【高校選手権展望】<星稜>止まった時計の針を動かす一年 冬に完成形を示す
サッカーキング2017年12月28日(木)22時0分
2年ぶりに選手権へ帰ってくる星稜 [写真]=森田将義
「長くサッカーをやっていれば、そういうこともある。負ける試合ではなかったので、俺のゲームプランが悪かったのかなと思う」。名将・河﨑護監督がそう振り返るように昨年は、選手権予選の決勝で鵬学園に敗れ、1999年から連続していた星稜の選手権出場は17大会でストップ。今年は帰還と、2度目の日本一を目指す一年がスタートした。
しかし、一度止まった時計の針を再び動かすのは簡単ではない。「今年のチームは中盤の子が小さいので、ロングボールを蹴ってもなかなか難しい」(河﨑監督)ため、前線へのロングボールを合図に競り合ったこぼれ球を高い位置で回収し、2列目がゴール前に雪崩れ込む力強い星稜スタイルをうまく遂行できなかった。新チーム発足当初は、県外の強豪と対戦しても、白星が先行したため、足元へのボールを多用した今年ならではのスタイルへとモデルチェンジ。攻撃の要である10番のMF高岸憲伸(3年)や、「運動量があって、サッカーを知っている」と指揮官が評する158センチのMF麻生季人(2年)らを中心としたポゼッション主体の戦いで、6年連続となるインターハイ出場を掴んだ。
初戦で、四国学院大香川西と対戦した全国では苦しみながらも、後半終了間際に奪った高岸のゴールで勝利。続く、2回戦の静岡学園には1-3で敗れたが、「選手権を逃がしたから、インターハイはどこが来ても緊張するんだろうけど、1回戦は何とか勝たせたい」という指揮官の目論見通り、正念場である選手権に向けて、貴重な経験を積めたのは収穫だ。主将のDF敷田唯(3年)も、「全国のレベルを知れたのは収穫」と口にする。
いつもとは少し違う星稜らしさで、シーズンが進んできたが、変わらないカラーもある。河﨑監督が、「私自身の性格なんだろうね。11人で戦うことはまずない。昔の人ならではで、気が短い」と笑うように、様々な選手を起用することで生まれる競争力は健在で、今年もプリンスリーグ北信越だけでなく、インターハイ予選や選手権予選であっても、相手や選手の調子によって、スタメンが変わった。
インターハイ以降は、ひと夏を超えて急成長した下級生が出場機会を伸ばし、競争が激化。選手権予選では、適任者が見つからなかった敷田のパートナーに、「しっかり跳ね返せる選手」と指揮官が信頼を寄せるDF小平大輔(2年)が台頭したほか、ルーキーのMF菊池将平も、気の利いたプレーと要所での活躍を披露した。下級生の成長とともに戦い方も変化し、負ければ終わりのトーナメントを勝ち抜くため、競り合いやハードワークを武器にした星稜らしさを徹底。DF松井渉太(3年)らのロングスローも交えた力強い試合運びで、2年ぶりの選手権出場を掴んだ。
夏とは違った星稜らしさを見せたが、まだ完成形とは言えない。予選の準決勝を終えた後に、河﨑監督が「選手権予選に出られなかった3年生が、意地を見せてくれるはず」と口にしていたように、本番までに3年生が意地を見せ、競争が更に激化するだろう。戦いも、3年生のテクニックと下級生の高さやハードワークが相まって、多彩な戦いができるチームが理想だ。再び、選手権の舞台に舞い戻った星稜がどんな戦いを見せるのか、まずは初戦の戦いぶりに注目だ。
取材・文=森田将義
しかし、一度止まった時計の針を再び動かすのは簡単ではない。「今年のチームは中盤の子が小さいので、ロングボールを蹴ってもなかなか難しい」(河﨑監督)ため、前線へのロングボールを合図に競り合ったこぼれ球を高い位置で回収し、2列目がゴール前に雪崩れ込む力強い星稜スタイルをうまく遂行できなかった。新チーム発足当初は、県外の強豪と対戦しても、白星が先行したため、足元へのボールを多用した今年ならではのスタイルへとモデルチェンジ。攻撃の要である10番のMF高岸憲伸(3年)や、「運動量があって、サッカーを知っている」と指揮官が評する158センチのMF麻生季人(2年)らを中心としたポゼッション主体の戦いで、6年連続となるインターハイ出場を掴んだ。
