コンコルド協定の策定を前に、フェラーリF1代表が財政状況を懸念「頻繁に変化が起きる状況で予測を立てるのは難しい」
F1はまだ次のコンコルド協定を策定していないが、2026年からのF1の軌道を形作る極めて重要な交渉を前に、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは、F1は過去の教訓に留意する必要があると促している。
F1、F1チーム、そしてFIAの間の商業関係を規定しているコンコルド協定は、1981年に初めて施行されて以来40年以上続くもので、9番目の協定が用意される予定だ。F1が世界的な拡大戦略に乗り出すなかで、次の協定は最も重要なものとなる。チーム間の資金配分を形作るだけでなく、拡大する市場でスポーツの魅力を維持する能力を決定づける可能性もあるだろう。構造のしっかりしたコンコルド協定があれば、投資家や潜在的な新規エントラントが求める安定性と予測可能性を提供し、F1が世界的成長への大志を抱くことができるようになる。
しかしながら新たなエントラントとグリッドの拡大という主題は、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムが強く推進しているもので、依然として議論の余地を残した政治的な問題となっている。FIAは11番目のチームをフィールドに追加することに熱心で、10月にアンドレッティ・キャデラックの申し込みを承認したが、F1チームの大多数はアンドレッティのエントリーに反対しており、新たにチームが加わることで分配金のパイが縮小して収益が減ることを懸念している。
一方でアンドレッティは、自チームの存在が実際には分配金全体のプールを拡大し、既存チームへの財政的影響を軽減できる可能性があると主張している。チームの利益を守るため、F1は新チームのすべてがF1に参入する際に支払わなければならない希薄化防止のための手数料2億ドル(約292億円)を課し、既存10チームに均等に分配することにしている。
しかしこの金額を6億ドル(約875億円)にまで引き上げようという動きがある。財務状況をさらに複雑にしているのは、チーム間の競争を公平にするために策定された予算制限の導入だ。この制限は2023年に世界的なインフレを考慮して調整されているが、バスールなどチーム代表の間では財政状況の変化について懸念が高まっている。彼らは頻繁に調整を行うことで、長期計画に不可欠な安定性と予測可能性を損なう可能性があることを危惧している。
「形式や組織、ルールは関係ない」とバスールは先月アブダビでメディアに語った。
「結局のところ、11チームあれば10チームの場合よりも露出が多くなる。ポジティブな状況にあってビジネスが上抜いている時は、誰もが前向きで楽観的だと思うが、この状態が永遠に続くことに確信は持てない。我々はしっかりと注意を払わなければならない」
「一方で、我々は会議をするごとに予算を引き上げる方向に動いている。(予算制限に)インフレを組み込み、インフレ指数を変更するなどといったことだ。我々は設備投資も増やしている」
「そして今では、収入をさらに薄めたいと考えている。このように変化が頻繁に起きるなかでビジネスを運営し、予測を立てることは簡単ではない。正直に言って、我々は過去から学んでいないが、これは大きな問題だ」
F1が極めて重要なコンコルド協定交渉に乗り出すなかで課題となるのは、既存チームの利益とグリッド拡大による潜在的な成長の見通し、そして予算制限による財政的制約のバランスを取ることだ。今後数年にわたってF1の継続的な成功を保証する契約を結ぶには、微妙なバランスが要求されるだろう。
ウイリアムズF1のチーム代表ジェイムズ・ボウルズも、グリッド拡大に反対しているひとりだ。ボウルズは、F1が財政的な持続可能性への道を歩むなかで、安定と長期計画を優先する慎重なアプローチを取ることがより賢明だろうと主張している。
「11番目のチームが入る余地がないわけではない。そうするためには財政的に安定していなければならないということだ」とボウルズは語った。
「状況を拡大していることは理解しているが、我々は本当に初めての財政的安定に向かっているところなのだ。その点に到達して、我々がどうなるのかを見てみよう」
「したがって実際に11番目のチームに反対しているわけではまったくない。コンコルドがそのことを反映すべきだと思う。成長できる地点で成長しようではないか。それが今日だという確信は持てない」
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