アサヒ飲料「三ツ矢」ブランド140周年 - 三ツ矢サイダーの誕生から今後の取り組みまで
マイナビニュース2024年3月12日(火)9時47分
アサヒ飲料は、同社が展開する「三ツ矢」ブランドが、本年2024年に生誕140周年を迎えるにあたり、「三ツ矢」ブランドのこれまでの歩みと、140周年施策として未来に向けてチャレンジし続ける「三ツ矢」ブランドの取り組みを歴史に関する説明会を開催した。
○生誕140周年「三ツ矢」ブランド
説明会では、アサヒ飲料 マーケティング本部 マーケティング一部 炭酸グループ グループリーダーの高橋徹氏が登壇。まずは、「三ツ矢」ブランドの歴史について紹介した。
「三ツ矢」ブランドの基幹となる「三ツ矢サイダー」は、1881年に、イギリス人化学者のウィリアム・ガウランドが、兵庫県の平野村(現在の川西市)に湧き出ている天然鉱泉水を発見したところから始まっている。そして、1884年に「平野水」として商品化されたのが始まりであり、最初は今で言う炭酸水であったという。その後、1907年に甘味と香りのついた「三ツ矢印平野シャンペンサイダー」が発売。この当時はカラメルを使って着色した炭酸飲料だったが、1968年に名称が「三ツ矢サイダー」となり、翌1969年から無色透明化され、日本でもっとも歴史がある、今に引き継がれる安心・安全な炭酸飲料となった。
1884年に「平野水」として発売されてから今年で140周年となるが、過去の周年では、2004年の120周年におけるV字回復が大きなトピックとして紹介された。「三ツ矢」ブランドの販売量は1997年のピーク時にはおよそ2,900万箱となっていたが、2003年には1,700万個と大幅な減少となっていた。当時はお茶系飲料や機能性飲料の攻勢が強く、炭酸飲料は縮小傾向。「三ツ矢」ブランドは危機的な状況に陥っていたという。炭酸飲料のダウントレンドという逆風で苦戦を余儀なくされた「三ツ矢」ブランドだが、120周年を翌年に控えた2003年、再起に向けて、社長をリーダーとする価値向上プロジェクトチームが結成された。
この際に行われたのが「ブランド価値の明確化」。120年の歴史に裏打ちされた、安心・安全・自然といった商品コンセプトをまず明確に打ち出し、水、炭酸、フレーバーなどの約束を明文化し、ひとつひとつを見直すことによって、商品の魅力を再構築したという。見た目自体は変わらずとも、商品は一新。この120周年に向けた施策がV字回復のきっかけとなり、4,000万箱級のブランドに至った現状の礎となっている。
今年2024年は、「三ツ矢」ブランドが140周年を迎えるだけでなく、同社が展開する「ウィルキンソン」も120周年を迎えるなど、看板ブランドがW周年を迎えるに当たり、「炭酸カテゴリの活性化を図るのが我々の目標」と高橋氏は力強く宣言する。
その中でも「三ツ矢」ブランドは、3つのテーマを掲げ、ブランド接点の最大化を図っていくとのことで、まず第一に、基幹である三ツ矢サイダー、すなわち「透明サイダーシリーズの活性化」、第二が「果汁系炭酸領域におけるポジション確率」、そして第三が、好調な特濃シリーズへの注力や三ツ矢サイダーWのリニューアルなど「プレミアム・健康」といった価値の訴求を薦めていくという。
同社は「環境」「健康」「地域共創」といった3つのマテリアリティを掲げて取り組んでいるが、「三ツ矢」ブランドにおいてもより一層の強化を図り、特に「環境」を軸として、よりサステナブルなブランドとなる商品リニューアルを実施。また、「健康」に関しても、新たなコンセプトの新商品、新たな機能性表示食品の発売にも積極的に取り組んでいく姿勢を示した。
三ツ矢サイダーシリーズの「三ツ矢サイダー」「三ツ矢サイダーW」「三ツ矢サイダーZERO」に関しては容器リニューアルを実施。500mlペットの容器サイズを見直し、通常サイズよりも高さを6.5mmほど低くすることによって、店頭での視認性を落とすことなく、パレット当たりの積付け効率を改善し、環境負荷の軽減が図られる。
○復活総選挙で人気の商品も復刻
また、140周年記念商品として、これまで「三ツ矢」ブランドが培ってきた価値にフォーカスした新商品を年間を通して展開。第1弾として1月に発売された、甘さにこだわった「三ツ矢PREMIUM SWEET」を皮切りに、4商品の発売が予定されている。そして、先日行われた「三ツ矢復活総選挙」において、もっとも高い票数を獲得した「三ツ矢サイダーシルバー」の復刻発売もそのひとつになるという。
「三ツ矢サイダーシルバー」は、1970年に発売された商品で、総選挙においては、「子どもの頃飲んでいたので懐かしい」「当時ごちそうだった『三ツ矢サイダーシルバー』をぜひ復活させてほしい」といった、当時を知っている人による当時を懐かしむ声に加え、「生まれる前なので飲んでみたい」といった当時を知らない今の若い世代の声も聞かれるなど、「幅広い世代から評価されたのが今回の結果に繋がったのでは」との見解を示した。
