レッドブル・ホンダ密着:例年とは異なる雰囲気のミーティング。タイトル争うフェルスタッペンは特別ヘルメットを用意
2021年F1第22戦アブダビGP開幕前日の木曜日、午後4時。レッドブル・ホンダのスタッフが2台のマシンをガレージに並べ、広い空間ができたガレージ内に全員集合した。輪の中心にはスポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリーがいた。毎グランプリ、木曜日に行われるチーム全体ミーティング。この日のミーティングは、そのシーズン最後のミーティングとなるため、全員集合写真を撮影する前に、普段のエンジニアとメカニックだけではなく、広報、マーケティング、ケータリングなどのスタッフも参加しての全体ミーティングとなった。
ただし、今年の全体ミーティングは例年とは少し雰囲気が違って感じられた。それは、このアブダビGPがマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)がドライバーズ選手権で同点で迎えた最終戦となったからである。つまり、このミーティングはレッドブルにとっては2013年以来、8年ぶり。ホンダにとっては1991年以来、30年ぶりにチャンピオンシップを賭けて臨むなかで行われたミーティングとなった。
そこには珍しくクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)、そしてホンダの山本雅史マネージングディレクターや田辺豊治F1テクニカルディレクターもいた。
ホンダにとっても、このミーティングは特別な時間となった。なぜなら、2021年限りでF1参戦を終了するホンダにとっては、これがF1最後のミーティングでもあったからだ。それは、レッドブル・ホンダとしての最後のミーティングであることも意味していた。
自身初のタイトルがかかった1戦となったフェルスタッペンはミーティングの間、ピットウォールで父親のヨスら知人たちとしばらく話し込んでいた。そのフェルスタッペンはミーティングが終了し、ガレージ前にスタッフたちが整列すると、おもむろにヘルメットを携えてホンダのスタッフに見せていた。ホンダF1のラストレースを前に、フェルスタッペンは特別なヘルメットを用意した。それは自身最も気に入っているデザインでもある白を基調にしたヘルメットの後頭部に『ありがとうHONDA』と描かれたホンダへの感謝の意を表したヘルメットだった。
レッドブル・ホンダとして最後の1戦となった最終戦アブダビGP。結果がどうなろうとも、悔いのないレースを戦ってほしい。
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