初戦で、四国学院大香川西と対戦した全国では苦しみながらも、後半終了間際に奪った高岸のゴールで勝利。続く、2回戦の静岡学園には1-3で敗れたが、「選手権を逃がしたから、インターハイはどこが来ても緊張するんだろうけど、1回戦は何とか勝たせたい」という指揮官の目論見通り、正念場である選手権に向けて、貴重な経験を積めたのは収穫だ。主将のDF敷田唯(3年)も、「全国のレベルを知れたのは収穫」と口にする。
いつもとは少し違う星稜らしさで、シーズンが進んできたが、変わらないカラーもある。河﨑監督が、「私自身の性格なんだろうね。11人で戦うことはまずない。昔の人ならではで、気が短い」と笑うように、様々な選手を起用することで生まれる競争力は健在で、今年もプリンスリーグ北信越だけでなく、インターハイ予選や選手権予選であっても、相手や選手の調子によって、スタメンが変わった。
インターハイ以降は、ひと夏を超えて急成長した下級生が出場機会を伸ばし、競争が激化。選手権予選では、適任者が見つからなかった敷田のパートナーに、「しっかり跳ね返せる選手」と指揮官が信頼を寄せるDF小平大輔(2年)が台頭したほか、ルーキーのMF菊池将平も、気の利いたプレーと要所での活躍を披露した。下級生の成長とともに戦い方も変化し、負ければ終わりのトーナメントを勝ち抜くため、競り合いやハードワークを武器にした星稜らしさを徹底。DF松井渉太(3年)らのロングスローも交えた力強い試合運びで、2年ぶりの選手権出場を掴んだ。
夏とは違った星稜らしさを見せたが、まだ完成形とは言えない。予選の準決勝を終えた後に、河﨑監督が「選手権予選に出られなかった3年生が、意地を見せてくれるはず」と口にしていたように、本番までに3年生が意地を見せ、競争が更に激化するだろう。戦いも、3年生のテクニックと下級生の高さやハードワークが相まって、多彩な戦いができるチームが理想だ。再び、選手権の舞台に舞い戻った星稜がどんな戦いを見せるのか、まずは初戦の戦いぶりに注目だ。
取材・文=森田将義
(C) SOCCERKING All rights reserved.
「星稜」をもっと詳しく
「星稜」のニュース
-
星稜高校OB本田圭佑、石川地震で「気をつけて」アジア杯メンバー発表会見中に1月1日19時19分
-
追いついた星稜がPK戦制して3回戦進出! 四日市中央工は初戦敗退12月31日15時55分
-
悲願のJ1復帰へ…千葉、“主将”DF鈴木大輔との契約更新を発表「自分らしく闘います」11月23日17時51分
-
高川学園、両チーム合わせて6ゴール生まれた乱打戦を制す…MF林&FW中山がドブレーテ達成12月29日16時21分
-
【星稜】“昇格見送り”を機に絆を深めた3選手が、気持ちを一つに全国の舞台に挑む<第100回高校選手権>12月28日20時20分
-
千葉DF鈴木大輔が契約更新! 「チームとしてさらに進化した姿を…」12月18日15時26分
-
本田圭佑の新天地はアゼルバイジャンに! ネフチ・バクーが正式発表3月15日22時28分
-
作陽が2点ビハインドから追いつきPK戦へ…強豪星稜破り2回戦進出12月31日16時2分
-
浦和DF鈴木大輔が千葉へ完全移籍「2年間ありがとうございました」12月28日11時24分
-
星稜他を寄せつけない戦いぶりで予選を突破…アグレッシブなサッカーで上位を狙う【選手権出場校紹介】12月22日20時0分
スポーツニュースランキング
-
1球宴3度出場の元MLB戦士が大谷翔平に“疑念” 水原容疑者の違法賭博騒動にまさかの意見「突然、物語が変わった」 ココカラネクスト
-
2批判殺到!どこ投げてんだよ…! 大谷翔平、まさかの盗塁で“異変”が起きた…!? 相手捕手のリアクションがヤバすぎる 「古田さんも思わず苦笑」「さすがに無謀w」 ABEMA TIMES
-
3【DeNA】オースティンにアクシデント カメラマン席ダイブで必死のキャッチもしばらく立てず球場騒然、途中交代に スポーツ報知
-
4大の里が単独トップで千秋楽へ!史上最速Vに王手、琴櫻が痛恨黒星、4敗で4人が追う展開に【大相撲夏場所・14日目】 TBS NEWS DIG
-
5大谷翔平が“史上5人目の快挙”へ! 第1打席に左前打で4試合連続安打 打率「.350」維持なら歴史的記録を達成 ココカラネクスト