そのほかにも、長年の果汁炭酸研究の知見を活かし、果実本来の味が楽しめる新商品を展開。3月には、レモンという炭酸のパワーフレーバーに「三ツ矢」が正面から向き合った「MITSUYA檸檬CIDER140」、そして4月には、昔から喫茶店などで馴染のあるメロンソーダを「三ツ矢」らしいしっかりとした品質にこだわった「三ツ矢こだわりぎゅっとメロンソーダ」がそれぞれ発売される。
○3月28日「三ツ矢の日」に向けたイベントも開催
そして、140周年のプロモーション施策として、「一緒なら、もっと楽しい」をキーコンセプトに広告コミュニケーションを刷新。ブランドキャラクターとして、いきものがかりと横浜流星を起用し、日本中の“心はじける瞬間”を増やしていく、ユーザー参加型のキャンペーンが展開される。
さらに、「三ツ矢サイダー」の品質へのこだわりを訴求するCMを展開。品質訴求CMは120周年施策以来20年ぶりの放映になるという。今回の品質訴求CMは「子どもたち」を主役に描き、子どもでも安心して飲める品質へのこだわりというところで「安心・安全な品質」が訴求される。
また、店頭施策として、3月28日の「三ツ矢の日」に向けて、3月23日、24日の2日間、全国の店頭でにおいて、社員参加型のイベントを実施。コロナ禍においては自粛されていたが店頭イベントだが、今年は全国1,143店舗、1,060人の社員が参加する過去最大規模となる。
そして、140周年の3月28日、「三ツ矢の日」当日は、いきものがかりのスペシャルオンラインライブを開催。当日は、三ツ矢サイダーの描き下ろしCM楽曲「青のなかで」のフル尺が全国で初解禁されるほか、TVCMでも、「三ツ矢の日」特別素材が一日限定でオンエアされる予定となっている。
「140周年をしっかり盛り上げることはもちろん大事だと思っていますが、三ツ矢にとっては、また新しいスタートでもある」という高橋氏。140周年を迎えるに当たり、社内の若手社員にプロジェクトとして、「これから三ツ矢をどうしたらいいか」というところも考えてもらったとのことで、「これまで先人から繋いできた基本価値はしっかりと守りながら、時代に合わせた声も取り入れて、常にお客様に魅力的なブランドであり続けるようにこれからもブランドを磨き続けていければ」と決意を新たに、説明会を締めくくった。
○生誕140周年「三ツ矢」ブランド
説明会では、アサヒ飲料 マーケティング本部 マーケティング一部 炭酸グループ グループリーダーの高橋徹氏が登壇。まずは、「三ツ矢」ブランドの歴史について紹介した。
「三ツ矢」ブランドの基幹となる「三ツ矢サイダー」は、1881年に、イギリス人化学者のウィリアム・ガウランドが、兵庫県の平野村(現在の川西市)に湧き出ている天然鉱泉水を発見したところから始まっている。そして、1884年に「平野水」として商品化されたのが始まりであり、最初は今で言う炭酸水であったという。その後、1907年に甘味と香りのついた「三ツ矢印平野シャンペンサイダー」が発売。この当時はカラメルを使って着色した炭酸飲料だったが、1968年に名称が「三ツ矢サイダー」となり、翌1969年から無色透明化され、日本でもっとも歴史がある、今に引き継がれる安心・安全な炭酸飲料となった。
1884年に「平野水」として発売されてから今年で140周年となるが、過去の周年では、2004年の120周年におけるV字回復が大きなトピックとして紹介された。「三ツ矢」ブランドの販売量は1997年のピーク時にはおよそ2,900万箱となっていたが、2003年には1,700万個と大幅な減少となっていた。当時はお茶系飲料や機能性飲料の攻勢が強く、炭酸飲料は縮小傾向。「三ツ矢」ブランドは危機的な状況に陥っていたという。炭酸飲料のダウントレンドという逆風で苦戦を余儀なくされた「三ツ矢」ブランドだが、120周年を翌年に控えた2003年、再起に向けて、社長をリーダーとする価値向上プロジェクトチームが結成された。
この際に行われたのが「ブランド価値の明確化」。120年の歴史に裏打ちされた、安心・安全・自然といった商品コンセプトをまず明確に打ち出し、水、炭酸、フレーバーなどの約束を明文化し、ひとつひとつを見直すことによって、商品の魅力を再構築したという。見た目自体は変わらずとも、商品は一新。この120周年に向けた施策がV字回復のきっかけとなり、4,000万箱級のブランドに至った現状の礎となっている。
