会社員が将来年金を月18万円もらうには、現役時代にどのぐらいの収入が必要ですか?
All About2024年4月13日(土)21時20分
年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人も……。今回は、将来、年金を月18万円もらいたい場合の現役時代の収入について、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、将来、年金を月18万円もらいたい場合の現役時代の収入についてです。
老齢厚生年金の受給額は、現役世代の収入や勤続年数によって計算されます。したがって会社員時代の収入や勤続年数が少ない人は、年金受給額も少なくなってしまいます。
老齢厚生年金は、現役世代の収入金額(給与など)と厚生年金の加入期間によって、次の計算式で計算されます。
(1)平成15年(2003年)3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年(2003年)3月までの加入期間
(2)平成15年(2003年)4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年(2003年)4月以後の加入期間(※)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用
では、将来、毎月18万円の年金を受給できる会社員の年収とはいくらなのでしょうか?
ここでは相談者を、令和6年(2024年)現在で20歳とします。平成15年(2003年)4月以後に20歳で会社に就職し、60歳までの40年間厚生年金に加入とします。ボーナスの支給はなく、40年間の年収は一定とした場合で計算してみたいと思います。なお、老齢厚生年金の受給額を計算するときは(2)の平成15年4月以降の計算式のみを用います。
この条件で考えると、相談者は老齢基礎年金を令和6年(2024年)度で満額6万8000円受給できることになります。
そのため、将来、毎月18万円の年金を受け取るためには、老齢厚生年金は月額11万2000円(18万円−6万8000円)を受け取る必要があります。
老齢厚生年金を月額11万2000円(年額134万4000円)受け取るための年収を(2)の計算式で計算すると、下記のとおりです。
《計算式》
平均標準報酬額×5.769/1000×480カ月(加入期間)=134万4000円(年間の老齢厚生年金受給額)
平均標準報酬額=134万4000円/(5.769/1000×480)≒48万5353円
平均標準報酬月額を年収に換算します。
48万5353円×12カ月=582万4236円(年収)≒582万円
以上のように、20歳から60歳までの生涯平均年収が582万円(およそ月額48万5353円)あれば、将来、月18万円の年金を受け取れるということになります。
また、65歳時点で、厚生年金の加入期間が20年以上あると、要件を満たす配偶者がいる場合に老齢厚生年金に配偶者加給年金額が上乗せしてもらえることになります。
※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません。
※経過的加算は考慮していません。
※年収と年金は額面で計算しています。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
今回は、将来、年金を月18万円もらいたい場合の現役時代の収入についてです。
Q:将来、月18万円の年金を受給できる会社員の年収はいくらぐらいですか?
「会社員が将来年金を月18万円もらうには、現役時代にどのぐらいの収入が必要ですか?」(20代)A:年収の目安は582万円(およそ月額48万5000円)です
厚生年金に加入して働く会社員は、受給要件を満たすことで原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして、老齢厚生年金が受け取れます。老齢基礎年金は、未納期間・免除期間が全くない人は、月額6万8000円(令和6年度満額)が受け取れます。老齢厚生年金の受給額は、現役世代の収入や勤続年数によって計算されます。したがって会社員時代の収入や勤続年数が少ない人は、年金受給額も少なくなってしまいます。
老齢厚生年金は、現役世代の収入金額(給与など)と厚生年金の加入期間によって、次の計算式で計算されます。
(1)平成15年(2003年)3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年(2003年)3月までの加入期間
(2)平成15年(2003年)4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年(2003年)4月以後の加入期間(※)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用
では、将来、毎月18万円の年金を受給できる会社員の年収とはいくらなのでしょうか?
ここでは相談者を、令和6年(2024年)現在で20歳とします。平成15年(2003年)4月以後に20歳で会社に就職し、60歳までの40年間厚生年金に加入とします。ボーナスの支給はなく、40年間の年収は一定とした場合で計算してみたいと思います。なお、老齢厚生年金の受給額を計算するときは(2)の平成15年4月以降の計算式のみを用います。
この条件で考えると、相談者は老齢基礎年金を令和6年(2024年)度で満額6万8000円受給できることになります。
そのため、将来、毎月18万円の年金を受け取るためには、老齢厚生年金は月額11万2000円(18万円−6万8000円)を受け取る必要があります。
老齢厚生年金を月額11万2000円(年額134万4000円)受け取るための年収を(2)の計算式で計算すると、下記のとおりです。
《計算式》
平均標準報酬額×5.769/1000×480カ月(加入期間)=134万4000円(年間の老齢厚生年金受給額)
平均標準報酬額=134万4000円/(5.769/1000×480)≒48万5353円
平均標準報酬月額を年収に換算します。
48万5353円×12カ月=582万4236円(年収)≒582万円
以上のように、20歳から60歳までの生涯平均年収が582万円(およそ月額48万5353円)あれば、将来、月18万円の年金を受け取れるということになります。
また、65歳時点で、厚生年金の加入期間が20年以上あると、要件を満たす配偶者がいる場合に老齢厚生年金に配偶者加給年金額が上乗せしてもらえることになります。
※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません。
※経過的加算は考慮していません。
※年収と年金は額面で計算しています。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
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