20代女性が孤独死しているという現実…イメージを覆す孤独死の実態
独居高齢者が誰にも知られず亡くなり、死後に発見されるといった「孤独死」を耳にする機会が増えています。確かに高齢者の孤独死は多いのですが、実は若い世代にも無関係ではありません。賃貸住居に住む人の孤独死を調査したデータは、意外な事実を示しています。
20代にも!? 孤独死の実態
孤独死というと、身寄りのない独居高齢者のイメージが強いのではないでしょうか。しかし、日本少額短期保険協会孤独死対策委員会の「第6回 孤独死現状レポート」を見ると、必ずしも高齢者に限らないことが示されています。
なお、同レポートでは「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った独り暮らしの人」を「孤独死」の定義とし、賃貸住居内における孤独死の実像を統計データで示しています。
孤独死の原因、2位は自殺
孤独死となった人の死亡原因で最も多いのは「病死」ですが、2番目に多い理由が「自殺」で、この調査期間における「自殺」による孤独死者は全体の10.9%となっています。
「令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況」(厚生労働省)では、国民の全死因における「自殺」の割合は1.4%であるのと比べると、孤独死に占める「自殺」の割合は高いと言えるでしょう。
孤独死の自殺は20代女性に多い
一般社団法人日本少額短期保険協会「第6回孤独死現状レポート」より
では、孤独死における自殺にはどのような特徴があるのでしょうか? 孤独死のイメージからは想像できない、意外な結果が見えてきました。
性別・年齢別にデータを比較すると、20代女性の自殺による孤独死者の数が多いことがわかったのです。その割合は39.2%と約4割を占めています。全自殺者数における20代の割合は1割強ほど。そのためレポートでは、20代の女性の自殺による孤独死が特に目立つのは、賃貸住居入所者に特有である可能性を指摘しています。
まとめ
孤独死というと、独居高齢者が病気などで1人で亡くなるイメージが強いですが、自殺を要因するものも少なくないことがわかりました。また、注目すべきは自殺による孤独死で最も多いのが20代女性という若い世代であること。「孤独である」ことが自殺の原因のひとつにもなっていることが考えられます。孤独死は高齢者だけの問題ではなく、若い世代の問題でもあることを、社会全体で考えていく必要があるようです。
子どもを持つ世代としても、子どもが自立した後のつながり方を、今から考えておくとよいかもしれません。
(マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
調査概要
■第6回孤独死現状レポート/一般社団法人日本少額短期保険協会調査地域:全国調査対象:少額短期保険会社の家財保険(孤独死特約付き)に加入している被保険者調査時期:2015年4月〜2021年3月までの孤独死のデータ収集したデータ:孤独死対策委員をはじめ、協力会社から提供された孤独死のデータ人数:5,543人
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