今年2024年は、「三ツ矢」ブランドが140周年を迎えるだけでなく、同社が展開する「ウィルキンソン」も120周年を迎えるなど、看板ブランドがW周年を迎えるに当たり、「炭酸カテゴリの活性化を図るのが我々の目標」と高橋氏は力強く宣言する。
その中でも「三ツ矢」ブランドは、3つのテーマを掲げ、ブランド接点の最大化を図っていくとのことで、まず第一に、基幹である三ツ矢サイダー、すなわち「透明サイダーシリーズの活性化」、第二が「果汁系炭酸領域におけるポジション確率」、そして第三が、好調な特濃シリーズへの注力や三ツ矢サイダーWのリニューアルなど「プレミアム・健康」といった価値の訴求を薦めていくという。
同社は「環境」「健康」「地域共創」といった3つのマテリアリティを掲げて取り組んでいるが、「三ツ矢」ブランドにおいてもより一層の強化を図り、特に「環境」を軸として、よりサステナブルなブランドとなる商品リニューアルを実施。また、「健康」に関しても、新たなコンセプトの新商品、新たな機能性表示食品の発売にも積極的に取り組んでいく姿勢を示した。
三ツ矢サイダーシリーズの「三ツ矢サイダー」「三ツ矢サイダーW」「三ツ矢サイダーZERO」に関しては容器リニューアルを実施。500mlペットの容器サイズを見直し、通常サイズよりも高さを6.5mmほど低くすることによって、店頭での視認性を落とすことなく、パレット当たりの積付け効率を改善し、環境負荷の軽減が図られる。
○復活総選挙で人気の商品も復刻
また、140周年記念商品として、これまで「三ツ矢」ブランドが培ってきた価値にフォーカスした新商品を年間を通して展開。第1弾として1月に発売された、甘さにこだわった「三ツ矢PREMIUM SWEET」を皮切りに、4商品の発売が予定されている。そして、先日行われた「三ツ矢復活総選挙」において、もっとも高い票数を獲得した「三ツ矢サイダーシルバー」の復刻発売もそのひとつになるという。
「三ツ矢サイダーシルバー」は、1970年に発売された商品で、総選挙においては、「子どもの頃飲んでいたので懐かしい」「当時ごちそうだった『三ツ矢サイダーシルバー』をぜひ復活させてほしい」といった、当時を知っている人による当時を懐かしむ声に加え、「生まれる前なので飲んでみたい」といった当時を知らない今の若い世代の声も聞かれるなど、「幅広い世代から評価されたのが今回の結果に繋がったのでは」との見解を示した。
そのほかにも、長年の果汁炭酸研究の知見を活かし、果実本来の味が楽しめる新商品を展開。3月には、レモンという炭酸のパワーフレーバーに「三ツ矢」が正面から向き合った「MITSUYA檸檬CIDER140」、そして4月には、昔から喫茶店などで馴染のあるメロンソーダを「三ツ矢」らしいしっかりとした品質にこだわった「三ツ矢こだわりぎゅっとメロンソーダ」がそれぞれ発売される。
○3月28日「三ツ矢の日」に向けたイベントも開催
そして、140周年のプロモーション施策として、「一緒なら、もっと楽しい」をキーコンセプトに広告コミュニケーションを刷新。ブランドキャラクターとして、いきものがかりと横浜流星を起用し、日本中の“心はじける瞬間”を増やしていく、ユーザー参加型のキャンペーンが展開される。
さらに、「三ツ矢サイダー」の品質へのこだわりを訴求するCMを展開。品質訴求CMは120周年施策以来20年ぶりの放映になるという。今回の品質訴求CMは「子どもたち」を主役に描き、子どもでも安心して飲める品質へのこだわりというところで「安心・安全な品質」が訴求される。
また、店頭施策として、3月28日の「三ツ矢の日」に向けて、3月23日、24日の2日間、全国の店頭でにおいて、社員参加型のイベントを実施。コロナ禍においては自粛されていたが店頭イベントだが、今年は全国1,143店舗、1,060人の社員が参加する過去最大規模となる。
そして、140周年の3月28日、「三ツ矢の日」当日は、いきものがかりのスペシャルオンラインライブを開催。当日は、三ツ矢サイダーの描き下ろしCM楽曲「青のなかで」のフル尺が全国で初解禁されるほか、TVCMでも、「三ツ矢の日」特別素材が一日限定でオンエアされる予定となっている。
「140周年をしっかり盛り上げることはもちろん大事だと思っていますが、三ツ矢にとっては、また新しいスタートでもある」という高橋氏。140周年を迎えるに当たり、社内の若手社員にプロジェクトとして、「これから三ツ矢をどうしたらいいか」というところも考えてもらったとのことで、「これまで先人から繋いできた基本価値はしっかりと守りながら、時代に合わせた声も取り入れて、常にお客様に魅力的なブランドであり続けるようにこれからもブランドを磨き続けていければ」と決意を新たに、説明会を締めくくった。
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