王者・青森山田が挑む“2度目”の挑戦…選手権連覇へのカギは“一発勝負の怖さ”
サッカーキング2019年11月19日(火)22時15分
青森山田のキャプテンとして選手権連覇に挑む武田英寿 [写真]=野口岳彦
新チームのキャプテンに就任。プレミアリーグでは首位に立ち続け、インターハイにも出場した。さらに、個人としては浦和レッズ入団が内定し、トップチームの練習にも参加。加えてU-18日本代表にも選出された。多忙な毎日を送ってきたが、青森山田(青森)のキャプテン・武田英寿は「すごく光栄なことです。色々なことが起きているけど、自分は楽しんでやれています」と言い放つ。
第98回全国高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会が18日に都内で行われ、前回大会王者の青森山田の初戦の相手が米子北(鳥取)に決定した。同校史上2度目の全国制覇から約1年、抽選会に登場した武田は、「初戦からいいチームと対戦できるのは勢いに乗れるので、全部勝って優勝したい」と今大会への意気込みを語った。
2年生ながらレギュラーとして出場した前回大会は、檀崎竜孔(現・北海道コンサドーレ札幌)、三國ケネディエブス(現・アビスパ福岡)、バスケス・バイロン(現・いわきFC)らと全国制覇を達成。1学年上の先輩が引退してからは、主将を任され新チームを率いている。
今では「楽しんでいる」という武田だが、苦しんだ時期もあった。「レギュラーとして優勝を経験したのは自分だけだったので、先頭に立ってやろう」という意識から、責任を背負い過ぎてしまった。それでも、アンダーカテゴリーの日本代表でプレーしたことで、気持ちを切り替えることができたという。
「『キャプテンだから』と背負いすぎていた部分もあったと思う。この前代表に行ったときに楽な気持ちで良いプレーができました。また気持ちをリフレッシュしてやりたいなと思いました」
トーナメント特有の怖さを乗り越えて
出場全48校中、唯一挑戦権を持つ大会連覇に挑む今回、乗り越えなければならないのは、“一発勝負の怖さ”だ。
青森山田が初めて全国制覇を成し遂げたのは、2016年度の第95回大会だった。翌年、10番の郷家友太(現・ヴィッセル神戸)らを擁したチームは当然のごとく大会連覇を狙っていた。ところが、長崎総科大附(長崎)と対戦した3回戦、一瞬の隙から「世代ナンバー1」と称された長崎総科大附のFW安藤瑞季(現・セレッソ大阪)にドリブル突破からゴールを許した。これが決勝点となり敗退。連覇の夢は叶わなかった。
「安藤瑞季選手に決められたシーンは一発でターンされて、DFが寄せることができなかった。監督が徹底している球際の厳しさを出せなかったその“一瞬”だと思います」と、当時1年生だった武田は振り返った。
現在の青森山田もプレミアリーグでは強さを発揮し、Jユースや高体連のライバルたちを相手に首位をキープしているが、今夏のインターハイでは北越(新潟)にPK戦で敗れ、3回戦敗退を喫した。“負ければ終わり”のトーナメントは、長期のリーグ戦とは異なる難しさがある。全国屈指の名門として相手チームからマークされる青森山田は、ボールを保持する時間が長くなる分、相手チームは「“一瞬の隙”を突いてくる」。
「自分たちが主導権を握ってサッカーをした場合、ピンチは少なくなる。でも、相手は一瞬の隙を突いてくる。1本決められてしまって、自分たちが決められなかったら終わりなので、そういう怖さはあります」
それでも、「自分は緊張しないタイプで、大舞台ほど楽しんでやれる」武田は、最後に力強く連覇を宣言してくれた。
「2連覇が懸かっているので注目されると思います。挑戦できるのは自分たちだけなので、その立場を楽しんで優勝します」
連覇への初戦は2020年1月2日、米子北との強豪対決から幕が上がる。
取材・文=加藤聡
第98回全国高校サッカー選手権大会の組み合わせ抽選会が18日に都内で行われ、前回大会王者の青森山田の初戦の相手が米子北(鳥取)に決定した。同校史上2度目の全国制覇から約1年、抽選会に登場した武田は、「初戦からいいチームと対戦できるのは勢いに乗れるので、全部勝って優勝したい」と今大会への意気込みを語った。
2年生ながらレギュラーとして出場した前回大会は、檀崎竜孔(現・北海道コンサドーレ札幌)、三國ケネディエブス(現・アビスパ福岡)、バスケス・バイロン(現・いわきFC)らと全国制覇を達成。1学年上の先輩が引退してからは、主将を任され新チームを率いている。
今では「楽しんでいる」という武田だが、苦しんだ時期もあった。「レギュラーとして優勝を経験したのは自分だけだったので、先頭に立ってやろう」という意識から、責任を背負い過ぎてしまった。それでも、アンダーカテゴリーの日本代表でプレーしたことで、気持ちを切り替えることができたという。
「『キャプテンだから』と背負いすぎていた部分もあったと思う。この前代表に行ったときに楽な気持ちで良いプレーができました。また気持ちをリフレッシュしてやりたいなと思いました」
トーナメント特有の怖さを乗り越えて
出場全48校中、唯一挑戦権を持つ大会連覇に挑む今回、乗り越えなければならないのは、“一発勝負の怖さ”だ。
青森山田が初めて全国制覇を成し遂げたのは、2016年度の第95回大会だった。翌年、10番の郷家友太(現・ヴィッセル神戸)らを擁したチームは当然のごとく大会連覇を狙っていた。ところが、長崎総科大附(長崎)と対戦した3回戦、一瞬の隙から「世代ナンバー1」と称された長崎総科大附のFW安藤瑞季(現・セレッソ大阪)にドリブル突破からゴールを許した。これが決勝点となり敗退。連覇の夢は叶わなかった。
「安藤瑞季選手に決められたシーンは一発でターンされて、DFが寄せることができなかった。監督が徹底している球際の厳しさを出せなかったその“一瞬”だと思います」と、当時1年生だった武田は振り返った。
現在の青森山田もプレミアリーグでは強さを発揮し、Jユースや高体連のライバルたちを相手に首位をキープしているが、今夏のインターハイでは北越(新潟)にPK戦で敗れ、3回戦敗退を喫した。“負ければ終わり”のトーナメントは、長期のリーグ戦とは異なる難しさがある。全国屈指の名門として相手チームからマークされる青森山田は、ボールを保持する時間が長くなる分、相手チームは「“一瞬の隙”を突いてくる」。
「自分たちが主導権を握ってサッカーをした場合、ピンチは少なくなる。でも、相手は一瞬の隙を突いてくる。1本決められてしまって、自分たちが決められなかったら終わりなので、そういう怖さはあります」
それでも、「自分は緊張しないタイプで、大舞台ほど楽しんでやれる」武田は、最後に力強く連覇を宣言してくれた。
「2連覇が懸かっているので注目されると思います。挑戦できるのは自分たちだけなので、その立場を楽しんで優勝します」
連覇への初戦は2020年1月2日、米子北との強豪対決から幕が上がる。
取材・文=加藤聡
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