夫婦合計の年金額は月18万円と少ないので夫は働いてます。どちらかが亡くなったら遺族年金は受給できる?
All About2024年4月16日(火)20時30分
年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金受給している夫婦のどちらかが亡くなった場合、遺族年金が支給されるかどうかについてです。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、年金受給している夫婦のどちらかが亡くなった場合、遺族年金が支給されるかどうかについてです。
死亡した年金の加入状況などによって、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」のいずれか、または両方の年金が給付されます。遺族年金を受け取るには、亡くなった本人の年金の納付状況・遺族年金を受け取る人の年齢・優先順位などの条件があります。
今回は、子どもはいない、もしくは独立している、すでに老齢年金を受給している夫婦のいずれかが亡くなった場合という前提で解説します。夫婦に子どもがいない場合は、遺族基礎年金は受け取れません。夫婦ともに老齢厚生年金を受給していますので、遺族厚生年金を受給できる可能性があります。
遺族厚生年金は、次の2通りの計算方法があり、いずれか多い額が支給されます。
【1】亡くなった人の老齢厚生年金額の3/4
【2】亡くなった人の老齢厚生年金額の1/2+自分の老齢厚生年金額の1/2
自分の老齢厚生年金を受給している場合、遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金の差額を受け取ることになります。
具体的に計算すると、相談者は夫婦合計の年金額(老齢基礎年金+老齢厚生年金)が月18万円とのことですので、仮に、老齢基礎年金は満額受給つまり夫婦で月額13万円、夫の老齢厚生年金が月額3万円、妻の老齢厚生年金が月額2万円とします。夫が先に亡くなった場合の遺族厚生年金を計算すると、月額2万2500円となります。
妻は、遺族厚生年金(月額2万2500円)−自分の老齢厚生年金(月額2万円)=月額2500円の差額を受給できます。つまり妻が受給できる年金額は、自分の老齢基礎年金(月額6万5000円)+自分の老齢厚生年金(月額2万円)+遺族厚生年金の差額分(月額2500円)=8万7500円となります。
妻が先に亡くなると、夫の老齢厚生年金額は、妻の遺族年金額より多くなりますので、差額分を夫がもらえることはありません。
監修・文:深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
今回は、年金受給している夫婦のどちらかが亡くなった場合、遺族年金が支給されるかどうかについてです。
Q:年金生活の夫婦どちらか亡くなった時、遺されたほうには遺族年金が支給されるの?
「夫婦合計の年金額は月18万円と少ないので、夫の私は働いております。年金だけの生活になった時が不安です。先に夫婦どちらかが亡くなった時、遺されたほうには遺族年金が支給されるのでしょうか? 現在の二人の年金額には、あまり差はありません」(匿名希望・男性)A:遺族厚生年金を受給できる可能性があります
遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険に加入している方などが亡くなった時、その人によって生計を維持されていた家族(遺族)に給付される年金です。死亡した年金の加入状況などによって、「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」のいずれか、または両方の年金が給付されます。遺族年金を受け取るには、亡くなった本人の年金の納付状況・遺族年金を受け取る人の年齢・優先順位などの条件があります。
今回は、子どもはいない、もしくは独立している、すでに老齢年金を受給している夫婦のいずれかが亡くなった場合という前提で解説します。夫婦に子どもがいない場合は、遺族基礎年金は受け取れません。夫婦ともに老齢厚生年金を受給していますので、遺族厚生年金を受給できる可能性があります。
遺族厚生年金は、次の2通りの計算方法があり、いずれか多い額が支給されます。
【1】亡くなった人の老齢厚生年金額の3/4
【2】亡くなった人の老齢厚生年金額の1/2+自分の老齢厚生年金額の1/2
自分の老齢厚生年金を受給している場合、遺族厚生年金と自分の老齢厚生年金の差額を受け取ることになります。
具体的に計算すると、相談者は夫婦合計の年金額(老齢基礎年金+老齢厚生年金)が月18万円とのことですので、仮に、老齢基礎年金は満額受給つまり夫婦で月額13万円、夫の老齢厚生年金が月額3万円、妻の老齢厚生年金が月額2万円とします。夫が先に亡くなった場合の遺族厚生年金を計算すると、月額2万2500円となります。
妻は、遺族厚生年金(月額2万2500円)−自分の老齢厚生年金(月額2万円)=月額2500円の差額を受給できます。つまり妻が受給できる年金額は、自分の老齢基礎年金(月額6万5000円)+自分の老齢厚生年金(月額2万円)+遺族厚生年金の差額分(月額2500円)=8万7500円となります。
妻が先に亡くなると、夫の老齢厚生年金額は、妻の遺族年金額より多くなりますので、差額分を夫がもらえることはありません。
監修・文:深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)
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