年収1000万円だったら、将来もらえる年金はいくら?
All About2024年4月14日(日)8時10分
年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人も……。今回は、年収がずっと1000万円だった場合、将来いくら年金をもらえるのかについて、専門家が解説します。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、年収がずっと1000万円だった場合、将来いくら年金をもらえるのかについてです。
今回は以下のような人を例に考えてみます。
2024年(令和6年)現在30歳、1994年(平成6年)生まれ、22歳から60歳まで(38年間)、生涯平均年収を1000万円(ボーナス込み、平均標準報酬額83万3330円)で、38年(456カ月)間、厚生年金に加入。厚生年金に加入するまでの期間(20歳から22歳まで)は、国民年金に加入しており、未納期間・免除期間がないこととします。この場合、老齢基礎年金は満額の81万6000円(2024年度(令和6年度))が受け取れます。
老齢厚生年金の受給額を計算するには、2003年(平成15年)3月までと2003年(平成15年)4月以降では、計算式が違います。今回は2003年(平成15年)4月以降の計算式を用います。
老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式は以下となります。
平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間(※)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は、昭和21年4月2日以降生まれに適用されるものを使います。平均標準報酬額とは、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額のことです
年金額を計算してみます。
【1】老齢厚生年金の報酬比例部分:83万3330円×5.769/1000×456カ月≒年間219万2211円
【2】老齢基礎年金:年間81万6000円
【3】【1】老齢厚生年金219万2211円+【2】老齢基礎年金81万6000円=年間300万8211円
したがって、38年間、ずっと年収1000万円の人は、65歳からおよそ年額300万8211円(月額約25万684円)の年金を受け取ることができます。
また、65歳時点で、厚生年金の加入期間が20年以上あると、要件を満たす配偶者がいる場合に老齢厚生年金に配偶者加給年金額が上乗せしてもらえることになります。
※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません
※経過的加算は考慮していません
※年金額と給与額は額面で計算しています
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
今回は、年収がずっと1000万円だった場合、将来いくら年金をもらえるのかについてです。
Q:年収1000万円だったら、将来もらえる年金はいくら?
「年収が1000万円だったら、将来もらえる年金はいくらぐらいになりますでしょうか?」(匿名希望)A:65歳から、年間300万8211円の年金を受け取れます
厚生年金の加入期間がある人は、原則65歳になると老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受け取ることができます。年収1000万円の会社員の人は、厚生年金の加入者になります。今回は以下のような人を例に考えてみます。
2024年(令和6年)現在30歳、1994年(平成6年)生まれ、22歳から60歳まで(38年間)、生涯平均年収を1000万円(ボーナス込み、平均標準報酬額83万3330円)で、38年(456カ月)間、厚生年金に加入。厚生年金に加入するまでの期間(20歳から22歳まで)は、国民年金に加入しており、未納期間・免除期間がないこととします。この場合、老齢基礎年金は満額の81万6000円(2024年度(令和6年度))が受け取れます。
老齢厚生年金の受給額を計算するには、2003年(平成15年)3月までと2003年(平成15年)4月以降では、計算式が違います。今回は2003年(平成15年)4月以降の計算式を用います。
老齢厚生年金(報酬比例部分)の計算式は以下となります。
平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間(※)
※従前額保障での計算方法。スライド率等については省略。乗率は、昭和21年4月2日以降生まれに適用されるものを使います。平均標準報酬額とは、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額のことです
年金額を計算してみます。
【1】老齢厚生年金の報酬比例部分:83万3330円×5.769/1000×456カ月≒年間219万2211円
【2】老齢基礎年金:年間81万6000円
【3】【1】老齢厚生年金219万2211円+【2】老齢基礎年金81万6000円=年間300万8211円
したがって、38年間、ずっと年収1000万円の人は、65歳からおよそ年額300万8211円(月額約25万684円)の年金を受け取ることができます。
また、65歳時点で、厚生年金の加入期間が20年以上あると、要件を満たす配偶者がいる場合に老齢厚生年金に配偶者加給年金額が上乗せしてもらえることになります。
※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません
※経過的加算は考慮していません
※年金額と給与額は額面で計算しています
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
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