本人初となるWTCCの表彰台を獲得した。
昨年のツインリンクもてぎ戦でスポット参戦し、今季からWTCCにフル参戦している道上は、序盤戦こそWTCC特有の戦いに苦戦を強いられてきた。しかし、アルゼンチンラウンド以降調子を上げ、地元もてぎ戦では予選最高位グリッドを獲得するなど、トップクラスで戦う手ごたえを得ていた。
迎えたマカオは、自身がF3で戦ってきて以来22年ぶりの舞台。しかし予選でもトップグループとは差があるものの、絶えずトップ10圏内をキープし、予選7番手を獲得。リバースグリッドとなるオープニングレースでは、ネストール・ジロラミ(ボルボS60 WTCC)がグリッド降格となったことで、3番手グリッドからスタートすることになった。
ただ、このグリッドがひとつ上がったことは、道上にとって不安なものだったという。「これまでのWTCCでのレースや車載動画を観ると、アウトサイドはグリップが少ないんですよね。4番手の方が良かった(笑)」と道上は言う。
迎えたスタートでは、予想どおり「出足は良かったんですが、途中でホイールスピンしてしまって」とインサイドにいたケビン・グリーソン(ラーダ・ベスタWTCC)に並ばれてしまう。しかし、抜きどころとなるリスボア・ベンドで道上は3番手を死守。これが功を奏した。
その後、道上の前にはトム・コロネル(シボレーRMLクルーズTC1)が、背後にはビョークが迫る。ビョークはチャンピオン争いをしており、チームからも「抜かせるな」と指示が飛んだ。幸い、道上のシビックは予選よりもダウンフォースを削っており、1コーナーからマンダリン・ベンド、リスボア・ベンドで車速が伸び、ビョークにスリップを使わせなかった。
必死にビョークをおさえ、前を行くコロネルを追ったが、「トムのクルマは軽いですし、なかなか詰めることができませんでした」とレースは膠着状態となる。しかし、7周目にレースはノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)のクラッシュが引き金となった多重クラッシュにより、赤旗終了に。道上の3位が決まった。
「初めての表彰台がマカオになるとは思いませんでしたね。でも、アルゼンチン以降調子を上げてこられたので、その成果が出たと思います」とレース後、ホンダやチーム関係者はもちろん、WTCCの運営チームからも祝福を受けた道上は語った。ちなみに、WTCCは道上の初表彰台を記念した動画も作成している。
「昔のWTCCはもっと台数も多かったですし、僕はホンダのワークスで走らせてもらっているから表彰台に乗れたのかもしれません。でも、僕自身も一年やって、最初は大丈夫かな……と思っていましたが、だんだん自信もついたので、こうして結果が出て良かったです」
明日のメインレースも、道上は7番手からスタートする。マカオは1周目にいいポジションにつけられれば、大きなジャンプアップも可能だ。今季好成績が多い市街地レースで、連続得点を狙いたいところだ。
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