縄文人もツイッターユーザーも、同じ顔でニコニコ? おくるみに包まれた「赤ちゃん土偶」がとろける可愛さ
2022年4月7日、大分県の中津市歴史博物館の公式アカウント(@nakahaku_)が、「かわいすぎる土偶」の写真が投稿された。
なんと「おくるみに包まれた縄文時代の赤ちゃん」の土偶だという。
ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「可愛いでちゅね〜」
「これは観てみたい」
「縄文時代も、赤ちゃんはおくるみされて育てられていたのか」
「ばぶー」
縄文時代の赤ちゃんに、現代人もすっかり魅了されてしまったようだ。
中津市歴史博物館のツイートによると、この赤ちゃん土偶は今年の夏、青森から中津へとやってくるらしい。「赤ちゃんが泣き出さないよう大切に。そーーっとね」と書かれている。
Jタウンネット記者は、中津市歴史博物館と、土偶が出土した青森・三戸(さんのへ)町の教育委員会に取材してみた。
赤ちゃん土偶のおくるみは「編巾」だったかも?
まずは、この愛らしい土偶がどんなものなのか。三戸町教育委員会の野田尚志さんが教えてくれた。
「この『赤ちゃん土偶』が見つかったのは、馬渕川沿いにいくつか発見された縄文遺跡の一つ、沖中(おきなか)遺跡です。岩手県との県境に近い三戸町の中心部に位置しています。縄文時代後期から晩期のものと想定されています。
沖中遺跡は、出土品などから見て、集落というよりは何らかの儀式を行った場所ではないか、とも考えられます。というのは、この遺跡の東側に名久井岳という標高615メートルの山があるのですが、そこから昇る日の出を観測していたと考える説もあるようです。『赤ちゃん土偶』も、そういった儀式で用いられたのかもしれません」(三戸町教育委員会・野田尚志さん)
「赤ちゃん土偶」の大きさは、縦7センチ、横4センチで、手のひらにすっぽり入るほど。まん丸い顔、愛らしい目、大きな口、なんとも愛らしい赤ちゃんの表情が表現されている。あきらかに「赤ちゃん」だと分かる土偶は全国を見てもほとんど例がないという。また、母親を伴わない赤ちゃん単体で見つかったのも、日本初ではないかと言われているそうだ。
さらに関心を集めたのが、「おくるみ」(赤ちゃんを包む布)だ。おくるみは縄文時代から使われていたのだろうか。またどんな布だったのか?
「編巾(アンギン)と呼ばれる技法があるそうです。麻や苧麻(カラムシ)など自然植物の繊維を材料とした編み物の技法のことです。編巾は、現代でも新潟県や福島県の山間部で伝えられているとも聞きます(『越後編巾』とも呼ばれるそうですが......)。
これは想像でしかありませんが、もしかしたら縄文時代晩期の赤ちゃんのおくるみは、編巾だったかもしれませんね」(三戸町教育委員会・野田尚志さん)
縄文時代の赤ちゃんの死亡率はかなり高かったことが想像される。赤ちゃん土偶は、我が子の成長を祈るためか、あるいは亡くした子を悼んで作られたものか、どちらかではないかという考えもあるようだ。
「子を思う母の気持ちはきっと現代人と変わりない」
そんな赤ちゃん土偶を展示する予定なのが、2022年7月9日〜8月21日に中津市歴史博物館で開催される「枌洞穴と縄文の人生」展。
同館の高崎章子館長によると、市内にある枌洞穴(へぎどうけつ)という遺跡について、わかっていることを紹介しようという企画展らしい。過去の調査で枌洞穴からは縄文人骨が68体確認されている。
「(枌洞穴は)素晴らしい発見だったのですが、何分にも50数年前の調査で、詳細はよくわかっていません。
枌洞穴からはお母さんが赤ちゃんを抱いたままの人骨が出土しています。縄文時代というと遠い存在に思うかもしれませんが、子を思う母の気持ちはきっと現代人と変わりないと思います。
展示担当者が、枌洞穴の紹介の際に、赤ちゃんをおくるみで包んだ、母の愛情たっぷりの赤ちゃん土偶もあわせて展示したいと思いました。縄文人の人生について考え、身近に感じていただく展示を目指しています」(中津市歴史博物館高崎章子館長)
その展示のために、同館のスタッフが三戸に向かい、写真をツイッターに投稿。
ツイートへの反響は予想以上だったようだ。高崎館長はこう語っている。
「皆さんが『可愛い!』と喜んでくださって本当にうれしいです。きっと、土偶を作った縄文時代の人も、ツイッターを見ている現代の人も、同じ顔で『可愛い』とニコニコされているんでしょうね。そう思うと幸せな気持ちになります」(中津市歴史博物館高崎章子館長)
愛らしい赤ちゃん土偶。実物を見てみたい方は、大分県中津市へ行く夏休みの計画をたてなくては......!
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